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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 レスティアは混乱してた。残ったテア・レス・テレスのメンバーが必死にプレイヤーやNPCを落ち着けようと頑張ってる。だがそうそう収まる物じゃない。だって街の一部が消え去ってるのだから。プレイヤーには被害はないみたいだが、NPCとかはもしかしたらあの黒い靄に飲み込まれた可能性もある。


 突如として発生した戦闘。そこまではあまり珍しい事じゃない。こんな世界だ。決闘とかはそこそこある。だが、こんな事はそうそうない。そもそもここはレスティア、LROの中で一番のチームのエリアである都市だ。

 その街でこんな大事件を起こすということはLRO最大のチームに喧嘩を売るようなもの。そんな事をやろうとする者はいない。


「あの野郎……」


 そういうプレイヤーの一人が思い浮かべるのはこの騒ぎの元凶と戦ってた奴だ。敬愛する会長がいつだって気にするあいつ。わざわざここでこんな騒ぎを起こすなんて……会長のやさしさに付け込んだのでは? と思わなくもない。


 狙われてたとは聞いてる。ならあいつだけでは厳しいから、我らを巻き込んだ……あの化け物は一人では厳しいだろう。こんな得体のしれない力を使ってるんだから。


「うああああああああ! なんだあれは!!」


 考え込んでると、そんな声が色んな所であがる。皆が一様に同じところを向いている。自分も同じところをみた。するとそこには闇が昇ってた。闇は空のある程度まで上がると、何かにぶつかったみたいに平たく広がってく。

 その闇は全方位に広がってく。そしてもちろんこちらにも……NPC達が逃げ出した。あの闇と逆方向に。だが逃れられるとは思わない。プレイヤーならそれこそ楽だが……NPCはプレイヤーとはこことは来る手段が違う。だから逃れる事は難しい


 プレイヤーはまあ勝手に逃げるだろう。だから自分たちはNPC達を守る為に動く。確かに金を使ってくれるのはプレイヤーだが、都市に住み着いてくれるのはNPCだ。ならNPCは街の住人だ。住人は我らの市民。守るべき者達だろう。


 会長だってそう思ってる。広がってくる闇からは時折雫が堕ちる。雫というにはとても粘っこく大きいが……あれがなにかわからないが、きっとこの街で起こったような事を起こすんだろう。だが……


(アレが広がってるということは……会長達は……)


 自分は直ぐにその考えを頭を振って振り払う。そんなはずはない。あの方がやられるなんておもえない。闇はレスティアの上空まで広がる。そして雫がこの街にも落ちて来ようとしてる。こちらもあの闇を晴らそうと魔法やらを使うが、飲み込まれるだけで闇の広がりはおさまらない。


 レスティアが……消えてしまうのか? そんな思いが浮かぶ。だがその時だ。青白い雷光が走り、遅れて爆音が響く。生暖かい黄緑色の風が集まっていき、それは大きなハリケーンへと変貌する。闇を払い、ハリケーンが分散してく。

 暗かった世界に光が差す。街の範囲だけだが、この街だけに陽光が差す。そしてそんな陽光に照らされてアイツの姿がみえる。

 いや、あの外見ではあいつなのかはわからない。けど、この風……たぶんあいつなのだろう。


「スオウ……」


 光の中にいる奴の名前を自分は口ずさむ。

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