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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 レスティアに帰って来た僕達。そこでメカブの奴と合流した訳だけど……あいつ何処に居るかと思ったら大衆食堂に居るとか言ってきた。そして恐る恐る……まさかと思いその食堂に行った僕達。そしてメカブを見つけた。

 

「ひょっちひょっちー」


 そんな間の抜けた様な声が聞こえてそちらを見ると、こっちに手を振ってるメカブ。そしてその口はハムスターの様に頬がパンパンになってた。

 

(こいつ)


 僕達がどれだけ頑張ってたと思ってるんだ。その間に食事とは、こいつには悪いと思う心はないの? せめて待ってようよ。まあメカブの奴が運ばれてきた料理を我慢なんて出来ないってわかってるけどさ。

 

「皆さんお疲れ様っす!」


 そういうのはノウイの奴だ。あっ、見た瞬間そう思った。完全にノウイの存在忘れてたよ。まあだけど問題ないか。だってノウイは戦闘自体には参加しないし。前と同じ力を得てるプレイヤーは少ないのだ。セラとかの聖典は取り方自体は広まってるから取るだけなら簡単だけど、ノウイのミラージュコロイドとかそれこそバランス崩しはそうじゃない。

 

 多分前と同じような力を得てるのなんてローレの奴くらいではなかろうか? わからないけどね。アイリだってカーテナを得てない。まあローレがバランス崩しを持ってるのかはわからないんだけどね。でもアイツは召喚獣を前と変わらずに使ってるからね。多分持ってるのか? それとも、バランス崩しがなくても行けたのか……まあ今は、ノウイ奴がミラージュコロイドなくても結局戦闘系には行ってないってことだ。

 なのでスカルドラゴンでの戦闘はノウイは結局、参加しない。てかなんでここに居るんだ?

 

「ノウイ、そっちはどうですか?」

「そうっすね、ここではちょっと」


 なになに? なんか悪巧みでもしてるのか? とりあえず僕たちはメカブが料理で溢れさせてるテーブルにつく。こいつ……これを一人で食う気だったの? まさかそんな訳ないよね。てか頼み過ぎだろ。一人で長テーブル占拠してますが……とか思ってると更に追加で料理が運ばれてきた。

 

「おい……」

「大丈夫大丈夫、オウラならこんなのペロッとたいらげるから」


 マジかよ。とか思ってると、早速席に付いたオウラさんは飯をかっこんでる。祈るまではとてもキレイな所作だったのに……その時まではこの世界ではちゃんと女性に見えてた。けど食べ始めるとそれはもう野生。獲物を食い尽くす猟犬みたいだった。実際ここで食べてもお腹が膨れた気になるだけなんだけどね。ダイエットにはもってこいだが、オウラさんがそんな事気にしてるとは思えない。

 

「で、どうだったの?」


 そんな事を聞いてくるメカブにスカルドラゴンとの事を一通り話す。

 

「やっぱり人数制限なのね。てか話し聞く限り、その人数じゃ勝てなくない?」

「それ言うなよ」


 皆薄々感づいてるよ。勝てないとまでは言わないけどさ……限りなく攻略難度が高いのは事実だ。だって膨大なHPなのにそれすらも回復するからな。そしてヤツには攻撃が効きにくいと来てる。そもそも魔法メインがシルクちゃん一人というのがね……まあ本番はローレを入れる事になるけど。あいつの精霊なら、もっと効率よくダメージを入れれるかもしれないし。

 

 シルクちゃんは基本回復に専念しちゃうからどうして攻撃まで回す魔力は今の状況では厳しい。けどローレは全力で攻撃に専念してくれるだろう。そういうやつだし。

 

「私はローレがどれだけの力をもってるかなんて知らない。が、それだけであの魔獣を倒せるもの? 私のインフィニティアートがそれだけでは足らないと囁いてるわよ」

「とうとう幻聴まで聞こえてきたか。精神科行ってこいよ」

「ふん、世界の声が聞こえぬ者達はこれだから困る」


 メカブの奴はなんかノリノリでそんな事を言ってる。こっちの世界ならある程度痛々しくて許されちゃうからね。しかもNPCの人達は優しいからこんなメカブの話も真剣に聞いちゃうし……まあだからこそこいつも孤児院なんて物を放っとけ無くなったんだけど。

 

「でも、やらないと子どもたちはあのスカルドラゴンに捕らえられたままだ」

「勿論、奴は倒す。これは世界の意志だ。でもただなんとなく……あいつを倒すのはあの場所でないといけない気がする」

「それってあの町のことか?」


 僕の言葉にメカブは頷くよ。確かにあそこにはあのスカルドラゴンを生み出した陣が残ってる。あれを再び使えば、もしかしたらスカルドラゴンを倒せる? 可能性はある。

 

「確かに可能性としては有り得そうだけど……だけど、スカルドラゴンは飛び回ってるんだぞ? どうやってあの街に連れてくんだよ?」


 ここからあの街へは距離がそうとうある。今やエリア間を伝って移動できるからそんな気はしなくなったけど、LROは広大だ。流石に奴をそこまで釣るなんて出来ない。しかも釣ってる最中に他のプレイヤーと遭遇したら? 奴はにげるんじゃないだろうか? 難しい……これはとても難しい事だ。

 

「悩み事かな皆さん?」


 僕達の悩みを聞いてか聞かずか、そんな事を言って誰かが現れる。まあ誰かと言っても僕がこの声を聞き間違える訳はない。彼女の登場で店の中の空気が変わった。なぜなら彼女はこの街のトップにして、今のLRO最大勢力の長。会長に扮した日鞠の奴がそこに居た。

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