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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 襲い来るゾンビどもをなぎ倒す。どうやらそこまで強くはないみたいだ。みたいだけど……けどやっぱりゾンビはいくら倒しても起き上がってくる。切断しても意味はない。いきなり現れたゾンビだから、欠損部分は自動修復されるようだ。

 

「ローレ! まだか?」

「もう少し、つべこべ言わずに戦ってなさい」


 この野郎……それほど強くないって言ってもこいつら気持ち悪いんだぞ。しかも減らないくせに増えていってるし……流石にきついぞ。動ける範囲が徐々に狭くなってくのがやりづらい。声にもならない声が倉庫内にこだましてる。一体どれだけ戦ってるだろうか? 息も切れてきた。HPはシルクちゃんが回復してくれてるから、余裕はある。

 けど、疲れるものは疲れるんだよね。そう思ってると、後方から強烈な光が広がった。それによって倉庫を埋め尽くしそうなゾンビの大群は一瞬にして昇天していった。

 

「さっ、次に行くわよ」


 ローレの奴は何事もなかったかのように歩き出す。こいつは……この中で誰よりも小さいくせに、誰よりもでかいな。態度が。でもやっぱりすごい奴ではある。あれだけのゾンビを一瞬で……今、何やったんだ? そして僕たちは街中のローレが重要という建物を回っていった。その度にゾンビが出てきて、最終的にはローレが昇天させるってことを繰り返してた。


 ――でだ。僕たちは最終的に領主の館へと来てた。けどそれは今まで来たことがある館とは相反する感じになってた。

 

「なんだこれ?」


 思わずこんな声が漏れるくらいには変わってる。それはもう見た目からわかる。なにせ今までは普通にデカい屋敷だった。けどそれが、禍々しい感じになってるんだ。いうなれば、地獄にでも建ってるかのような? いや、イメージしかないけどさ。なんか色使いとかがそんな感じ。これが呪いの家だよって言われたら、納得するしかないみたいな感じだよ。

 

 ここまでわかりやすかったら危険を本能で察することができるのにね。リアルなら絶対に近づきたくないよ。

 

「真の姿を現したってことでじょ。ここだけじゃない。この街は全部がささげられてるから」

「捧げられてる?」


 ローレの奴の言葉を復唱してしまう? 一体誰に? なんに? けど、捧げられたから、この街の人達はみんなが消えてしまったんだろう。

 

「シルク、ここからは回復絶やさないでよ」

「え? あっはい!」


 シルクちゃんは何やらわかってなさそうだが、返事はしっかりしてた。ローレの事、信じてるんだろう。僕も信じてるけど、不安も同時にある。シルクちゃんのことは全幅の信頼おいてるんだけどね。けど、足を一歩敷地に入れてそのローレの言葉の意味が分かった。足が沈んでく感覚があったんだ。それが何なのかはわからない。

 けど、シルクちゃんの魔法を受けると、ちゃんと地に足がついてた。けど少し進むと再び体が沈むような感覚に陥る。そして何かが見える。心までも沈んでく気がしてた。そこに再びシルクちゃんの魔法で持ち直す。これは多分、体に直接影響してる攻撃じゃない。これはきっと心を攻撃してるんだ。なぜかローレはケロリってしてるけどな。

 

 僕たち三人にはへとへとにすでになってる。辿り着いた部屋は地獄の門みたいになってた。寒気がする。これを開けると魂が地獄に落ちてしまうんじゃないかと思える。

 

「やめる?」


 僕たちの様子を見てローレが挑発的に笑う。そんな風に言われてやめれるわけない。僕たちはその扉を開ける事を選ぶ。

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