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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 カニやエビとかを倒しつつ僕達は奥へと進む。最近はヒトデが手裏剣の様に飛んできたりもする。でも僕達は止まらずに進めた。バランスが良いパーティーだったから、何とかなってる。そしてしばらく進んでると、光る海が現れた。


 終着点だと思われる場所だ。円形に広がる空間はヒカリゴケが天井まで張り付いてて、まるで夜空を再現してるかの様。そしてそんな光を反射するように円形の海は静かにさざ波を立ててた。見た目は完全に湖とかなんだが、狭い中で波があるのだ。


 それがこれが海なのだと主張してるみたいだった。


「綺麗……」


 シルクちゃんがほう……と息をはきながらそういった。そんなシルクちゃんがかなり綺麗なんだが……そういうのはテッケンさんに任せておこう。会長が進み出る。その手にはほら貝がある。あれはここで精霊を呼ぶために必要なアイテムだ。


 あらかじめあれも用意してた。精霊の降臨にはそれぞれアイテムが必要なのだ。波打ち際に立った会長がほら貝を咥える。そして息を吸い込んで、ほら貝に口をつけた。思いっきり息を吐くと、ブオオオオオオオオ! という音が響く。ここは洞窟だからその音は反響するように幾重にも聞こえた。とりあえず会長は何回か同じように吹く。


 すると変化は起きた。海の中央部分が盛り上がってくる。そして現れたのは白い体をもった流れるような体を持った存在。空を飛んでたら竜とか思う見た目だが、海の中だから竜ではない。彼はリヴァイアサンだ。海の主である。


「海の精霊『リヴァイアサン』私に海の祝福を授けください」

「そなただけか?」


 大きな口が開く。別にあんまり動いてる様には見えなかったが、声は聞こえた。もしかしたら僕達も祝福を得ていいのだろうか? それならまあ、挑戦するだけしてみてもいいかもしれない。


「一人と、複数で試練は変わるのでしょうか?」


 会長はそんな質問をしてる。確かに難易度が変わるなら僕達は傍観してた方がいいかもしれない。でもリヴァイアサンは首を横に振った。


「問題はない。祝福の試練は個人で乗り越えるべきものだ」

「それなら――」


 会長がこちらを見る。僕達は頷くよ。


「――皆でやってみます!」


 その言葉と共に、僕達の傍に一塊の海がやってきた。何を言ってるのかと思うが、要は更に縮小された海だ。丸い中に海が詰まってる。そしてそれぞれが受け取ると、リヴァイアサンが告げる。


「海を解放しなさい」


 それだけ言ってリヴァイアサンは海の中へと戻っていった。おいおい、精霊は基本的になげっぱなのかな?


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