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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 遠くからパパパパーンとかいう音が聞こえる。本物の銃声なんて聞いたことないが、もしかしてそうなのだろうか? 


(やっぱりここは国外?)


 だって日本で銃撃戦って想像できない。そんなの映画とかアニメとかの中でだけの光景だと思ってる。確かにこの部屋の状況はわかるが……それもどこに何があってここがどれくらいの広さでってくらいだ。人数はわかるが、男性か女性かなんてのはわからない。てかきっと外に出ると煙とかも流れて対流はもっと複雑になるだろう。そうなるときっとわからない。


 聞いてると、音は激しく、どんどん近づいてる様にきこえる。中にいる奴らも何やらドタバタしだした。何か言ってる。


(思ってたけど、日本人じゃないな)


 それは言語で判断した。だって明らかに日本語ではなかった。英語でもない。英語もわからない自分がほかの言語を判別なんかできない。そもそも外国に知り合いなんていないし、やっぱりクリスと同業的な奴ら? 別の組織? 

 そう思ってると、さすがに不味いと判断したのか、周りにいた奴らがガチャガチャと何かをしだして、一人の奴が僕の前にきた。僕は見上げるようにしてそいつをみる。


 するとそいつが何かを言った。聞き取れないが、もしかして「見えてる?」的なことを言った気がした。今の反応は不味かったか? 確かに僕はそいつがやってきたのが分かったから顔を上げて見上げてしまった。それは普通なら、普通の反応だ。目隠しされてなければ……音で……と言い訳出来なくもないが、今や周囲が結構うるさいし、ほかの奴らもドタバタ動いてるから、誰か一人が近寄ってきたなんて普通の聴力ではわからないだろう。


 目隠しもされてて音でも判断できない筈なのに、僕は完璧なタイミングで見上げてしまったんだ。見えてる――とおもわれてもおかしくない。どういう反応をすればいいのか迷ってると、何か再びそいつはいった。多分「まさかな……」くらいだと思う。

 短い単語だったし、多分あってる。後ろに回ったそいつは椅子に縛られてる僕の腕と足を解放した。


(おっ、今がチャンスか?)


 とも思ったが、椅子に固定するための縄は切られたが、両手を合わせてる縄は残ってた。二重か……足は完全に開放されたが、まだ機会じゃないと判断しておとなしくしてる。けど何も言わないのも変かな? と思って気になることを尋ねる。


「あなた達は何者ですか? それと……いったい僕をどうするつもりですか?」


 日本語が通じるかどうかはわからないが、僕は日本語しか喋れないから日本語で尋ねる。すると縄をきったそいつが僕を肩に抱えながらこういった。


「オトナシクシテロ。ワルイヨウニハ、シナイ」


 片言の日本語だったが、そう聞き取れた。けどそれで「はい、わかりました」なんていう奴いると思う? 確かに殺されたりはしないのかもしれないが、もう二度と日常に戻ってこれなくなるとかは嫌だ。だから僕は諦めれない。

 逃げる機会を探り続ける。奴らは僕を抱えて素早く部屋の外に出た。そのやり取り、スムーズさに訓練の跡が垣間見える。けど、案の定部屋の外の対流では状況が把握できなくなった。そもそも動かれると対流を把握する暇もないというのがわかった。


(不味い……)


 僕は抱えられながらそう思った。

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