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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 どうやら一心の勘は当たってたようだ。こいつがここの最終ボスなのかはわからないが、ボスクラスの奴が出てきたのは確かだ。それはいきなり起こった。安全地帯から出て、攻略を再開してた僕たちはさらに下に続く階段を見つけた。降りると、そこはとても広い空間だった。

 そしてそこには大量の骨があった。それはすべての床を埋め尽くす程の骨・骨・骨。もう嫌な予感しかしなかった。


 僕たちが床に降り立つと、ガリっと骨を踏む音が響いた。そして降りてきたはずの階段が消える。逃げることはどうやら許されないようだ。


 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ――


 骨をぶつかり合わせるような音が次第に大きくなっていく。そして風もないのに骨が宙に浮きだし、そして骨のトルネードを形成する。


「イダダダダダダ」


 どうやらこれ自体に攻撃力をはないようだが、気分的にそう口に出てしまう。だって絶えず体に骨が当たってるんだもん。痛くはない……痛くはないが、声に出る。熱くなくても、アツッって言っちゃうあの感じである。ようは反射だ。


 けど次第にその骨のトルネードも広い部屋の中央に集まってく。大量の骨から一体何が生まれるのか……僕達は固唾を飲んで見守る。最終的に骨は一つの大きな塊になった。塊魂みたいな塊だ。これで終わり? 僕たちは顔を見合わせる。


 けどやっぱりんな訳ないよな。骨の塊からは何やら黒い靄みたいなのか立ち上ってる。そして同時に、真っ暗な液体が床に広がる。そしてその時――だ。


ドガァァァン!!


 そんな音と共に、でかい腕が塊の中から現れる。そしてそれは連続して続き、右腕から左腕の後に足が出た。どうやら体は後方に形成されてるらしい。奴が腕をつくとそれだけでこの階層がゆれる。そして元の塊は……それがそのまま頭へとなった。大量の頭蓋骨かそれぞれ目から赤い光を放ってる。そしてカタカタカタカタと鳴らす顎。まだまだある骨は変質し、そいつの体の武装へとかわる。


 金属の様な光沢を出す鎧となり、禍々しい模様が浮かぶ偃月刀が奴の両の腕にそれぞれ握られる。


「くるぞ!」


 ブシさんのそんな声は一瞬遅かった。いやタイミング的には完璧だったが、あの骨の動きは予想外に早かった。まっすぐ伸びて来た偃月刀はブシさんの「くるぞ!」の「ぞ!」のタイミングで僕達へと届いてたんだ。日本あるうちの武器のうち、一つはブシさんへと、そしてもう一つは一心へと向かってた。


 ブシさんは何とかなるだろう。あの人は強い。実際反応してる。けど一心はダメだ。この一撃で下手したら落ちる。僕は一心の方へと向かってた。僕は一心を押しのけて代わりに偃月刀を受けた。フラングランから伝わる衝撃が全身をきしませる。足が浮き、体が後方へと飛ばされた。


「スオウ!!」


 そんな一心の声が聞こえた。

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