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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 オウラさんアギト、それにセラが上手く隙を見せない様にスカルロードドラゴンを攻撃してる。二人の隙をセラが聖典で上手く埋めてる形だ。二人に比べれば聖典の攻撃なんて微々たるものだ。実際スカルロードドラゴンは気にしなくてもいいだろうと思う。


 でもスカルロードドラゴンは聖典の攻撃にも意識をはらってる。あいつの防御力は相当なものだ。体力の多さも相まって反則的といっていい。今見ててもそこまで体力は減ってない。バーの一割も削ってない。


「何かを狙ってるのか?」


 そんな考えがよぎる。プレイヤーではないのならAIだが、LROのAIは優秀だ。殆どプレイヤーとAIの区別はつかない。そもそも意思を持ってたりするし……もしかしたらモンスターも意思をもってたりするかもしれない。


 そもそもあのモンスターはこの街の領主だ。意思があってもおかしくない。狙いがあるのかもしれないが、それをさせる気はない。奴の意識の外から、僕は迫る。その後ろから緑色の風が吹き抜ける。


『行きなさい。私の風と共に』


 それはエアリーロだ。どうやらローゼが召喚してたらしい。僕はその風を掴んで身にまとう。今なら出来る。風帝武装を。加速してオウラさんの攻撃が入った瞬間に、間髪入れず切りつける。更にそこで止まりはしない。僕は呼吸を止め続ける事が出来る限り、連撃を続ける。その間に三人にはデカい一撃の準備をしてもらう。

 僕も渾身の力を込めてるから僅かだか、スカルロードドラゴンの体が後退する。隙なんてありえない程の連撃。風帝武装も相まってその速度は普段の最高速を超えている。音が後から聞こえてくる感覚がある。スカルロードドラゴンがその巨体でとらえられるスピードじゃない。


 それは多分スカルロードドラゴンも分かってる。だからなにやら溜めに入ってる。範囲攻撃が来るとわかってた。けど、止まらない。その瞬間までは。


「スオウ、退きなさい!!」


 セラの声に僕は間髪入れずにスカルロードドラゴンから離れる。その瞬間、スカルロードドラゴンに巨大な光がぶつかった。それは聖典が集まっての攻撃。ジリジリとスカルロードドラゴンが下がる……がスカルロードドラゴンは一声で聖典の光をかき消した。


 だけど、それでスカルロードドラゴンは準備してた大きな攻撃はキャンセルされた筈だ。今の咆哮の方に力を向けた。そこにアギトが真っ赤に染まった剣を携えて迫り、足の一つを斬った。更にその剣を地面に突き刺す。


 するとスカルロードドラゴンを含む地面が溶岩の様に変わり、更に大きく噴き出した。その勢いに押されてスカルロードドラゴンは空に上がる。黒い煙を上げて空に上がったスカルロードドラゴンにむかって更にオウラさんが迫る。けど彼女は素手である。


 けど彼女はその体こそが武器である。リアルでは……ここでは槍をつかってた筈だか、不要らしい。オウラさんは空中でスカルロードドラゴンの尻尾を掴むと、回りだした。勢いよく回るスカルロードドラゴン。それを街の方へ向けて投げ捨てた。

 街へとスカルロードドラゴンが入った瞬間、輝きを失ってた町全体の陣が芽吹くように光る。反応してる。でもこのままじゃ、僕達が街へ行く前にスカルロードドラゴンが街から出るかもしれない。けどそこはどうやら大丈夫だった。


 ローゼの奴が巨大な光の剣を空から落としたからだ。それはスカルロードドラゴンの胴体を貫いてその場に縫い付ける。僕達はその間に街の中へと急いだ。

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