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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 僕達はアブフト火山へと来てた。セラがいるから聖典を使って空から火口へとダイブ。本当はダイブする気なんてなかったんだ。それなのにセラの奴が……道中めんどいからって火口に僕を落としやがった。そうなると会長もついてくるわけで、二人一緒に火口に落ちる前にインベントリ内のアイテムが反応してた。なので、僕と会長はそれぞれインベントリからアイテムをだして火口に投げてみた。


 するとどうだろう、アイテムが輝いたと思ったら火口から腕がはえてきた。それはアイテムを吸い取って、そのまま僕と会長を掴む。反撃しようとしたが、それは会長に止められた。確かに敵意ってのは感じなかったが、いきなりだと反撃しちゃいそうになるじゃん。


 何か、一言欲しいよね。


 僕達は多分マグマの中を進んでるんだと思う。腕に包まれてるからわからないが、めっちゃ熱い。なのに会長の奴は涼しい顔してる。ぴっちりとした長袖の服とか来てるのに……べつに何かを期待してる訳じゃないけどね。だって日鞠だし……会長は日鞠なんだ。ちょっとかわいくなってるからってそんな……


「うわ!?」


 いきなりポイッと投げ捨てられた。輸送されてきた場所は四方をマグマの滝が覆ってる円形の場所。ここが祭壇のようだ。けど、ネットで調べた場所とかと違うような? だってこんなマグマの滝で囲われてるなんて書いてなかった。確かマグマの上に浮かぶ祭壇だったはず。間違いじゃない……のか? それともやっぱり祝福用の特別な場所か? 僕はそう思いながらあたりを見回す。


 どうやら僕達を運んできたのみ大きな手だったらしい。イフリートかな? とか思ってたが、使い走りみたいなやつかな? 


「来たか」


 そんな声がどこからともなく聞こえた。僕と会長は背中を合わせて何が起きても対処できるようにする。互いの背中は互いが守る態勢だ。まあ今までの経験上精霊が直接何かしてくるなんて事はなさそうだが、何やら声に棘があるような気がしたからだ。


 そう思ってるとマグマの滝の一部が激しく吹き飛ぶ。祭壇の上に飛び散るマグマ。滅茶苦茶危ない。とりあえず風で自分たちへと当たらない様に誘導する。


「ほう……やるではないか」


 現れた獣がイフリートだろう。大きさは一軒家くらいある。筋肉質な体には赤い体毛が炎のように生えていて、背中から尻尾にかけて生えている鉱石みたいな山脈は、今にも噴火しそうな感じにゆっくりと赤く光っては暗く沈んでいた。両腕と両足には鋭利な爪。牙は岩をもかみ砕きそうだ。今まで見てきた精霊の中で、一番凶悪そうと言っていい。まさに戦闘タイプみたいな? フィンリルをもっと凶悪にした感じだな。それを言うとリルフィンの奴が怒りそうだけど……


「ならこれはどうする?」


 そういうイフリートは普通に口から炎を吐いてきた。なに「今日どんな感じ?」程度の気楽さで殺しに来てるのこいつ? 祝福では精霊と戦う必要ないんじゃないのか? でもそんな事を行ってる場合ではない。流石にこの勢いの炎を風で反らすなんて不可能だ。


「スオウ氷を!」

「いや無理だろ! アイテム使っても流石にこれは――」

「大丈夫!」


 そういって会長はペンで何かを書きだす。今は会長を信じるしかないな。僕はインベントリから氷の宝石をあるだけとりだした。そして解放と唱える。すると氷の宝石は拳大の氷になった。どれも大体同じ大きさの氷だ。多分これ以上は込めれないから、僕の氷とかを宝石にため込むなんて事は出来なかったんだ。まあそれは今はいい。とりあえず大量の氷はただの氷でしかない。このままではすぐにここの熱気で溶ける。


 僕は急いでその全部に自分の氷を通しばらばらだったのを一つの大きな塊にした。そして前方に盾として配置する。自分の氷が巡ってるから普通の氷よりは断然溶けにくくはってる。あの魔法陣も生きてるしね。けど、流石に炎の化身ともいえるイフリートの炎とまだまだ未熟な僕の氷では分が悪い。どんどん溶けてるのがわかる。必死に力を通して氷を維持しようと試みてるが、やはりまだ風とかの様にはいかない。ここでサポートしてくれる精がいてくれれば話は変わってくるだろうが……あいにくと僕は風と雷の精しか持ってない。


「スオウ、受け取って!」


 そういって会長が自身の氷をこちらにも流して来る。一瞬、二人分の力で強まるのか、それとも反発し合うの怖くなったが、どうやら会長は上手く調整してるらしい。断然維持が楽になった。これなら――


「海もだして組み合わせようスオウ!」

「よし!!」


 更に勢いを増した炎に会長がそう提案する。僕と会長はインベントリから海の宝石も出す。勿論あるだけだ。出した海に意思を通し更に容量をまして更に氷に組み合わせる。風も使って急激に温度を奪い、氷の厚みに海を貢献させる。


「はあはあ……」


 炎が勢いを止めた時、僕達は白い息をこの場で吐いてた。

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