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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 僕は一人で魔法陣の中心に立つ。この陣は床だけじゃなく、壁にも、それに天井にもある。要はこの部屋全てを満たさないといけない訳だ。自分にそんな大量の魔力があるとは思えないが……だってLROはレベル制じゃないから、勝手にステータスが成長していくなんて事はない。

 装備とか、スキルで自分の理想を追い求めていくのがLROだ。僕は殆どMPなんて初期値から変わってない。だってMPを増やす系の装備とかしてないし、いや、フラングランは装備してるだけで少しだけMP増えるけどね。普通こういう物を満たすとなると、並々にMPを増やす装備をした方がいいんだろう。けど実際祝福ってMPを使ってる訳ではないんだよね。


(なら大丈夫か……)


 祝福を鍛えるための物なら、きっと大丈夫な筈。それに僕と同じで会長だって別に後衛って訳でもないし、そんなMPに特化してるとも思えない。あいつも何も言わなかったのなら、多分問題ないんだろう。


「やっぱり最初は氷からいくか」


 一番得意なのは風だが、村長さんとかきっと氷しか使ってないだろうしな。もしかしたら氷しか使用できない陣かもしれない。うっかりまず得意な風からやって、変な事が起こって陣が壊れるとかなったら困る。だから無難に僕は自身の中の氷を外に出すように意識する。


 するとそれに反応してか、足元の数十センチ範囲が青く光りだした。


「むむ……」


 青く光りだすと同時に、体の中に抵抗を感じる。なかなか氷が出てきてくれない。僕はもっと集中して氷を出していく。すると更に魔法陣の光る範囲が広がった。


(まさか、この魔法陣が抵抗値みたいなのを上げてる?)


 得た祝福は案外出すだけなら簡単な筈だ。まあ自身の中にある分じゃ、ほとんど戦闘とかには使えないから、そこから更に周囲の物を取り込んでいかなきゃならないんだけど……だから自身の中のは瞬時に出るくらいで丁度いい。

 むしろ他のと結びつくのが大変だからね。けど、この魔法陣の上にいると、その自身の中の祝福を出すのに苦労する。とてもいつもと同じように出してるとは思えない。なんだか自身の体内を巡らせてく中で抵抗の少ない所を選んで流していかないといけないみたいな感覚だ。


 正解を見つけないと流れがせきとまる。だから凄く時間がかかる。それに定期的にとても複雑な個所が来る気がする。そこをぬければ、一気に魔法陣の輝きも進むが、額には汗がにじむ程に苦労してる。


「会長はこんなのをあんな涼し気にやってたのか」


 やっぱりあいつは凄いな……とかおもったが、考えてみればあいつがこれを正攻法でクリアしたとは思えない。絶対にあのペンで何やらやったに違いない。


(残ってないかな?)


 僕はふとそんな事を考えて風も同時に出してみた。

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