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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「傭兵をお求めという事で」

「うむ」


 僕達は狭い路地裏で怪しいフードを被った女性と会ってる。なんでこんな怪しげな場所で……と思うが、ある意味傭兵らしいのかも? いや、案外ちゃんとした組織なんだと思った筈なんだけどね。あの後、あの二人組から傭兵ギルドの方へと連絡して貰って事務的な事をやってる人を紹介してもらったのだ。

 それがこの人。事務方の方が怪しいってどういうことだよ……とおもうが、ある意味で事務方の人はそんな戦闘力がないからかおを見せないようしてるのかもしれない。それならまあ……納得できなくもないような……けどやっばりそうでもないような。


 街中なら、無暗に暴力行為は出来ないが、システムの裏を突く奴らはどこにでもいるし、傭兵ギルドがあるように犯罪者ギルドもある訳で、そういう奴らは街中でだって平気でプレイヤーを襲ったりする。傭兵ギルドに恨みを持った奴が犯罪ギルドにそういう依頼をしたとする状況だってあり得なくないよね。


 そうなると、こういう場所で戦闘力もあまりなさそうな女性が一人で会うのは危険では? まあもしかたらどこかから彼女の仲間が見てるのかもしれないが。その可能性が高いな。


「どういった用件で傭兵をお求めでしょうか?」

「どういったとは?」

「色々あります。クエストをこなす為ですとか、今の一番の需要はそれこそエリアバトルですが、そのせいでクエストやミッションでの人数が集めにくくなってますから。単に未知のエリアに入ってく為の護衛とかもありますね」


 なるほど、どうやら傭兵というお仕事は引手あまたのようだ。今一番盛り上がってるエリアバトルは勿論、その弊害でミッション・クエストの問題も傭兵は引き受けてると……万全の態勢だ。


「ふむ……そうだな……」


 一心の奴は何をいうきだろうか? 変な事は言わないで欲しいが……僕がそう思ってハラハラしつつ見てると、一心はこういった。


「なに、ちょっと二人ではきついダンジョンを見つけてしまったんだ。なので戦力が欲しい」

「そういう事ですか。承りました」


 上手い事言ったな。さっきの彼女の説明を受けて咄嗟に思いついたんだろう。流石に傭兵ギルドの奴にいちゃもんつける為とは言えないだろう。


「それで場所はなんというダンジョンでしょうか? それによって派遣できる傭兵をこちらで選出しますので」

「ううむ、そうだな……」


 おっと困ったことになったな。適当にダンジョンとだけ言ってあの武士を引っ張りだす気だったのだろうが、傭兵ギルドのお姉さんからしたら、役に立たない傭兵を派遣する訳にはいかない。きっとLROの色んな場所の危険度とかを把握してるから、それを元にギルド内でその場所に見合う奴を派遣しようとしてくれてるのだろう。


 うん、ちゃんとしてるね。関心する。けどそれが今回は不味いだけで。


「いや、実は名前はちょっと、けどこの前偶然エリアバトルでそちらの傭兵でその場所に十分通用しそうな奴を見つけてな、そいつを指名したい」

「そうですか、特徴はわかりますか?」


 またまた上手い事いう一心。こいつこんなに口先が廻る奴だったのかとちょっと認識を改める。


「うむ、それならよくわかる」


 そういって一心は彼女にあの武士の事を話した。すると彼女は一瞬顔をしかめたが、一応確認してくれるといった。それから、何やらこちらに近づいてきた。え? 何? 僕は傍観者に徹してた筈だけど。実はちらちらと視線は感じてたんだけどね。


「恐れ入りますが、スオウさん……ですよね?」

「ええ……まあ」


 うう……知られてるな。変に恨まれたりしてるからな……まさかこの人にも? そう思って身構える。けど違った。彼女は頭を下げてこういってくれた。


「ありがとうございます。私、実は一度このゲームに囚われたのです。けどあなたのおかげで日常に戻る事が出来ました。本当にありがとうございました」

「えっと……それは……どうも」


 まさかお礼を言われるとは思ってなかったからまともに反応出来ない。


「お礼の意味もかねて、必ず彼を派遣いたしましょう。お約束します」

 

 純粋にそういってくれる彼女。なんか心がチクチク痛む。こんな純粋にお礼を言われた彼女に嘘言って僕達は何をしようとしてるのか。土下座した方がいいかな? けど僕が土下座する前に、彼女は小さく手を振って路地から姿を消した。

 ポンポンと背中を叩いてくる一心になんかイラついた。

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