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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 僕の目には問題なくコードが見えている。けど、別に意味が分かるわけではない。でも意味なんてどうでもいいんだ。要はこのコードがこの特殊な氷その物。でもコードは手で触れることは出来ない。コードを奪うとかシクラとかやってたし、今もやってた奴がいた。なら絶対に出来ないわけじゃない。大体それが出来るのはシステムの外にいるような奴らだが……祝福があるならなんとかなるかもと思える。


「ちっ」


 氷を使って戻れ……みたいにねんじてみたが、それでは上手くいかない。まあ、そうだよね。ただ単に祝福を使ってもコードまでを操れる訳じゃない。けどなにか方法がある筈だ。それこそ会長のペンとかなら……でもあいつも苦しそうだからな。自分の事は自分でどうにかやるしかない。体の暑さはどんどんと上がってる。自分自身を焼き尽くすのも時間の問題。コードは見えてる……そこにある。でも僕にはそれに触れる術が……ない。


「くっそ」


 そんな時、見えてるコードが僅かに揺らめいたように見えた。気のせいじゃない。だって僕の目は高精度だ。それはコードも何かの影響を受ける証拠。そもそも影響受けないなら、奪うなんて事できるわけない。


(見方を変えないと……なのかも)


 僕は一番得意な風を出す。その色は黄緑色だ。黄緑色の風が僕の周りに漂う。いつもならそれはそういう物だと思って見えてる。けどコードに触れるのならこれもコードで見ないとダメなのかもしれない。僕は一度目を閉じてもう一度開けて風をみる。頭を切り替えて、風も世界も全てがコードの世界となる。それは実に殺風景な光景だ。というかおぞましい。この世界がコードで出来てると思わさられる光景。僕も会長もそしてイフリートもコードだ。溶岩だって地面だって全てがコード。


(行ける気がする)


 僕はコードとなった風を操る。けどコードで見えてるだけで、風だから氷に阻まれてるのが見えた。壁にぶつかって拡散してる。けど、コードを見ると突破口が見えた。わずがだが、風のコードは氷のコードに触れてる。普通に見たら、ただ氷に阻まれた風でしかない。けど、コードでみたら変わる。普通なら氷の壁に風が入り込む隙なんてみえない。でも今の状態なら見える。僕は氷の一番近いコードに狙いを定めて再び風を集める。


 コードがたくさん集まる。その中で中に入りやすいコードというのがあるのに気付いた。それを前に出して、つなげていってそして氷のコードと絡ませる。そしてそれを引っ張り出して、僕の体へとつなげた。


 その瞬間だ。この氷の作り方がわかるようになった。ただ息を吐くように……ぼくの中でそのコードを使って炎を囲む。自分の中でなら、いくらでもコードは増やせるみたい。外に出すとなると、その現象を再現する為の材料が必要なのかもしれないが、自分の中だと何故か自由だ。だから炎を抑えるだけの氷を作るのも自由。体から熱がひいていく。


 僕は立ち上がってみせた。


「見事だ」


 そうイフリートが言った。

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