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「全く、摂理は私の事どう思ってるわけですか? 編入試験満点ですよ私」
「え? ……うそ!?」
私はそんなことをのたまうクリスちゃんから視線を外して珍しくちゃんといる日鞠ちゃんを見る。すると視線だけで私の思いを察してくれた日鞠ちゃんが頷いた。てかやっぱり編入試験の結果とか知ってるんだ。普通そういうのは生徒が知れる物じゃないと思うんだけど……まあ日鞠ちゃんは例外だよね。
「ほんとに……満点?」
「編入試験は単純で簡単でしたデス」
「うぐ……」
私は……私は……ほぼ落第点でしたが……だってだってしょうがないじゃん。私はずっと病院で、勉強なんてしてなかったもん。そんな私がいきなり高校レベルの問題なんて解けるわけない。今だってヒイヒイ言ってるよ。実際、テストしたら今習ってる範囲でも赤点取る自信がある。
「よく編入出来ましたね摂理」
「それはほら、社会に必要なのは勉強だけじゃないし」
「ああ、偉い人に体売ったんですね。確かに摂理なら効果的デス」
「違うから! そんないかがわしい事しないよ!?」
クリスちゃんは私の事を上から下に視線を這わせてうんうんと頷いてる。絶対にいかがわしい想像してるよね? てかスオウ達もいるのにそんな事言わないでよ。私の視線に気付いたスオウは視線を逸してる。
スオウも想像してる? 想像してるかな? うう……恥ずかしい。
「いかがわしいって、摂理は最高に男に媚びれる顔してるから使わないのは損ですよ?」
「なんか褒められてる気がしないんだけど……」
「そうですか? 最大級の賛辞のつもりデスけど? 日本語は難しいです」
クリスちゃんは日本語は実はペラペラだとおもうんだけど……てか男受けいいのはクリスちゃんも同じだよね?
「私は最高にこの容姿利用してますよ? そのお陰で、日鞠派に続く勢力を形成してます」
「それってやっぱり体を使って?」
クリスちゃんは外国人にしては幼い顔つきしてて、なのに体は外国人らしくメリハリがある。ある意味、結構反則的な感じ。アニメから飛び出して来たのかな? 的な事を言われても違和感ないよ。
「私はもっともっと過激な事をしてもオーケーなんですけどね。けど、日本の男子達はハグとか、スキンシップで充分です。なのでこの体を持て余し気味デスよ」
そう言ってクリスちゃんはわざわざ体を捻ったり、胸元を広げたりしてる。ちょっとちょっと、スオウいるから。秋途の奴もいるけど、スオウがいるから! その悩殺ボディはスオウには毒だよ。てか協力してくれるって言ってる癖に、ちょいちょいスオウの事誘惑してくるよね。
「スオウ、私がこのなかで一番おっぱい大きいデスよ」
「ぶっ!? 何言ってるのクリスちゃん!?」
わざわざ背伸びしてその胸を強調してるクリスちゃん。制服の上からでもわかるその大きさ。まさに黒船。いや、私だってそれなりにある。小さくはない。この中で一番小さいのは日鞠ちゃんだよ。でも制服を着てるとそこまで差が無いように見える。制服って一定以上の大きさがないと変わらなく見えちゃうんだよね。でもクリスちゃんはその一定を有に超えてる。
スオウはそんなクリスちゃんの一部から目をそむけてるけど……チラチラとは見てるんだよね。やっぱり男の子は胸の誘惑には抗えないのかも……それなのに、日鞠ちゃんは焦ってない。食後のお茶をすすってる。ニヤニヤしながら話し聞いてたと思ったら、徐に反り返るおっぱいに手を伸ばしてムニムニ。
「ひゃあ!? タダで何してくれてるんですか!」
お金払えば良いのかな? そういう問題なのかな?
「うん、確かに揉み応えは凄い。けど、大きさ以外に変わりないから安心していいよスオウ」
「何がデス!?」
ほんとに何がだよ。日鞠ちゃんも時々意味不明な行動するよね。多分だけど、嫉妬あるんだろう。見た目からは全然わかんないけど、彼女がスオウを大好きだってのはわかる。そしてスオウも……実際スオウの方はそれが恋愛感情なのかは分からない。けど危ういのはわかる。だってそれを確定させられると、私には勝ち目なんてない。二人の間には時間と絆が確かにあって、私にはそれがない。
私には優れた容姿があるけど、でも日鞠ちゃんは地味なだけであって可愛く無いわけじゃない。容姿を上回れる要素なんて幾らでもあるんだ。だから私は焦ってる。スオウがその心を知る前に、少しでも私はアピールしないと行けない。だって私にはもうスオウしかいないもん。クリスちゃんを利用したって、協力してくれるって言うなら私は何にだってすがる。
私はそういうやり方しかしらないから。そしてそんなワイワイと騒ぐ中鈴鹿ちゃんは我関せずを貫いてた。