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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「つっ……これは」


 街に入った瞬間、僕達は顔をしかめる。それは聞こえて来たからだ。スカルロードドラゴンの声じゃない。そこかしこから湧き出てるような人々の苦しみと怨嗟の声が聞こえてくる。その声にオウラさん達は驚いてる。まあいきなりこんな声が聞こえてくるとビックリするよね。


 メカブなんて「何々なんの声!?」とか言ってシルクちゃんに抱き着いてる。ちなみにシルクちゃんはちゃんとローレが助け出した。どうやったのかはわからない。僕はそんなローレと視線を合わせる。こっちの視線に気づいたローレは頷いた。


 僕とローレはこの声を知ってる。なぜならオルガトと会ったあの空間で同じ声を聴いたからだ。


「行こう!」


 戸惑う皆をその声で前に進ませる。スカルロードドラゴンは丁度街の中心の広場に串刺しにされてた。まだ串刺しなのがビックリだ。それだけローレの魔法が強かったのか……とおもったがどうやら違うようだか


「ひっ!?」


 メカブのそんな声を上げたから振り返った。すると青白い煙のような人型が僕たちを素通りしてスカルロードドラゴンへと群がっていく。


「あれはきっとここで犠牲になった人たちなんだろうな」


 そういうのはアギトだ。確かにその通りだろう。沢山の同じような青白い煙の人型がスカルロードドラゴンの周りに集まってる。それをあの巨体は恐れてるみたいに見える。でもどうやら彼らは彼ら自身で肉体を取り戻すことは出来ないみたいだ。


 スカルロードドラゴンもおびえてるがそれだけ……


「それだけ?」


 もしかしたら、それだけではないかもしれない。その思いが浮かんできた。そう思ったのなら、確かめてみるしかない。僕は先行して走り出す。そしてスカルロードドラゴンの地面に垂れてる尻尾に攻撃を当ててみた。


 そしてどのくらいHPが減ってるのかを見てみる。それは明らかにダメージの通りが良くなってる減り具合。この街の中ならどうやらスカルロードドラゴンは弱体化するみたいだ。だからこそ、ここに近寄りたくなかったのだろう。


 奴がローレの魔法からなかなか抜け出せてないのは弱体化したせい。


「これならいける! ローレ、あれの準備を」

「そうね」


 今のスカルロードドラゴンなら、ローレを抜いてもなんとか出来るだろう。上手くやれば。スカルロードドラゴンは光の剣をかみ砕いてようやく拘束からぬけだした。そして戦闘が始まるかと思ったが奴はなんと僕達に背中を抜けて走り出した。建物をなぎ倒し、街の外へと向かおうとしてる。


 どうやら奴の中では一刻も早くここから出たいって事が最優先事項らしい。


「させるか!!」


 けどそれを許す僕たちじゃない。だってこっちはようやくここにスカルロードドラゴンを入れたんだ。ここだからこいつに勝ち目がある。もう一度外に出すわけない! 僕達は何が何でもここで決着をつける為にスカルロードドラゴンに攻撃を叩き込む。

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