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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 あれから数分が過ぎた。マグマは盛り上がりを見せるが、奴の姿は見えない。少しの間、盛り上がりは発生してない。まあ盛り上がった所で奴の姿は見えないから、どのくらいダメージを受けてるのかとかはわからない。

 だからマグマが盛り上がらなくなったからといって奴が消滅したとはテア・レス・テレスの面々は考えてない様だ。皆真剣な面持ちでマグマを監視してる。多分ある程度のHPを計算してるんだと思う。そしてここのマグマでのダメージ量だってテア・レス・テレスの面々はわかってる筈だ。

 なのでそれを計算してて、この程度じゃまだ奴は倒せてないだろうという予想をしてるんだと思う。会長はすぐそばにいるから聞けばいいんだが、なんとなく邪魔しちゃ悪いかな? と……


 それにしても……(これでおわりなのか?)と僕は思う。僕は実はオリジンというスキルは最強なんじゃないだろうか? とか思ってた。自分が使ってた時もそうだけど、奴が使ってるのを見て、ますますそう思ってた。期待してる……わけじゃない。


 奴にはこのまま沈んでほしい。けど……心のどこかで思ってる。


(こんな物じゃないんじゃないか?)


 ――て。たしかに会長の作戦は嵌ってる。オリジンは破壊する力だ。だからきっと今でもこのマグマの中で破壊をしてるんだろう。けど、マグマは常に脈動し、生み出されてる……のかはしらないが、会長の言葉的にそういう感じだと思われる。破壊されてるが、それを上回るスピードで溶岩は生まれてる。だから奴を閉じ込める物になりえてる。


 けど、オリジンは……オリジンの限界を僕達はまだ知らない。そもそもあのスキルが何なのか、わかって何てないんだ。スキルの説明だって『原初の力』としか書いてない不親切っぷりだ。原初とは一体? そもそもそれで破壊できる理由は何なの? わからない。


 テトラとかに聞けばわかるだろうか? でも生まれ変わった世界で奴に会う方法はわからない。向こうは設定上神だし……易々と会える存在ではない。だからカギはオルガトだが……あいつオリジンの事になるとはぐらかすからな。


 だから僕は恐れてる。そう……オリジンの可能性って奴を。



 そう思ってた時だった。奴が出てこようとしなくなってから数分。何かおかしいと、誰かが言った。そして――


「減ってない?」


 ――そんな声も聞こえた。減ってる……とは何が? いや、そんなの主語がなくてもわかる。マグマだ。マグマが減ってる。確かに岩礁をよく見れば、今まで届いて所にはマグマが触れてた跡があるからわかる。減ってる……確実に。


「会長!」


 男が叫ぶ。会長は素早く紙を移動させようとして……とまった。そして何かを察したのか、全ての紙が力なくマグマへと落ちていく。力をなくした紙はただの紙切れだ。マグマに触れる前に熱気で燃え尽きた。


「聞いて皆。どうやら想定よりも敵は強いようです。奴の力は私達という絶対者がいるエリアまで浸食する見たい。けど大丈夫……だからって負けません」


 そういって取り出したペンを指で回す会長にテア・レス・テレスの面々が信じた顔を向けている。そしてそんな時、一気に熱気がなくなった。範囲いっぱいのマグマが四角い透明なブロックに区切られたと思ったら、全て消え去っていく。そして奴が、真っ黒い鎧を着た獣となって姿を現した。

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