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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「うーん……」


 僕は悩む。とりあえず一度やってみて貰おう、そうしないとわからない。だって案外会長の奴はできてしまうかもしれない。それがおかしくないやつ、それが会長だ。


「とりあえずやってみろよ。思う通りにさ……」

「わかった」


 そういう会長は大きく息を吸って履いて目を閉じた。うんうん、僕も最初はああやって風を感じるところから始めたきがする。


「おっ」


 少しすると何やら風が吹いて来た気がする。まじかよ……と言いたいが、僕は誰よりも会長を知ってる。だからそんな言葉は飲み込んだ。僕は驚く代わりに会長にこう声をかける。


「どうだ?」


 その言葉も実際正しいのか……だって僕にはわかる。アギトのやつからしたら、会長から風が出てるのか微妙な感じだと思う。だってここは山肌だ。風は常に吹いてる。だから普通ではわからないだろう。けど、僕にはわかる。僕は祝福を得て、風を掴むことも見ることもできる。だからこれが会長から流れてるとわかるんだ。

 それはつまり、会長は既に風を操ってるってことだ。おいおいだよ。本当に人のアイデンティティを奪うのが好きなやつだ。


(まあ、僕はなれてるけどさ……)


 だって昔からそうだったんだ。会長――日鞠の奴はいつだってどんな事でも誰よりもできた。近所からは神童とか言われてたし、変な宗教団体が日鞠に目をつけて神輿にしようとしたほどだ。テストはいつも百点だし、団体行動を取れば輪の中心だ。

 誰からも慕われて、これだけの才能を持ってるのに誰に対しても優しい。威張ったりしない。みんな日鞠を好いている。こんなやつとずっといる僕は……いや、今はそれじゃない。


 とりあえず、日鞠は何でもできると言う事だ。


「なんかもう出来てる気がするんだが?」

「まだだよ。確かにちょっと出来てるけど、流石にスオウみたくは行かないね。私は外の風を染めてるだけだよ」

「普通最初からできないからな」


 会長の奴は簡単そうに言ってるが、そんなわけない。だってそんなちょっとやってできるのなら、気づくやつがもっといていいはずだ。だってこんな夢の世界に来てるんだよ? なら僕が読んだことがあるくらいの漫画や映画の真似とかは大抵の人がやってると思うんだ。

 誰だって「かめは○波」とかの動作やってみた事あるはずだ。リアルではどこかで「出るわけないよな」と思ってる事も、ここでは全力でやれば出るかもと思える。だってここはゲームだからだ。エンターテイメントだからだ。リアルではできない事ができる。それがゲームという場所だろう。


 そう考えたら、やらないほうがおかしいじゃないか。LROにきた人の半数くらいかやってて、会長のいうように簡単にできるんだと、今祝福を受けてるのが僕くらいっておかしい。いや実際はまだいるのかもだけど、結局は情報が出回らないほどに少数しか祝福を受けてるものはいないって考えで間違いないと思う。


「外の風を染めるんてどうやるんだ?」

「うーんスオウはどうしてる?」


 なんでそこで僕に降るんだ? おかしくないか? 普通に自分がやってることを言えばいいじゃん。まあ会長の事だからもちろん何か意味があるんだろうけど。まあこの二人には隠すような事でもないよな。


「別に、外の風を染めるためには、まず自分の風を使って外の風を掴む。取り込んで行けば、風は自然と考えるように動いてくれる」

「おい、それじゃ既にエアリーロの試練を会長は達成してないか?」


 アギトは目を剥いてそういうよ。まあ無理もない。だってアギトの言うとおりだもん。僕のやり方なら、会長はすでに風を掴むことができているってことだ。まあサクサクと終わらせるのなら、試練を手早く終わらせれるのはいいことだ。いい事……なんだけど……胸の奥に黒い物かにじむよね。

 さっき会長に抜かれることなんかなれてるといったが、これは矛盾ではない。なぜなら、馴れてても悔しい気持ちはあるからだ。それも自分と言う存在価値のに力ならなおさらだろう。

 

 僕はそこの所を確認するよ。


「会長はどうやって風を操ったんだ?」

「うーん、私はほら、チョチョイってね」


 そう言って会長は空中にペンを走らせる。何も書いてはない。けど、光の線が走り、その線からは光がこぼれてた。


「「そのペン! 絶対にチートだろ!!」」


 僕とアギトの声はキレイに揃った。

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