表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
893/2701

893

 なんといってるかわからないが、大きな声を上げて、でかい男がこちらに走ってる来る。そいつが飛び出すと同時に、仲間と思しき奴らが発砲をする。多分このでかい男を援護するために仲間が打ち始めたんだろう。


 そして援護に後押しされて、でかい男が似非紳士へと殴り掛かる。こういう奴らは銃とか手放さないのかと思ってたが、リスクもとるんだね。まあ多分僕がこいつに近すぎたからだろうけど。とりあえず応戦するために似非紳士野郎も肉弾戦に移った。安心して僕から離れたのは、僕が動けないと踏んだからだろう。


 確かにナイフが刺さったままじゃ動けない。でもこれ抜いて大丈夫か? 抜いたら血がドバっと出そうじゃない? 出血多量で死んだりしないか? よく映画とかでは来てる服を引き裂いてそれを患部に当てたりするけどさ……実際やろうと思うと服ってんな簡単に破れたりしない。


「そこまで刃も長くなさそうだし……いける……か?」


 とりあえずこいつらから離れたい。まあ僕の周りをまわるように攻防を繰り広げてるから逃げれるかはわからないが……とりあえずナイフは抜いておこうと決めた。取っ手の所を持って、口を堅く結んでナイフをぬく。


「んくっ!?」


 変な声が漏れたが、ナイフは抜けた。けどやっぱりどくどくと赤い血が流れだす。ハンカチとかで何とかなるか? ポケットを探ったらあったからそれを一応巻き付けておく。


「ぬおおおお!」


 そんな声が聞こえたらでかい男が似非紳士にタックルして地面に叩きつけてた。勝負あったか? マウントポジションをとられて何度も殴られてる似非紳士。けどそのパンチをうまくかわしてでかい男の拳がコンクリートを打ち付ける。


 それでひるんだ所で懐から銃を取り出す。乾いた銃声が連続して響く。けど、その時にはでかい男は距離をとってた。こいつら……どっちも強い。ほんとなんでこんな物騒な奴らに僕が狙われないといけないのか……ほんとうになぞだよ。


 僕を探ったってLROの秘密がわかるわけではないのに。けどそんなことをこいつらに行っても意味はないんだろう。だってこいつらは上の命令でやってるだけだろうし……


(くそ……どうする?)


 今なら、二人をこの銃で殺して逃げだせるかもしれない。でもそれしたら流石にこいつらの仲間に撃たれるか? けどどっちに捕まったって碌なことにはならない気もする。少しでも逃げれる可能性に賭けた方が……僕は銃口の先を似非紳士たちに向ける。けどその銃口は震えてる。


 だって……これは明確な人殺しだ。こんな奴ら死んだっていいが……殺したという事実は僕自身が思ってるよりも精神に伸し掛かる負担は大きいみたいだ。けどやるしか逃げる術はない。僕は脇をぎゅっとしめて狙いを定める。


「はー、はー、はー」


 深く呼吸をした後に息を止める。そして引き金に指をかけて……けどそのとき、はげしいヘリの音が一気に近づいてきた。一台とかなら、そこら辺を飛んでてもおかしくはない。けど、一気に三台のヘリがきて、しかもよく見るプロペラが一個の奴じゃなく前後についてる奴だ。僕たちのいる上空でとどまってまぶしいライトを照らしてくる。そしてそこらロープが下りてきて、更に黒い服に身を包んだ奴らが降下してきた。


 今度は一体何なんだ? と僕は思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ