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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「なにあれ?」


 こそっと木々の隙間から顔を覗かせて会長はそういう。僕達を探してるのか、あの蜂に乗った騎士たちが僕達に続いて森に入ってきてた。あの蜂の羽音がなかなかうるさいから隠密にはあいつら向かないな。そんな事を思ってる。僕は地味に風を操って匂いとか声とか外に漏れないような、簡易な結界的な物を作ってる。色々とバージョンアップをはたした僕の祝福はそんな事を出来る様になって。


 出来ないかな? と思ってやってみたら出来た感じだ。自分の成長を感じたね。てか風なら、ほぼ無意識で操る所まできてる。


「ここには生命体はいないということでしたが……間違い……な訳ないですよね」


 そういって僕を見てくるセラ。なに……その原因はアンタでしょ? 的な無言の圧力。全ての原因が僕にあるなんてそんな訳ないじゃ。僕はそんなに自分の事過大評価してないっての。絶対関係ないから。


「僕のせいじゃない。けど、祝福は関係あるかもな」


 前も普通と違った事がシヴァの時起こってたしね。だから僕のせいじゃなく、祝福が原因はあり得る話だ。


「でも祝福を持ってたら生命が出てくるってのもおかしくないかな?」

「そこはほら、ゲーム的にそれが条件だったって事じゃ?」


 会長は普段ゲームとかしないから違和感があるのかもだけど、条件を整えて発生する物というのはゲームでは常識だ。僕と会長が持ってる祝福に反応してイベントが発生したと考えるのは僕やセラには普通だ。


 蜂の騎士達が遠ざかっていく。僕達はこの間に移動して距離を取る事にした。戦っても勝てそうではある。でも、それが正しい判断かはまだわからない。だって僕達はこの場所に侵入して側だし。何もいないと思って我が物顔で闊歩してたわけだからね。


 もしも彼らが先住民なら、なんだあいつら? ――となっておかしくない。そして下手に攻撃して敵対すれば、この場所では常に狙われることになったり……そうなるとやっかいだ。やっかいなだけでどうにかなりそうな気はするけど……悪者になりたい訳でもないからね。


 そんな事を考えながら歩いてると、どんどん気温が高くなってきた気がする。奥に進んでた筈なんだが……どうやら夏の地域に近づいてるらしい。この森、もしかして方向感覚を狂わせてる? 森を抜けるとそこは燦々とした太陽の光が降り注ぐ向日葵畑だった。自分たちの背丈ほどもある大きな向日葵が一面咲き誇ってた。春の方では色とりどりの小さな花々が咲いてたが、ここには向日葵だけだ。凄いな……一面黄色だよ。


「森の奥に祭壇はあるんじゃなかったの?」


 そんな文句を言ってくるセラ。知ってるよ。そして僕達は確かに森の奥を目指してた筈だ。けど何故がここに出た。僕達みんな方向音痴って訳じゃないはずだが……するとどこからか聞き覚えのある羽音が耳に届く。


 おいおいまたかよ……とおもって僕たちは目を凝らす。やはり蜂に乗ってそいつらは花の上を飛んできた。けど……微妙にさっきの奴らと違う。それは色だったり、鎧の形だったりだ。もしかしたら蜂の種類も違うかもしれない。けど結局の所……なんて言ってるかわからないんだよね。

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