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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「うおおおおおおおおおおこおおおおおおおい!!」


 そう叫んでるのは一心の奴だ。一心は装備を一新して全身鎧に身を包んでる。鈍色に光るフルプレートは重く、一心は歩くことしかできないほどだ。さらにそこにデカい盾を両手で持って装備するという防御だけを考えた装備に身を固めてる。


 僕やブシさんなんかは装備する物とかある程度決まってるから、他に持ち歩くなんかしないが、せいぜい予備の武器くらいかな? でもまあLROではああいうフルプレートだってアイテムボックスに入れてる限りは重さなんてないわけで、持ち歩くこと自体は容易にできる。

 でも使わない装備なんてね……普通は持ってこない。こんな風にどこかを攻略するとかならなおさらだ。だって直前にはアイテムを整理するのが普通だ。てか一心もしてた筈だが? あいつが言うには装備は簡単に切り替えられるから、いくつか用意してるらしい。


 でも今まで戦闘中に装備を変えてる奴なんか見た事なかった。けど、確かに敵の使う属性とかに対抗できる装備とかに瞬時に変えるってのは理に叶ってるとは思う。ほかの人達がやらないのは、多分皆自分の特化してる部分を伸ばす装備を既に整えてるからなのかも。


 まあけど、LROは一新された訳で、皆が皆自分にあった最高の装備を揃えられてるとも思えないけど。実際装備を変えるのは細々とした処では行われてるのかもしれない。それこそ一心のように全身を変えるんじゃなく、いろいろな効果がついてるアクセサリー類は頻繁に敵によって変えてたりしてもおかしくないし。


 僕ももっとそこらへん考えたほうがいいのかも……とおもって自分のアイテム欄を見ても……うん何もないな。まあ今さらだ。大声で一心が敵の気をひく。完全、防御特化のその装備は敵の攻撃に耐えている。けどあれでも完全には防げてないのか、HPが徐々に減ってる。

 でもまだ大丈夫。一心がひきつけてくれるのなら、僕とブシさんで攻撃できる。作戦的にはこうだ。一心がひきつけて、僕が翻弄して、そしてブシさんが攻撃を当てる。


 僕は回り込んでフラングランの雷の方を地面にさす。一本だけを持って突貫をかます。これで背中の腕を切れればそれはそれでいいんだ。けどやはり反応してる。背中の一つ腕が雷撃を走らせる。体が止まる。そして迫る偃月刀。けどここで僕は地面にさしておいたもう一方のフラングランに意思を通す。バチバチと鳴るフラングランがこちら側に飛んできて最初の偃月刀をはじいてくれる。


(動く!)


 僕はそれを確認して飛んできたフラングランをとる。そして今度は二本で続いてくる偃月刀をはじいた。僕はここで位置を移動し一心を目指して走る。追撃が掛かってる僕に、偃月刀が地面をえぐりながら迫ってくる。あと少し……そこで二回目の雷撃が体を止める。


 後ろから迫る偃月刀。でもそこに一心が投げた盾が割り込んでくれた。まあただ投げただけの盾じゃ押し返されて吹っ飛ばされたが……一刀両断されるよりはましだ。HPも残ってる。

 それに――


「これで二回使わせた」


 僕も一心も偃月刀によって吹き飛ばさた。けど追撃は来ない。なぜならまだ近くにブシさんがいるからだ。あのアンデッドは縦回転しながら今度は獲物をブシさんに定めてる。敵の攻撃ははげしい。そして凄い迫力だ。近づくだけでその風圧が体を押すほど。


 けどブシさんは迷わない。シンプルな刀を鞘へ納めわずかに前傾姿勢になり、そして手を使に触れるか触れないかの微妙な位置に置いている。あれはまさに抜刀術の構え。


 音は……なにもなかった。ただ、偃月刀がブシさんに当たる直前にそれは行われてた。振られ切った刀が、静かに光をはなってた。そして時が止まったかのように動かなくなったアンデッド。その体に次第に光の線が現れる。


 それは最初は体を両断する斜め横の線だった。けどそれだけじゃない。次第に至る所にその線は増えていく。そしてブシさんが鞘に刀を収めと同時にこういった。


「散花」


 崩れ落ちるアンデッドは粒子となって消え行く。そしてアンデッドが消えた場所には三つの宝箱が現れた。

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