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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 転送された町から僕達は出て北を目指してる。転送された町は港町だったが、雪が白く積もってる寒々とした街。ここから雪の精霊の場所まではそう遠くないらしい。まあだから同じ日に行こうと思ったわけだ。雪を踏みしめながら、夜の平原を僕達は走ってる。雪で覆われた視界では、いきなりデカい雪の塊が襲って来たりする。足元の雪で同化してるモンスターで直前まで発見は困難だ。


 けど強さ的にはそこまででもない。最初の一撃を避ければなんでもない。まあ実際はその不意打ちがとても厄介なんだが、僕なら不意打ちからでも反撃できる。海の塊のおかげか、少しは水が出さるようになってるし、そこら辺に水があるのがいい。寒いけど……雪は水なのである。触れるだけで水としてある程度は操れる。ガバッと広がった口に一瞬で水を突っ込むくらいは余裕だ。


 そうこうしてる内に小さな村が見えた。夜の中に集まってる光が見える。数えるくらいの建築物しかないとても小さな村だ。まあ寄る予定はないんだけどね。僕達は急いで次の精霊の所に行かなければいけないだ。そう思ってたんだけど、何やら様子がおかしい事に気づいた。


「あの村、モンスターに囲まれてるよ」


 会長のそんな声で気づいた。おおきな雪だるまでも作ってるのかと思ってたけど、どうやらさっきから僕達を襲ってたあのモンスターが大挙してるみたいだ。


「行こう!」


 そういって会長が真っ先に走り出す。空中でペンを走らせながら何かを書いていく。するとその文字が水になってはじけて雪に落ちる。すると雪は水になり、大きくうごめきだした。そして生み出されるのは水の象の軍団だ。その数五十くらいはいる。いやいや、僕なんて手からちょっとの水を出すくらいしかまだできないぞ。その自身の海を元にしてもとてもあんな沢山の水を支配下に置けるとは思えない。


 なのに会長の奴は既にあれだけの事が可能なのか……ほんとあのペンずるいな。


「踏み潰して!」


 その号令と共に、水の象達が動き出す。ドスドスドスという地響きを響かせる象に気づくモンスター。突然現れた水の象にモンスターたちは蹂躙されていく。けど何体かは反撃してきてる。口から冷気を吐いて水の象を凍らせる。流石に水だからか氷りやすいみたいだ。けど、その頃には僕達も戦闘に参加できてる。注目を集めてる水の象の陰に隠れて僕達は態勢を立て直してきたモンスターを倒しまくった。


 そしてしばらくてしてモンスターの姿がなくなると、水の象がパオーンと勝どきを上げた。これで一応この村の危機は救ったわけだ。さっさと目的地に向かって出発しよう……どうせ村人が出てきたらお礼とかなんとかで時間を取られるんだ。ここは格好良く何も言わずに去るのがベストだと思った。けどどうやら、一足遅かったらしい。


「うわーすごーい!!」


 そんな事を叫んでもこもこした服に身を包んだ子供が家から飛び出してきた。それから民家のドアが開いて村人が出てくる。流石にこの状況で逃げる様に去るわけにもいかないよね。なるべく早く解放されることを願って僕は村人たちを見た。

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