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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 テッケンさんとシルクちゃんも合流して、僕達は村長さんの家の地下にいる。そこは床に複雑な魔法陣が掛かれた地下空間だった。どうやって作ったの? と思うくらいだが、まあここはゲームだし、それを考えるのは意味のない事だ。


「ここは自身の力と向き合える場所です。ここでなら、より深く力を引き出せるのです」

「ここであの彫像は作ったのですか?」

「ええ、まあ私たちはここには一日でも三十分もいられませんがね」


 どうやらあの彫像はかなり苦労して作ったものだったようだ。


「そんな貴重な物を……」

「いえいえ、あれは特別な物ですよ。お遊び程度で作る像もあります」


 だよね。全部があんな特殊な作り方してるわけないか。きっと村を救ってくれたから一番貴重な物をくれたんだと思う。


「それではどちらの方からやりますかな?」

「二人同時はむりなんですか?」

「それは無理なのです。この陣の中央に一人で力を解放してこの陣を満たす必要があります」


 そういわれると仕方ない。一人ずつでもパワーアップ出来るのならそれでいいしね。


「どうする?」

「じゃあ私から行こうかな?」

「いいのか?」


 なんとも無いように会長は言う。僕的にはありがたい。だってやっぱり最初は不安じゃん。その点後からならどんな感じだったか聞けるしね。


「うん、私は直ぐに終わらせてスオウにバトンタッチしてあげる」


 くっ、本当にそう思ってるんだろうな。まあ会長に関して言えば時間が掛かるなんて思ってないが。この陣はかなり複雑で満たすとなればそれなりの時間が掛かりそうだけど……


「村長さんはこの陣を全部満たせるんですか?」

「まさか、私は床に広がってる部分の一部だけですよ。それでもその間は力に特別な効果がつくのです」


 それが溶けない氷って事? とりあえず、氷でやる気だけど、一応風も海も試してみよう。


「ここの陣を完全に満たせればこの陣と同じものが自身の身に得られるはずです。それはきっとお二人の力になるでしょう」

「わかりました。頑張ります」


 そういう会長はいたって普通だ。別に気負ってる感じはない。こいつほんとものの五分とかで出てきそうだからな。その後で僕が数十分とかかかってたら恥ずかしいだろうか? やっぱり僕が最初が良かった? でも今さらやっぱり先にやりたいっていうのも……ね。


「頑張ってください会長さん」

「君なら大丈夫だ」

「ありがとうございます。それじゃあスオウ」

「ん、ああ」


 会長以外皆階段に向かって歩き出す。僕も生返事してこの部屋から出るしかなかった。そしてやっぱりというべきか……それとも会長にしては時間が掛かったと捉えるべきか……会長は十分くらいで戻ってきた。村長さんは驚嘆してたけどね。

 僕としてはこの後にやるのがいたたまれないね。絶対に村長さん会長と比べるじゃん。とりあえず、僕は戻ってきた会長にどうだったのか聞いてみる。


「大丈夫、スオウならきっと楽勝だよ」


 その言葉をそのまま信じていいのだろうか? こいつ、僕の事結構過大評価してるからな……でも次は僕だ。行かない訳にはいかない。皆の期待を背負って僕は階下に進みだす。

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