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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「流石だねスオウ!」


 そういってくれたのは僅かな差でシヴァの彫像を完成させた会長だ。その顔は悔しさとか微塵もなくて、とってもキラキラしてる。なんか逆に負けた気になるんだけど……


「なんでお前が嬉しそうなんだよ?」

「うれしいよ。だって流石だからね!」


 よくわからないが……わかるからちょっときまずい。だって会長は……日鞠は僕に期待を掛けすぎなんだよ。僕はお前とは違うのに……日鞠程に才能があるわけじゃない。

 今回のこれもたまたまだ。まあ何か一つだけでも日鞠と並べる物が欲しいとは思ってるけどさ。


「早いな」

「シヴァ……これって細かく力を操る為の特訓なのか?」

「それもある。だが、我の氷は芸術だ。不器用な奴に使う資格なんかないだろ?」


 シヴァにとってはシステムがおまけらしい。自分の氷が大好きらしい。てかこれって不器用なら出来ないのかな? 僕は手なんて動かしてないから不器用かどうかなんて関係ない気がしなくもない。会長だって文字描いてただけだし……


「それで、私たちの彫像は合格なのですか?」

「そうだな、まあいいだろう。これで複数の祝福を使う事で相乗効果があることがわかっただろう」


 なんかシヴァの言葉がとても説明口調ぽかった。一応精霊ってここがゲームだと知ってるんだよね? エアリーロはそうだった。一応これは言っとかないといけないセリフだったのかな? と勘ぐってしまう。


「どうした?」


 柔らかく微笑むシヴァ。精霊だから超常の美貌を誇ってるからなんかクラッとする。セルフでこいつ周囲にキラキラした雪が舞ってしな。


「精霊はこの世界が何なのか……わかってるんだよな? エアリーロはそうだったけど」

「それは禁則事項だが……お前には別にいいかもな。我らも作り変えられた時、システムから切り離された。しばらくは以前の世界の記憶も我らの存在が何なのかもわからなかったぞ」

「そうなのか?」


 どうやら僕がやったリセットは精霊の存在意義とかを消失させてたみたいだ。本当に全部を一度リセットしてたんだな。


「我らの存在は特殊だった。この世界の調整する役目をおっていたからな。それでいてプレイヤーにも関わる特殊な物だ。我々はプレイヤーに話せる情報に明確な制限があった。ぞれは我らがシステムの根幹に紐づいてるからに他ならない」


 どうやら精霊はなかなかにシステムと深い関係のようだ。プレイヤーに話せる情報に明確な制限があったということは、きっとその情報でシステムを悪用したり、何か色々と良からぬ事が出来たりするんだろう。


「でも今はもう大丈夫なんですよね?」

「ああ今はもう全てがつながっている。前のLROの記憶も我らにはある」

「それはどうして? 世界が安定してきたからですか?」


 その会長の言葉にシヴァは頭を横に振るう。


「それは違う。我々も本当なら全てを忘れて、この世界の一部となっていただろう。あのままならな」

「それじゃあどうして?」


 少しだけ会長の言葉に警戒色が感じれた。何か危惧してる事がある?


「それはローレだ。あの子が我々を元の姿に戻してくれた」

「ローレちゃんですか」


 少しだけホッとしたような感じの会長。何を危惧してたのかしらないが、それはローレに向けられてたものではないようだ。僕は逆にあいつを警戒するけどね。


「あいつは何を何をしたんだ?」

「あの子は私たちと真の契約を結んでくれた。それだけで、それ以上の事はない」

「真の契約?」


 当然だけど、そこが気になるよね。きっと普通に判明してる精霊との契約ではないんだろう。今待てもちょっと思ってた。ローレと精霊との距離が近いな……と。


「それを知る権利はお前たちにはない」


 一蹴だった。


「それじゃあ、これだけ教えてくれ。祝福とその真の契約って関係あるのか?」


 これくらいなら……と思って質問してみた。シヴァの答えは――


「全くない訳ではない。だが、系統が違う。それだけだ」


 また微妙な……けどなんとなくローレは祝福は持ってない気がする。だってあいつの使う力は僕の使ってる祝福とは違う。


「もういいのなら、送ろう。研鑽を詰め。魂と共に祝福は馴染んでいくだろう」

「最後に一つだけ教えてください。精霊たちが管理から外れてた時、この世界は誰が管理していたんですか?」

「それはきっとお前の予想通りだとだけ言っておこう」


 それだけ言ってシヴァは腕を広げる。すると足元に魔法陣が現れて僕達は途中で助けた村に転送されてた。


「おいおい、テッケンさんとシルクちゃん置いてきちゃったよ」


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