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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 奴の風の質が変わった。風だから涼やかというか、まあそんなレベルでなく激しい感じになってたのだが今度は全く風の質が変わった。


「重い……」


 風に質量があるかの様に重くまとわりつく風。あいつの風は元から黒いが今のはその風が集まるんじゃなく、床を這うように広がってる。もはや風というよりは靄のよう。そしてその靄はどんどんと広がってく。まるでこのレスティアを……いやこのエリアすべてを食い尽くそうとしてるかのような……


 地面が揺れだした。それはどんどん大きくなって立てない程になる。床に手をつくと、そこには何もなかった。いや、見えないから何もないのかもわからない。けど……感触が違う。靴を履いてるとわからなかったが、触れてる底はただのっぺりとしてる。


 高い建物が中頃から砕け、地面に落ちていく。人々の悲鳴がここまで聞こえてくる。


「凄いなこの力は……ほんとうに貴様は、どれだけの可能性を開くんだ?」


 そういって進んでくる奴にこの地震は影響がないらしい。そしていつの間にか奴には漆黒のマントが翻ってた。そのマントはどうやらオリジンの力そのものの様で、広がってく靄と繋がってる。このままじゃダメだ。僕はそう思って風を集めて飛ぶ。更に風帝武装で空中で風を蹴って更に直角に動き、奴の背後に回ってフラングランを振りぬく。そのさい、フラングランの雷の力を解放した。


 激しい雷光がきらめく。だが――


「使え、オリジンを」


 ――そういう奴はマントでこっちの攻撃を防いでた。ビキッ――そんな音が聞こえる。フラングランの刀身に広がる亀裂。オリジンの力は破壊の力。


(触れちゃダメか!)


 僕は後ろに下がる。けどその僕に合わせて奴は追ってくる。僕は風の刃を向けた。けど通じない。セラ・シルフィングも形が変わってる。美しかった流星の双剣は禍々しい棘のあるフォルムになり、一筋の血の様に赤い線が入ってた。


「づあっ!?」


 大きく胸を上から下へと切られた。激しい痛みが襲い、僕は地面を転がる。ドクドクと切られた部分が熱い……もしかしたらまた血が? 僕はその部分に手を持っていこうとして……やめた。いまはそんな事を確認してる場合じゃない。


「わかっただろう。そのままでは勝てないぞ」


 だからオリジンをこちらも使えと……奴はそういいたいようだ。確かに……このままじゃ勝てそうにない。今だって、さっきまでスピードはそこまで差はなかったのに……斬られたのがわからなかった。完全に見えてなかった。

 奴の力がかなり底上げされてるのは間違いない。オリジンに風帝武装……おなじだけ掛け合わせないと、あの領域には届かない。けど……ここは日鞠のエリアだ。僕までもオリジンを使えば、このエリアがどうなるかわからない。


 下手すれば崩壊するかも……そんなのはしたくない。その時だ。空中に光る光線が無数に奴に降り注ぐ。更には四方から出できた同じ衣装の人達が一斉に奴へと武器を振り下ろしてた。


「我らはテア・レス・テレス! 我らのエリアでの狼藉は許さん!!」


 そういってるのは多分駆けつけてくれた中で一番偉い奴なんだろう。しらないけど……少し希望は見えた? けど、そんな希望はあっさりと打ち砕かれる。なぜなら、そう叫んだその人に、既に奴の剣が突き刺さってたからだ。


 そして今さっき一斉に飛び出して行ったテア・レス・テレスの面々が悲鳴と共に倒れる。彼らは皆が一様に痛いと訴えてる。普通LROでの痛みは一瞬だ。それもチクッと程度。その度合いが違うくらい。継続するなんてありえない。けどそう言えば、僕も胸が痛いかもしれない。麻痺してる? 


 どちらにしてもとても不味い。オリジンで変化したあの剣に斬られると痛みを感じるらしい。待てよ……なら今、まさに胸を突き抜かれてるあの人は……


 ボタボタと赤い物が流れ出てる。それを信じられないように見ながら、「あっ……あっ」と言葉にならない声が漏れてる。体はガクガクと震え、つまらなそうに奴が剣を引き抜くと同時に、糸が切れたかのように彼は靄の中に消えた。


 そして再び奴はこちらに向かってくる。

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