表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
915/2711

915

「「「ぐがああああああああ!!」」」


 そんな叫びと共に数人が地面に伏せる。フラングランの雷撃は相当だったようで体からは煙が出てる。こっちの攻撃が当たったからか、奴らの透明化は解けてる。


「さてと」


 油断せずにどうするか考える。うまく行ったことは喜ばしい。けどこれで終わりじゃい。出来ることなら、一人を捕虜とかにしたい。だってそうしたら安全に進めそうじゃん。さっきから思ってたが、ここなんか迷路のようになってるし……足元のスリップダメージは健在なんだ。

 時間がかかる程にこちらは色々と消費してしまう。だから案内役がいればって思った。


(でもそれは無理かな?)


 これだけ回りくどい事をする奴らだからね。そういうことの対策だって当然とってそう。具体的にはここではこいつらは自由に転移出来るみたいな。そもそも最初襲ってきたときに撤退も消えるようにいなくなったんだ。転移があるのなら、捕虜なんてのは不可能だ。


 転移阻害の魔法とかがあるのならべつかもだが、そもそもエリアの特典のなんかだと阻害出来ない可能性もある。勿論自由自在って訳ではないと思うが……そもそも転移が自由自在なら、いきなり僕たちの中に現れて魔法やら爆弾やら放って逃げるって事を続けてれば勝てるわけだしね。


 流石にそんな事はできないようになってるだろう。それに転移じゃなくても、ここは向こうのエリア。方法はいくらだってあるような気がする。


「くっ……いくら頑張ろうと無駄だ。お前たちは腹の中にいるんだからな」


 倒れてる奴が僕に向かってそんな事を言ってくる。僕はまだHPがかろうじて残って奴らに止めを刺していく。不確かな事をするよりも確実に敵を減らす事を優先した。このエリアバトルは殲滅戦だ。二十人がゼロになった方が負け。それなら、減らせる時に減らしとくべきだろう。


 今ので五人減ったから、残りは十五人だ。人数的にはこっちが有利になった。


「よし、進も――ん?」


 何やら振動してるような? 新しい罠? そう思ってると、壁が迫ってきた。これもよくあるパターンだ。けどこれはかなり効果的な奴だ。だって回避方法が……あるよね? とりあえず僕たちは急いで走る。どうやら壁が迫ってる間はほかの罠は発動しないよう。けど……


「これ、回避不可能じゃないか?」


 走りながら僕はそう呟く。だってこの肉みたいな壁全体が迫ってる。そしてこの肉の壁に終わりはないように感じる。つまりどこまで走っても逃れられないって事だ。ついには一列にならないといけないくらいの幅に……そして走るスペースもなくなる。


 皆必死に壁に向かって攻撃したが、どうやらこの壁は破壊不可能らしい。


(回避不可能で破壊不可能の罠……これって……)


 体中が生暖かい肉に包まれていく。ハッキリ言って気持ち悪い。けど焦った所でしょうがない。これはきっとこういう物なんだ。ほんと製作者はいい趣味してると思うけどね。とりあえず僕は無駄にあがく事はやめた。だってきっと、これだけ理不尽な仕様なら、これで死ぬことはないんじゃないかと思えたからだ。


 罠にも色々なタイプがある。これは直接死を狙う罠じゃきっとない。


(まあこれで死んでもローレのエリアバトルだしな)


 気楽に行こう気楽に。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ