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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 僕は氷塊の中から外にいる皆を見上げる。そこで気づいた。僕は今、とても目が言い。下から上を見るということはその……見えるって事だ。スカートの中が。シルクちゃんも会長も白だった。


「何をしてる? 祝福を求める者よ」

「うお!? いや……別に……」


 上を向くとパンツが見えて目の前には氷の美女。しかもとても露出過多な方がいて、健全な男子高校生にとっては目のやり場に困る状況だ。


「お主は祝福を求めてるのであろう? 得たいか? 祝福を?」

「待ってくれ。きっともう一人来る」


 僕はそういってシヴァの言葉を遮る。だってこれはもともと会長が精霊の祝福を得るのが目的だ。僕だけがこなしても意味はない。だから会長が――


「お待たせ」

「うお!?」


 僕が開著への信頼を秘めてると、それに応える様に会長がいつの間にか横にいた。ほんと、こいつにとってはなんでも当たり前だな。


「それでお前たち二人で大丈夫か?」

「はい!」


 会長が元気に返事をする。するとシヴァがうなづき、二人の目の前にあるシヴァの彫像が浮き上がる。目の前まで浮き上がってきたシヴァの彫像がぐにゃりと溶ける様に崩れる。そしてそれが僕と会長の中に入っていく。一瞬ヒヤッとしたが、それだけで逆に胸の中から熱が全身に広がってくる。


「それがお前たちの氷になる。自身の氷を操り、氷像を再び再現してみせよ」


 そういってシヴァが姿を消す。今回はなかなか親切だな。ちゃんと何をやればいいか具体的に示してくれてる。


「じゃあ、どっちが速く出来るか勝負ししよっか?」

「やだよ、お前ズルしてるじゃん」


 会長は正攻法ではない。まともにやって僕が勝てるとはおもえない。すると会長は挑戦的に笑ってこういうよ。


「なら、スオウだって正攻法じゃないやり方すればいいんだよ。だってここはLROなんだから」


 そういいつつ、会長はペンで何やら書きだした。アレが完成したらもうシヴァの課題はクリアしてしまうだろう。こちらもやり始めた方がいい。勝負を受けたつもりはない……けど、やってみてもいい。とりあえず僕は集中する。

 自分の中に新たな力を感じる。なんか自分が感じやすくなってる気がする。いや、いやらしい意味じゃないよ。リヴァイアサンの時は、これを感じるのも苦労したのだ。けど、今回はすんなりと行けた。自分の中にある別の力を感じる。

 別に大きくするわけでもなく、元の形のまま出せばいいのなら、自分の中以外の氷は別にいらない筈。けど完全に再現するってなるとどうなるかわからない。とりあえず元の姿を想像しながら僕は絞り出すように力を出す。


「うわあ……」


 けど出来たのは溶けかけた雪だるまみたいなのだった。

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