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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 自分の全てがさらけ出される様な感覚。それと同時に、歯車が一つ一つカチカチとはまってくような気もする。痛くてだるかったオリジナルという力。その痛い部分がなくなって行ってる気がする。それはあの時、オルガトの力を借りて発動した時のよう……会長の力を借りてなら、もしかしたらあそこまでいくのかもしれない。


(でも、それはオリジンの力に馴染むってだけだよな)


 奴の場合、色んな力をオリジンという力で飲み込んでる。


「折角だ……」


 僕は口に出してそういう。会長が一つ一つ、オリジンという力を僕に合わせてくれてる。オルガトとやった時はオルガトが完成形を出してきた感じだ。確かにあの時、オリジンという力に初めてしっくり来た。でもだからこそ、完成形に手を加えるのは難しいものだ。あの時の僕はオリジンという力の完成形を与えられたにすぎない。


 けど今はどうか。一つ一つ紐解かれて、それが感じれる。これはきっともうない事だろう。今なら、色んなものと繋がれるような気がする。もしかしたら会長の邪魔になるかもしれないが、ただのオリジンだけでダメなら、意味ないんだ。オリジンはどうやらかなり懐が深い力みたいだし、きっとその人それぞれによってその力の様相が変わるんだと思う。


 なら僕は、この時に僕のオリジンを見つけないといけないではないだろうか? 僕の力は風と、そして雷。更にこのオリジンくらいしかない。多様性を求めるこのゲームではあまりにも少ない。でもなら、僕はこの三つで誰にも負けないくらいになるしかない。


 風とは相性がいいと自分的には思う。雷は……正直そっぽを向かれてる気がする。オリジンは今の所じゃじゃ馬すぎる。けど会長がそこら辺はどうにかしてくれるだろう。オリジンの姿を暴けばもっと付き合い方がわかりそうな気がしてる。


 自分で何とかすべきは今の段階では雷かもしれない。正直単発でしか使えないし、威力はあるが、応用という面で僕は何も出来てない。一応ローレと共に雷の精霊にはあってるし、認めてはもらった筈なんだけどな……ここまでいうこときかないのは不思議でならない。


 僕は風を出し、そしてフラングランの黄色い宝石に意識を向けてる。それだけでバチッとはじける。あからさまな拒絶反応。それでも僕は雷の力を引っ張り出す。青白い閃光が弾けながら、周囲の闇を照らす。更には僕の腕まで焼いてやがる。けど……耐える。風で絡めたオリジンの力を更に雷へと纏わりつかせて包み込んでいく。


(馴染ませる、そして押さえつけて見せる!!)


 雷の力は暴れる様に噴き上げる。一体何がそこまでさせるのか……いったい僕の何がそんなに気に入らないのか。やっぱり宝石に宿ってる力だから認められてないのか? でも雷は風と違って自然と生み出すなんてできないし……


(それが気に食わないじゃ)

「ん?」


 なんか変な幼女の声が聞こえたような? 僕はあたりを見回すが、闇があるだけだ。けど、今度はけたけたとした笑い声が響く。


「こっちじゃこっち。よく見よ」


 そんな声に従って視線を前に向けると小さな存在がめに入った。五センチくらいの人型に見えるそれは周囲に小さな閃光を走らせてる。これはもしかして、フラングランの雷の力そのものの様な存在なのだろうか? 

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