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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「ブシさん、ありがとうございます!」

「いや、倒せはしなかった。すまない」


 ブシさんは今の一撃で倒す気だったのだろうか? 即死効果でもついてるのだろうか? けど流石にボスクラスになると、そういう即死効果は無効化されるされると思うんだが。LROなら案外通りそう気もするが、そもそも今回の相手はアンデッドだ。相性が悪い。


 突然ぽっくりと行ってくれるなんて思わない方がいい。


「いえ、十分です。あの新たに表れた腕から放たれる雷撃……あれがやっかいなので、先に背中に現れた腕を潰そうと思うんですけと」

「確かにそれは賛成だ。だがどうする? 下手に近づくと、動きを封じられてそこを叩かれるであろう」


 確かに、あの雷撃はこの空間全体にくまなく広がってる感じだった。回避は不能。なにか抜け道は有りそうな気はする。発動した瞬間に武器を地面にさせば、アースの役目を担って地面に流してくれるとか? そんなので、対処できるのかはわからないが、思い付きの一つとしてはあり? いや、やっぱりあいつの前で武器を手放すは……一人が攻めて、そしてもう一人が少し離れた場所でやってみる価値はありそう……


「ブシさんは回復手段はどれくらいありますか?」

「アイテムはもうない。自己回復スキルはあるが……正直この場面で使える物ではない」

「そうですか……じゃあやっぱり無理矢理にでもあの背中の腕をどうにかした方がいいですね」


 ボスなんだからもっと派手な事をやってくると思ったのに、形態変化してやってくるのが、一時的な麻痺とは……ね。あのアンデッドは背中の杖で操れるのはそれだけなのか、遠距離攻撃を仕掛けようとはしてこない。けど地味だけど、とても効果的だ。


 奴の攻撃力とその一連のモーションにはめさえすれば、大抵のプレイヤーは沈むだろう。それだけの攻撃の威力を持ってる。だから食らうと麻痺になり、更に回避不能なんていう防御を回避で成立させようとしてるような僕のようなプレイヤーとは致命的に相性が悪い。

 だって回避不能ではいくら速く動けても意味なんてない。


「ブシさんのあの……なんか確実に切れるようなあの技は、確率を確定するスキルかなにかですか?」

「確率? いや、そんな大層な物ではない。ただ、振るってるだけだ」


 どうやらブシさんのあの時分から斬られに行ってるような感覚の正体はスキルではないらしい。スキルならもしかしたらあの雷撃の影響を受けずに繰り出せるかも……とも思ったが、ただ振るだけなら無理っぽい。けどそっか……あれはスキルではないのか……そうなると益々、ブシさんは可能性領域を開いてそうな気がするが……いまはじっくりとそのことを聞いてる場合じゃない。


 アンデッドはゆっくりとした動作でこちらを伺いながら迫ってきてる。背中の杖の上には雷撃が待機してる。腕は二本あるから、連続してあれは二回放てる。実は二回以上行ける可能性もなくはないが、逆にここがゲームと考えると、勝てる……攻略できる可能性は常にあると考えるべきで、それなら二回が上限な気がする。

 だって確実に動きを封じれるんだ。感覚的に四秒くらいか? でもそれが連続したら八秒だ。八秒あれば、確実に切り刻まれる。

 

 二回あるれば、十分。それ以上は理不尽。回避方法があるのなら、無尽蔵もありえるが……初見でそれを見つけるのは無理ってものだ。そうなったら、諦めるしかないが、ここは最大二回と思って行動しよう。二回の雷撃を乗り越えれば、勝機がある。

 問題はそれをどうやって乗り切るか……


「おい」


 そういう声に僕とブシさんは振り返る。声の主は一心だ。一心は自身の胸を叩いてこういった。


「俺に任せろ!」



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