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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 光が収まると、そこには地に這いつくばったスカルドラゴンの姿があった。奴が召喚したスカル共はどうやら消滅したようだ。体が残ってるだけ凄いのかもしれない。マジで他の奴らは跡形もなく消えてるからな。スカルドラゴンも体中から何やら煙のようなものを出してるし……消えてないだけ流石というべきか。


(いや、この場合なんでこれで終わってくれないんだよってのが正しいのか?)


 そりゃあ実際終わるなんて思ってなかったけど、ローレの奴の魔法が凄すぎて終わってないのが不思議な感じがしたんだ。


「ぼーっとしてないでさっさと止めさしなさない!」


 そんな事を言ってくるローレの奴。僕たちは我に返ってスカルドラゴンへと群がる。勿論その刃を突き立てて。ローレの魔法で半分くらいまで一気に減ってる。それは驚異的な事だ。僕達はこんなにこいつのHPが減ったのを見たことがない。僕たちがいくら頑張っても出来なかったことをたったの一撃で……ほんと滅茶苦茶な奴。ここから一気に削り切りたい。けど……なんかさっきから一切効いてないような? まさか半分に減ってから真の力を覚醒させるとかそんなのか? 


 弱点属性しか攻撃が通らないとしたら、すげえハードモードだ。人数制限まであってそれって……ほんと厳しい。だってMPだって無限じゃない。回復魔法は比較的効くがなんたって奴、自身で回復するからね。削る手段も限られてるのに回復するとかマジダメな奴だからね。けどローレのおかげで僕たちは結構目がある。まあさっきの一撃でどれだけのMPを使ったのかはわからないけど。でもかなり派手な技だったし、かなりの量使った筈。流石にあんなの何回も撃てないよね? ね? 


 けどローレだからな。案外早く終わらせたいからなんて理由で使ってくるかもしれない。でも魔法だし、詠唱も必要だろうから、あんな大魔法をポンポン打てるわけはないか。ローレならなんとかしそうな所が怖い所だけど……とりあえず僕たちは寄ってたかって残りのHPを削りにかかる。でもやっぱり僕たちの攻撃じゃあそこまでのダメージソースにはならない。ここはやっぱり魔法組に――そうおもってると光がスカルドラゴンを包む。二人分の回復魔法だ。シルクちゃんとメカブ、僕たちはまだ誰もダメージを受けてない。


 なら、迷わずに撃ちまくる。それはローレ程の大威力ではなくても、効果は抜群の攻撃なんだ。戦闘の始まりこそ、一番気兼ねなく打てる時なんだ。スカルドラゴンが声にならない声を挙げる。するとその時、何やらパリンパリンと変なエフェクトが弾ける。かなりの攻撃だったし、スカルドラゴンを守るスキルの何個かが壊れたのかも。


「下です!!」


 オウラさんのそんな声に僕たちは一斉に地面を蹴った。その瞬間、地面からスカルドラゴンの骨が突き出てくる。僕達前線メンバーは素早く回避できたが……後方メンバーは前線メンバー程に素早く動ける訳じゃない。けどそこは只者じゃないメンバー。シルクちゃんはメカブを守って球状の障壁を作り出しそれで骨からの攻撃を防いでた。まあその反動でめっちゃ打ち上げられてるけど、既にセラが動いてるから大丈夫だろう。ローレはとういうと……微動だにしてない。


 地面から出てきた骨なんて意に返してないのだ。何故かはわからないけど、ローレの周りの骨だけはきれいさっぱりに消えてる。このチートめ。


「つっ――」


 視界の光が奪われる。何かと思ったら、スカルドラゴンの口に光が吸い込まれてて黒く見える。そしてそれはどんどん大きくなっていく。


「――あいつ、自身が崩れていないか?」


 僕の目にはスカルドラゴンの口が黒い部分に飲まれているように見えるんだけど……まあだけど回復するから別にいいのか。問題は自身をも巻き込むほどの威力のある攻撃をしようとしてるって事だ。


「アギト!!」

「ああ、撃たせてたまるかあああああ!!」


 アギトがその身に赤いオーラをまとわせて一直線に突っ込む。それは勿論あの黒い場所に突っ込んでる訳じゃない。多分アレは触れたらヤバい奴だ。みんなそれを直感でわかってる。だからこそアギトの奴をサポートするように皆は素早く動く。


 僕もアギトの逆からスカルドラゴンに迫る。


「つっ……不味いな」


 僕はそう呟いた。黒い物がどんどん大きくなってるのもそうだが……スカルドラゴンへと――いや、ちがうな。あの黒い物へと近づくと光が奪われて行く。つまり、視界がなくなってく。周囲の光を吸うブラックホールみたいな物なのか、近づけば近づく程に視界がなくなる。


 けどかといって魔法とかでは瞬く間に吸い取られて攻撃が届かなかった。後ろから回復魔法を放ってるシルクちゃんやメカブだが、それされも黒い塊へと吸い混まれてる。でも不思議だ。だって回復魔法は別段、光が飛んでそれが対象に当たって回復する――なんてわけじゃない。


 手をかざし、詠唱をすると暖かな光に包まれて体力が回復する。そういう感じなのに、そんな物さえもあの黒い塊はすってるっぽい。効果が発動しようと僅かに光ると、その光が黒い塊の中へと消えていくのが見えたんだ。


「ぬあ!?」


 視界がもうほぼないって所まで来て僕はなんと足を地面に引っ掛けた。スピードに自信がある僕の速さでそんな事をやるとどうなるかというと……地面にお肌が削り取られるのである。何と間抜けな……これも普段便利な目に頼り切ってた弊害か? 


 足音を確かめるとアギトとかはまだ走ってそうだ。他の皆はちょっとよくわからない。だってこういう事をやったことはない。正確に分かるとはおもえない。目は良いが、耳まで良くなってる自覚はないしね。


 けど、アギトだって僕と同じように視界を奪われてる筈なのに、なぜに走れるのか……実は感覚を鋭敏に出来るスキルがある? とか? とりあえず僕もいつまでも転がってる訳にはいかない。


「つっ!」


 転がったせいでどっちが前方か分からない問題が発生した。とりあえずなにかベキゴキ鳴ってる方に行くか? 多分その音はスカルドラゴンの崩壊の音だと思う。だからそちらに行けば目標だ。だが下手すると、あの黒いのに接触してしまう可能性がある。


 多分あれは接触した瞬間にもう駄目な奴だ。僕の勘がそういってる。だから下手に突っ込むのは危険だが他の皆が動いてるのに自分だけ動かない訳にもいかない。そもそもあの黒いのは発射する前に止めるべき。その考えで動いたんだから。


(僕の目は……特殊だ……)


 自惚れじゃない。事実としてそう認識してる。これがゲーム内だけなら、何らかのシステムの影響とか思えるが、実はリアルにまで影響が出てる。普通の目では見えなくなっても、もしかしたら僕の目なら見れるかもしれない。


 この状態でも目に頼るなんて……と思うが、今まで見えてたのにいきなり見えなくなってどうにか出来る程、僕は優秀でも天才でもないとわかってる。それこそ日鞠ならどうにか出来そうだが……僕はあいつとは違う。 


 出来る事があるとすれば……それは自分の可能性を疑わない事だけだ。


(頼む!)


 僕は見えない瞳を見開いてそう願う。すると何かが見えた。それは自分では理解できない文字のような物。僕はこれを知ってる。そうコードだ。周りにある無数のコード。それが一つの場所に吸われていってる。そして吸われてる大量のコードの集まり……あれこそがスカルドラゴンだ!!


 僕は再び地面を蹴った。もう尻込みする理由はない!

 ごめんなさい。何か気分の問題でもう一つの方しか更新してませんでした。けど、これからまた更新しますね。やっぱりもう一つの奴と同じように更新していきます。

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