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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「これは報酬って事でいいんだよね?」

「だろうな」

「うむ」


 僕の言葉に二人がそういって頷いてくれる。まあ普通に考えてそれ以外考えれないよな。このダンジョンをクリアしたっ事なのだろうか? 結構早かった気がしないでもない。まあ勿論数時間はかかってるんだけど、アギトとかに聞いてた話ではデカいダンジョンとかは数日とか、それ以上……むしろLROが始まって初期に見つかってもまだ踏破出来てないところもあると聞いた。


 それを考えると今回のこのダンジョンはなかなかにコンパクトサイズといえる。でもそういえば入り口は三つあったんだよね。その内の一つだけがクリアできたっことなのだろうか? それならこのコンパクトさも納得がいく気がする。

 大抵のプレイヤーがエリアバトルに熱中してなかったら、こういうところはすぐにクリアされてただろうしね。まあ僕達が最初にクリアしたかはわからないが……でもこの宝箱を開けて超レアっぽいのが出てきたら最初の踏破者って事かもしれない。


 アギトが最初にダンジョンをクリアすると特別なアイテムが手に入るとか言ってた。それ以降では出ないアイテムが出ると。そういうのがもしかしたら……


「三つあるし、ここは三人で分け合いましょうか。どれを開けたいか指さし合って、それで何が出てきても恨みっこなしって事で。あっ、お互い了承上でのトレードは可ですよ」

「いや、拙者は傭兵であるから遠慮させてもらおう」


 僕の言葉にそういいだしたブシさん。まあこの人は何となくそういうとは思ってた。けどそれじゃあなんか収まりが悪い。気持ち的にね。そしてそう思ってたのは僕だけじゃないみたいだ。


「何言ってんだよ! 俺たち三人で倒したんだから三人で分ける、当然だろ!」


 そういってブシさんの背中をバシバシと叩く一心。僕も同じ気持ちだ。だってブシさんがいなければ倒せなかったし。けどどうやらそれでもブシさんは納得できないらしい。


「拙者は傭兵としての報酬もいただいている。その上ドロップアイテムまでせびる様な事は出来ない。契約的にもそうなってる筈だ」


 なるほど……確かに事前に僕たちは傭兵ギルドへと支払いを済ませてる。まあ今回は色々と融通を効かせてもらって結構お安くしてもらったんだが……確かにブシさんがいうように契約的には傭兵は現地でのアイテム取得はしないみたいになってた。


 そうしないとやっぱりもめるんだろうね。事前にお金まで払ってて、更にアイテムまで持ってかれると雇った側は損に感じるかもしれないもんね。なるほど……確かにそれはわかる。けど実際こうやって一緒になって強敵を倒すとどうしても仲間意識って奴は生まれちゃうよね。

 これまでだってアイテムを受け取った傭兵はいたと思う。僕は一心と目を合わせて頷き合った。


「これは僕達の気持ちです。お礼と思ってください」

「そうだ。堅いことをいうなよ」

「いいえ、そういうわけにはいきませぬ。それにお礼というなら私は既に受け取っている。それで納得して、拙者はお二方に協力をしたのです。それなのに恩にかこつけてそれ以上の物を要求など……武士の誇りが許しません」


 お……おう……流石武士だけあって頑なだ。この人絶対に不正とかしそうにないよね。絶対傭兵ギルトの中にも貰ってる奴いるよ? むしろしれっと分配を要求する奴だって居そうまである。


「まあしょうがないか」


 ブシさんはきっと何を言ってもおれないだろう。そういう空気があった。けどそうなると分けづらい……いや、普通に三つ開けて、それぞれ必要なものを選べはいいだけか。僕と一心は手分けし宝箱を開けることにした。鍵がかかってないそれは上蓋を普通に開いて開けることが出来た。


「「おお!!」」


 こういうの開けるとなんかわくわくする。二人してそれぞれ感嘆の声を上げる。三つの箱にはそれぞれ防具と武器、そして装飾品が入ってた。とりあえずインベントリにアイテムを収納する。すると三つの宝箱が消えて床に光る魔法陣が現れる。

 多分これにのれば、外に行けるはず。僕達は確かにこの墳墓を攻略したんだ。

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