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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 マグマを消し去った奴は……その姿に知性を宿してない様に思えた。鎧をまとった獣……いや、鎧が獣の様に様変わりしてる様な……そんなかんじにみえる。なぜなら、奴は二足歩行をしてない。手も地面につけて、背を低くしてる。

 見たところ、セラ・シルフィングは見えない。どういうことだろうか? 奴の体に起こってる変化が原因だろうか? けどあの鎧自体が奴の風による風帝武装だった筈。なら力は残ってる? 奴の兜は口があるであろう所で大きく裂けて本当の口の様になってる。そしてそこから赤くながい舌と、汚い涎がドバドバと流れ落ちてた。更にあの兜の下の目。普通はわかないだろうけど、僕には見える。


「なんであんな……」


 兜の下には無数の目がうごめいてる。あれは紛れもないモンスターだ。ついさっきまで、確かに奴には知性があって、会話だって出来た。けど今の奴からは無理そうだ。奴はグルグルと喉を鳴らして、その黒い鎧には血管の様な物が浮き上がってる。鎧なのにだ。


「グガアアアアアアアア!!」


 まさにそれは獣の咆哮。いや、獣よりももっと禍々しいそれだった。そしてその咆哮は様々な物を消し去る。パリィンパリィンと硝子が砕ける様な音とエフェクトがテア・レス・テレスの面々の間で起こってる。あれは……補助効果を消し去ってる音だ。

 しかも同時に、足を縫い付けられたかの様な感覚。行動制限……そしてやつは跳んだ。いままでも早かったが、全身をバネの様に使ったその一足は更に速い。しかも向かってくるのはこちらだ。いやもっと正確に言えば僕に向かってきてる。

 まるで奴には僕には見えていない様に、前に立ってた会長無視して奴の裂けた口が迫る。でもその時だ。側面から奴の体に拳が叩き込まれる。一瞬テッケンさん!? と思ったが、彼はここにはいない。攻撃を行ったのはテア・レス・テレスのメンバーの一人だ。


 あのスピードに反応したのか? しかも直前の咆哮で皆の体は硬直してた筈。なのにどうやって? わからないが、助かったのは事実。いや、反応は出来た。けど避けるだけで精一杯だった。それが攻撃になったんだ。最高じゃないか。


 側面からの勢いのいい攻撃に奴の体は大きくしなる。側面から攻撃した彼のガントレットは光を発してる。スキルを発動してるんだろう。かなり重い一撃の筈だ。けどその時、奴の体から別の鎧が出てきた。まるで鎧が増殖するかの様なその動きはおぞましい。


 殴った本人もそう感じたのだろう。「なっ!?」と呟いたのか聞こえた。そしてそんな彼に増殖した鎧が迫る。彼はそれをよけようと試みる。けどあれは速かった。やっぱり風帝武装だかなのか、驚くほどのスピードで彼を駆られると、もちあげ、そして地面に放り投げた。


 マグマが消えた地面。マグマがあった方が良かったのか、なくなってむき出しの地面でよかったのかはわからないが、それを確認する暇はない。少し進路が変わった奴は、空中に壁があるかのように方向転換してこちらに来る。


 そこまでか……そこまで僕を食らいたいのか。けど、今度はさっきの様にはならない。僕は両の手にあるフラングランに力を籠める。


「こい!!」


 僕は奴に向かってフラングランを振り下ろす。

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