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「シルクちゃん?」
「あっ、なんですか?」
務めて普段通りの感じ。けど何だが一瞬作ったような間があった気がしなくもない。
「オルガト、あんたはどうして領主を拷問してる訳? ここにいる領民たちで契約は完了されたんじゃないの?」
「うぃっすーそれっすか? まあ単純に言うと、俺っちの契約はこういうものっすからね。救われる者なんて、何もいないんすよ」
軽く言ってるけど……全然軽くない事を言ってるよ。誰も救われることのない契約。それがわかってて契約する奴なんて……
「あっそ、私は気にしないわよ」
「いや、気にしろよそこは!?」
そりゃあ僕たちはプレイヤーだからここまでのリスクはない……と思うけど、何らかのリスクはあるはず。絶対やばい何かがあると思えるのに、そんな簡単に契約しようとするなよ。ローレの奴はどっかぶっ飛んでるな。こいつには恐怖とかがないのか?
「恐怖なんてもので躊躇う理由がある?」
寂しげでどこか儚げなローレの表情が見えた気がした。けど次の瞬間にはもういつものローレの顔をしてた。自信満々で、前しか見てない……そんな顔。何を言ってもこれは止まらないな……ってそれがわかる。
「本当にいいんすか? んじゃチューを!」
「ふん!」
情けない音を出して転がってくオルガト。その唇を……というかくちばしをローレに近づけた瞬間にローレの杖にぶん殴られた。哀れな精霊である。
「け、契約してくれるんじゃないんすかああああ?」
「それが本当に契約に必要なら、してあげるわよ。必要ならね」
そう言ってローレはオルガトを見る。するとオルガトはバツが悪そうにそっぽを向いた。
「あんた女好きでしょ?」
「もっちろーん。だから君みたいな子は味見したくなっちゃうもんっしょ」
「そんな姿で美少女の味がわかるわけ?」
「大丈夫っすよ。俺っちはこう見えて味には敏感なんすよ」
そういって長い舌をペロッと出してるオルガト。ゾクッとするがローレの奴は別段普通だ。こいつはほんと肝座ってるよ。実際の年齢はしらないけどさ、ここでの見た目だけなら一番幼い感じなんだけどな。
「こんな俺っちでもいいんすか? しゃぶりつくすっすよ? 君を全部っす」
どう考えてもやらしい考えが頭に浮かぶ。なとなくだけど……面白くはなないな。ローレがこいつに食べられるってのは。いや、簡単にたべられる奴じゃないけどさ。
「私はね、精霊を屈服させるのが趣味なの。あんたの力をしゃぶり尽くすのは私の方かもね」
「……それは、楽しみっすよ。本当に」
オルガトは静かにそういった。そして二人は契約の儀式を始めた。
遅くなりました。本当はもっとテンポよくいきたいんですけどね。なんか時間が……いいわけですけどね。次回は明日にはあげたいです。出来れば。