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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 レスティアは便利な位置にある。いや位置が関係してない……といえるかもしれない。だってレスティアはLROの主要な都市と繋がってるからだ。だからレスティアは便利といえる。だからこそレスティアには人が集まるんだろう。


 レスティアからゲートを潜ってアルテミナスへと赴いた。統治者が変わっても別段変わりはないアルテミナス。どうにかしてアギト達はここを再び手にしたいと思ってるようだけど……そんなことが出来るのだろうか? わからない。


 カーテナを手にすればワンチャンあるのかもしれないが、バランス崩しは手にする方法なんてわかってないからね。ランダムだったのか……それとも……とりあえず今はそんな事を考えても仕方ないか。アルテミナスの事はアギトやアイリやセラが頑張ればいいことだ。


 ちょっと歩いた感じだと、前のアルテミナスよりもなんか騎士がいきってる気がした。そこまで変わってはないが、やっぱり小さな違いはあるみたいだ。


 とりあえずアルテミナスを出る前に馬を借りて外に出た。ここから結構遠いからね。ゲートは便利だが、すべての場所につながってる訳でもない。それに今から行くところは結構な危険地帯で、近くに小さな村とかさえない。ゲートのポイントがないだ。


「よし、行くぞ!」


 そういって一心が真っ先に馬の腹を蹴って駆け出す。普通に乗馬してるが、こういうのはシステムが補助してくれる。オートで走ってる感覚だ。逆に変に手綱とかを引っ張ったりすると、オートが解除されるから、なるべく大人しくしとく。


「おっお?」


 隣を走るブシさんの馬はなんか早い。同じ場所で借りたから馬の性能差はそんなないはずだけど……


(まさかマニュアル操作?)


 あの人かなり武士マニア? それか歴史マニアなのかよくわからないが、そういうのだし、乗馬くらいできてもおかしくないかもしれない。マニュアルの方がやっぱり速いんだな。


「乗馬出来るんですか?」

「嗜みゆえに」


 短くそう返された。武士にとっては嗜みらしい。軽い会話をしつつ、夜の道を明かりを照らして進む。道中、せっかくだからブシさんに乗馬の事を教わった。おかげでそれなりに操れるようにはなった。ただの移動手段だった馬が、今や相棒に思えるほどだ。


 LROの馬は基本そんなに現実の馬とスペックはかわらない。けど、この世界にはアイテムがある。それを使うことで、馬を早くしたり、持久力を効果が続く限りにしたりと出来る。現実でなら、ずっと馬を走らせておくなんて出来ない。ずっとダッシュも出来ない。


 けど、ここでなら出来るのだ。そうしてそういうアイテムも駆使して僕たちは目的の場所にたどり着く。丘の上から見下ろす大地には土が盛り上がったように見える三つの山。そしてその中央に長い階段が続く祭壇場みたいなのがある。あれの役目はわかってない。


 それに行くのはダンジョンなのだ。入り口は盛り上がった三つの山のどれか。少ない情報の中、僕たちは左側の山から入るルートを選択してる。情報がそこしかなかったからね。けど、実は中は繋がってるんじゃないかとも言われてるから、どれから入っても同じかもしれない。


 けど今は別段ダンジョンの攻略に来たわけじゃない。僕と一心の目的はブシさんの強さを見るためだ。だから無難な所を選んだ。


 下には馬を下りて近づいた。なぜなら馬が動かなかったからだ。相棒だったのに、これ以上はダメだって言われた感じで悲しかった。そしてそんな馬たちを見てブシさんは警戒してる。馬が本能で危険を感じるような場所だと……


「よし、ちゃっちゃと行くぞ」


 あまり緊張感なく盛り上がった土に不自然に空いた穴の奥へと行く一心。潰れたら生き埋め確定だが、ゲームだし気にする必要もない……か。こうやって僕たちの『サンドーラ大墳墓』の挑戦が始まった。

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