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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 スカルロードドラゴンを持ち上げたオウラさんは再び街の中央に向かって投げる。僕達は再び中央に戻って来た。すると準備中のローレがこちらに視線を送ってくる。あれは……まだかかるからしっかり押さえつけとけって事かな? 


 なんか視線であいつの考えてる事が分かるようになってしまった。スカルロードドラゴンはどうやらローレのやってる事に気付いてないのか、僕たちが戻ってきたら、こっちに襲い掛かって来た。一番ダメージを与えてるのはあいつの筈だが……ターゲットはこっちの様だ。


 それはそれで助かる。一番重要な事をやってるのはローレだからな。僕達は時間を稼ぐだけだ。けど流石に覚悟を決めたらしいスカルロードドラゴンは違った。ブレスを広範囲に吐き、巨体を思わせぬスピードで跋扈してくる。

 更に絡め手も混ぜてきた。前は骨だったが、今は黒い物体を様々な形、そして無数の量を生み出して織り交ぜてくる。これには流石にスピードに自信のある僕も完璧に避ける事は不可能に近い。絶え間ない攻撃の連鎖に、メカブの回復が追いついてない。

 てか今はシルクちゃんが一手に引き受けてる状況だ。流石にメカブには厳しい物がある様だ。そう思ってると、メカブが大きな全体回復系の魔法を使った。皆HPの半分くらいが減ってたから、一気に回復しようとしたいだろう。細かい回復はシルクちゃんに任せるしかないから、ここぞというタイミングで一気に回復する役を買って出たみたいだ。


 視線を向けると、メカブは「よし」と腰のあたりで拳を握ってる。けどそんなメカブに影が落ちた。それはスカルロードドラゴンだ。あれだけの回復。回復魔法はヘイトが高い。ターゲットが移りやすい魔法だ。シルクちゃんはそこら辺をちゃんと考えて魔法を使い分けてる。だからこそ全快にこそならないが、なんとか危なげないラインを保ってた。


 けどメカブは皆のHPが満タン近くじゃないと安心できなかったんだろう。それはそれでありがたい事だが……僕達と違ってメカブの装備は薄い。そんな良い物を身に着けてる訳じゃない。スカルロードドラゴンの一撃で沈むかもしれない。


「あ……きゃ――」


 メカブの一番近くにいるのはシルクちゃんだ。後衛として同じ位置にいるのは当たり前。シルクちゃんは素早くメカブの前に立つ。僕の目には絶えずシルクちゃんの口が動いてるが見えてた。てかこの戦闘中はずっとだ。魔法には詠唱が必要。


 それを以前のLROではピクという存在のおかげで魔法のストックという形で乗り越えてた訳だけど、今はそのピクはいない。シルクちゃん詠唱しないと魔法が使えない。魔法使いは敷居が高い。僕も挑戦したけど、戦闘中に冷静に詠唱紡ぐというのは想像以上に難易度が高い。


 だから僕は直ぐに諦めた。だって詠唱するより、素早く近づいて斬った方が早いからだ。それに詠唱途中で噛んだらキャンセルもきつい。高威力の魔法は詠唱が長いんだ。それを言いきれというのはね……たぶん詠唱の条件をゆるくするスキルとかもあるんだろうが……シルクちゃんだってきっとそれらは持ってるだろう。


 でもそれでも彼女の唇は動き続けてる。スカルロードドラゴンは彼女達の頭上で体を縦回転させて勢いを乗せた尻尾を振り下ろす。思わずシルクちゃんに抱き着くメカブ。けどシルクちゃんの視線は迷わない。当たる寸前まで紡がれた魔法は間一髪で彼女達とスカルロードドラゴンの間に展開されその身を守ってる。


 いやきっと間一髪ではないんだろう。シルクちゃんはギリギリで間に合うと踏んであの魔法を詠唱してたんだ。凄いよほんと。追撃なんて許さない。僕達前衛陣はメカブのおかげで回復したからかなり強引につっこんだ。

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