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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 僕たちは屋敷へと再び戻ってきた。オルガトとの契約は成され僕は新たなる力を得た。けどその得た力……どうやらローレの奴とは質が違うみたいだ。ローレは召喚できる。けどどうやら僕にはそれは無理っぽい。MPが足りないのか、なにか原因があって違う力になったのかはわからないが、召喚……やってみたかった。まあ出てくるのがあの仮面のカラス男みたいな奴だし……そこまで神聖的でもないし、別にいいっちゃいいんだけどね。


 エアリーロとか、いかにも普通ではいない神秘的な存在なら、こう格好良く呼び出してみたいなって思うんだけど……オルガトならまあいいかで我慢できる。僕には新たなるスキルが追加されてた。でもあの空間では使うなって言われたんだよね。すぐにでも試してみたい衝動はある……けどオルガトにも忠告を受けた。


『俺っちの力、気に入ってくれると嬉しいっす』


 って。それが忠告? と思うが、ローレがいうに忠告らしい。まあなんか怪しい雰囲気を醸し出してたんだけどな。けど大体オルガトは怪しいけどね。見た目から怪しさ満点だし。


「次はいよいよスカルドラゴンとの決戦だね」


 テッケンさんがそういって可愛らしい握り拳を作る。確かにその通りだ。奴の力の元もわかったし、ローレの奴はなんかオルガトと話してた。あれは多分決戦への仕込みだと思う。勝機は少しづつだけど見えてきた気はする。きっとね……たぶん。限られた人数でしかスカルドラゴンには挑めない。だからこそ一人一人強くなった方がいいから、実際テッケンさんもシルクちゃんもオルガトと契約した方が良さげな気もした。


 けど二人にはその気はなかったようだ。一応聞いたんだけどね。でも二人が首を縦に振ることはなかった。精霊との契約は手っ取り早く強くなる方法だと思うんだけどね。しかも普通は戦闘が入る。認められて契約って流れが普通だし一般的だからね。けど今回はオルガトとは戦闘なしで契約できた。元々がオルガトは特殊な精霊みたいだし、契約の仕方自体が普通じゃなかったのかもだけど、大幅に手間を省いて契約できたんだからラッキーだったと思うんだけどね。


 まあ二人が拒否したこともわからなくはない。確実に何かあるし……オルガトとの契約は。


「決戦の地はやはりここですよね。ローレ様、皆さんの開放をオルガトさんは……」

「大丈夫、そもそも契約で他の奴らの魂までを捧げたからこうなってるわけだしね。気づかなかった? あの空間にいたのはここのNPCだけで領主がスカルドラゴンとなってからの被害者はいなかったのよ」

「そう……なんですか?」

「ええ」


 よくそんな事がわかったな。そもそも領主以外は顔見えなかったと思うが。土が盛り上がっててその中から声してたし……けど多分ローレが言うのならそうなんだろう。つまりはスカルドラゴン=り領主を倒せば、この街の人達は戻ってくる。あれ、でもその他の被害者は? 


「おいローレ。じゃあここ以外で食べられた人たちはどうなるんだ?」

「それはよくわからないわね。奴を倒せば戻るかもしれないし、戻らないかもしれない」


 この街の人達はスカルドラゴンという存在の召喚に使われてオルガトという精霊に魂の様な物が縛られてたから大本を断つことで開放される。それは納得できることだ。けど現在進行形でスカルドラゴンに襲われて食べられた人たちがスカルドラゴンを倒して戻ってくる……と安易に考えるのは都合がよすぎるのかもしれない。けどNPCがいなくなると色々と不都合があったりするような? いや、でもLROだし……いままでのゲームと同じに考えるのは間違いか。


「とりあえず私は力をなじませる為にも今日はもういくわ。スオウ、あんたも確認だけはしといた方が……いえ、あんたもきなさい」


 何か考えてそう言ったローレは僕の手を取る。一瞬ドキッとしちゃうけど、こいつはローレこいつはローレ――と心で唱えて平常心を保つ。ローレは僕と共にふわりと宙に浮く。


「それじゃあ今日はご苦労だったわね」


 そう言って強引に僕はシルクちゃんとテッケンさんから引き離された。


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