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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 契約を完了させたオルガトとローレ。何が変わったのかは正直わからない。けどなんか不思議な文字がローレの首を囲むように現れてる。まるでそれは首輪みたいな? 


「これで魂の半分は俺っちのものっすよ」

「あんたもね」


 なんかさらっと凄いことを言ってる二人。魂の半分ってなにそれ? 召喚獣……というか精霊契約ってそんな物騒なものなのか? てか、魂半分共有したらどうなるんだろうか? ちょっとよくわからない。そもそも魂半分ってなに基準なんだ? HPとか? でもそれだとローレの奴ッてかなりHP少ないって事にならないんだろうか? だってこいつ、かなりの数の精霊と契約してるよな? 


「何よ?」

「いや、お前って実は貧弱だったんだなって」


 頭に?を浮かべてるローレ。まあ確かに今のじゃよくわからないよな。


「ほら、お前沢山の精霊と契約してるだろ? ってことは魂の半分の半分の半分とかになってるのかと」

「ああー、そういうこと。確かに私は見た目だけなら貧弱な美少女だけど――」


 さも当然の様に美少女とかいえる奴……それがローレである。てか自分が一番とかほんと自信家だよ。この世界には美男美女がいっぱいだ。だって理想の姿で居れるんだからな。そりゃあ美男美女が溢れるよ。けどだからってそれを吹聴して回る奴はいない訳で……だって自分でイケメンとか、美少女とかいうのってね……なんか痛いし。僕的にはそんな事言えるのは羨ましいってのがあるにはある。だって自分にはそんな事、絶対に言えないし……


 なぜなら、僕はそのままの姿だからだ。これで自分がイケメンとか言ってたら、まじヤバイ奴じゃん。本当なら僕もイケメンだったのに!? 


「――でも私は王子様を待ってるだけのヒロインじゃないから。貧弱なんてことはないわよ。それに精霊とかの契約によって求められることって様々。それよりも精霊との契約によって得られる力の方が大きいのよ」

「そもそもそうじゃなかったら、契約する意味ないか……」


 無くすものよりも得るものが大きいからこそ、契約する価値があるんだよね。そうじゃなかったら、リスクしかない契約なんてやる意味ない。


「おい、僕もエアリーロと契約してるんだろ? 何か失ってるのか?」

「さあ。何を求めるかは、精霊と契約者によって違う。私にはあんたが何を失ってるのかはわからないわよ」

「そういうものなのか……じゃあ僕がオルガトと契約しても、失う物は違うのか」


 そんな事を言ってると、オルガトの奴が話に入ってきた。


「俺っちは求めるもの変わらないっすよ。そこらへん律儀なんで。俺っちが求めるのは魂だけっす」


 それは……律儀なのか? まさに悪魔っぽい事言ってるだけのような気もする。


「君も、俺っちと契約したいんすか?」


 そういうオルガトの仮面の目が光ってる。何か……圧力を感じる気がする。精霊との契約……それが出来ることなんてそうそうない。そもそも精霊の元へ行くこと自体が大変な訳だからな。けど今なら、魂の半分だけで、精霊と契約できる。


「ちなみに魂の半分ってなに?」

「それは、そのままの意味っすよ。君の魂の半分を貰うっす。そして契約を破った魂の全部をアラトへと持っていくっすよ」


 アラトってのがなにかわからないが、絶対にマシなところではないだろう。天国というよりは地獄みたいな感じだとおもう。契約を破ったら魂を地獄に連れていく……それかオルガトと契約するリスク。けどそんなことなんて……いや、目の前の光景が地獄みたいなものなんですけど……


「ああ、これはそういう契約を望んだからっすよ。普通は契約者一人だけを送るだけっすから、安心していいっすよ」


 それは安心なのだろうか? まあ周りに迷惑かけないって点ではいいけど……


「契約……したら強くなれるんだよな?」

「それは……勿論っすよ」


 強くなれる……それは魅力的なことだ。だって今の僕には力が必要。多少のリスクはあっても……契約する価値は……


「スオウ――」


 僕の迷いを見てローレが声を出す。そんなローレを僕は見る。何を言ってくれるのか……それは背中を押す言葉か……それとも……僕は経験豊富なローレの言葉を期待して唾をのんだ。


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