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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 デロンとしたそれが一回縮んではねてきた。


「敵意を排す守りをここに。壁の様に固く、距離の様に遠く、心の様に近く、花よ咲け」


 花開いた障壁が僕たちとデロンの間に広がる。


「んっ……重い」

「マイ! 今楽にしてやる!!」


 なるほど、マイさんが普通の人の方か。じゃあツクツクさんがモブリだね。このエルフの人は……まあエルフでいいか。


 エルフの人はとても刀身が細い剣を取り出した。まっすぐに立って剣の柄を顔まで上げて祈るように目を閉じる。


「ドライブ!!」


 その言葉と共に、エルフの人に赤いエフェクトが体を包んだ。そしてヒビが入りだした障壁を見据えてゆらりと動き出す。そしてそれからは速かった。彼が床を蹴って何連撃かも数えるのが面倒なくらいの攻撃をデロンに叩き込む。


「ちょっとーこっちのサポート待ってくださいよー」


 そういうのはモブリのツクツクさんだ。確かにどうせならバフをかけてもらった方が効果が高かっただろう。


「そんなの必要な――」

「いや、効いてないぞ!!」


 余裕ぶっこいてそういってたエルフの人の言葉を遮って 僕は風のフラングランを振るった。僅かにデロンを押し返してその瞬間に皆を強引に後ろに下がらせた。


 そして次の瞬間、さっきまで僕たちのいたところにデロンが落ちた。あいつの液が周囲に飛び散る。僕はその液も避ける。


「一体何が?」

「え? え?」

「まさかドライブよりも……」


 三人は何が起きたかわかってないみたい。取り合えずその液は避けた方がいいが……もう遅いか。ダメージ的には微々たるものだしこのくらいなら問題ないだろうけど……次から気を付けてもらおう。


「どうやら助けてもらったようですね」

「仲間ですから」


 口に出すのは恥ずかしいが、今の状況でのんきにお礼とか言われても困る。だから仲間を強調してそういうのはいいから――と暗につたえた。


「そうですね」

「とりあえずツクツクさん、サポート系の魔法をお願いします」

「はい!」


 こいつは準備をして攻めた方がいい。てか、さっきから思ってたが、もしかしたら物理攻撃が無効なのかもしれない。なんてたってデロンとしてるからな。そう思ってるとデロンが体の一部を伸ばしてきた。触手か……これにマイさんとかが捕まったらそれはもうエロいんだろうなとか思いつつ、剣で迎え撃つ。


「切れない!」


 そんな声をあげるエルフの人。確かにフラングランでも斬れない。HPにも変化はないし、どうやら物理攻撃は効かないようだ。案外バランスいいと思ってたんだが……後衛の二人で火力は足りるだろうか? けど、本当になんでこんなバランスよくしたのか? 偶然? でも見た目で役割は何となく判断できる筈。なら、もっと偏るように分けることも敵側は出来たと思う。

 自信の表れだろうか? 慎重で臆病な奴らが? それもちょっと違和感がある。何か意図があってこんな風に分けたのかはわからないが……それを考えるのはこのデロンを倒してからの方がいいようだ。

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