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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「おお! 救世主様!」


 そういって目ざとく僕と会長を見つけて声をかけてきたのはついさっきあったここの多分村長さんだ。いやいや、なんでこんな寒いなか、直ぐに外の状況がわかるわけ? 僕なら、ずっと家に引きこもってるけどね。まあ村の様子的に皆そんな引きこもってなさそうだけど。


 寧ろ最初来た時に皆が引きこもってたのは襲われてたかららしい。子供を中心に雪で遊んでる。


「どうやら、シヴァ様の試練をクリアなされたようですな」

「わかるんですか?」


 会長がコテンと頭を傾けて尋ねた。それに村長さんは顎を撫でながらこういうよ。


「ええ、この村の者達はシヴァ様のお力で生かされてますからな。その力は身近なのです。間違えようがありません」

「へー」


 なんかどう反応していいのかわからないから、適当になったが色々と疑問があった気がする。まあこんな何もない所で魔物もいるこの世界。戦う力も無かったら村なんて存続できない気は確かにする。


「精霊が村を守ってるのですか?」

「いえいえ、シヴァ様はここら一帯の主ですから。我らは許された者のみこの村に住めるのです」

「許されたというのは?」

「こういう事です」


 そういって村長は掌をかざす。するとそこから手のひら大の雪の結晶が出てきた。


「これって祝福?」


 会長がそう呟く。僕は言葉もなくなってるが、きっとそうだろう。てかまさか、さっきの言葉からするに、もしかしてこの村の連中みんな祝福を持ってる?


「ええ、これが出来ないとこの村には住めませんから」

「それじゃあ、やっぱり皆が祝福を?」

「もちろんです」


 笑顔で僕の質問に答えてくれる村長さん。いやいや、こっちは驚愕だよ。どんな村だよここ。


「えーと、じゃあその力があれば、さっきの襲撃もなんとかなったんでは?」


 だって皆が無力な村人だと思ってた。けど実際は全員が祝福持ちという、戦闘民族だったらしいんだ。僕達の行いは一体? と思うじゃん。


「いやはや、私たちは祝福を戦いに使ったりはしません。我らはただシヴァ様への感謝を写すためにこの力を使っておりますので」


 そういう村長さんだけど、ちょっとどういう事かわからない。そう思ってると会長がハッとしてこういった。


「もしかしてここでもらったシヴァ様の像は祝福の力で?」

「ええ、勿論です」

「やっぱり!」


 なるほど、あのシヴァの像は彼ら自身の氷でつくった物だったのか。そしてそれが僕達の中に……なんか村長がなかにいるみたいでヤダな……


「皆さまは私たちの恩人。そしてあなた方二人はシヴァ様の試練を成し遂げたお方。ならば、秘術をお教えせねばなりません」


 なりませんって強制ですか? いや、秘術とかわくわくするけどさ。僕達はまだ氷も海も全然使いこなしてないしね。秘術とかで祝福の力がアップするのなら最高だ。でもそれよりも――


「えっととりあえず、仲間がそろってからでもいいですか? あと二人くらいいるんで」


 僕はそういった。だってきっとテッケンさん達が困ってる筈だ。いや、精霊との戦いの後の転移先は調べてるからここに向かってると思うけど、いないと不味いでしょう。なので二人がやってくるまで僕達は暖かい部屋の中で色々と説明を聞きながら待つことにした。

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