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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「摂理ちゃん摂理ちゃん」

「え? ……あ、ごめんなさい」

「ふふ、夜更かしかな? 駄目だよ、いくら美人だからって油断してるとお肌とか荒れちゃうよ」


 そんな一人の発言に周りを囲んでる他の女生徒達が色々と言ってる。

 

「いやいや、摂理ちゃんお肌もめっちゃ綺麗だから」

「うんうん、髪だってこんなに長いのにサラサラツヤツヤ。キューティクルの塊!」


 私の事でクラスメイト達が盛り上がってる。あんまり意識したことは無かったけど、私は肌とか髪も異常に綺麗らしい。最近はクラスにも溶け込んで来たからか、中々に皆さんグイグイくる。私の頬を指で突いたり、髪の毛を持ち上げたりしてる。まあ褒められるのはきらいじゃないけどね。

 

「ほらほら皆邪魔しない。摂理ちゃんは今宿題丸写し中なんだからね」


 それは堂々と言わないでほしい。なんか恥ずかしいよ。まあでも自分で宿題をやるなんてそうそうないよね。自分の時間は自分の為に使いたいじゃん。だって漫画とかの主人公とかもよくこうやってたし、きっとこれがデフォだよね。まああんまり宿題やって来てない人を見ないんだけど……多分私の見えない所で皆同じ事をやってる筈。

 本当なら鈴鹿ちゃんに頼みたいんだけど……超冷めた目で「イヤ」って言われたから諦めた。今もクラスの女子に囲まれてる私なんて気にもせず自分の席で本を読んでる。もっともっと友達らしくしたいんだけどな。けど私も鈴鹿ちゃんも友達に縁なかった者同士だから、そこら辺がよくわからない。友達……してるとは思うけど……

 

「摂理ちゃんそこ間違ってるよ」

「あっホントだ。大丈夫、間に合うから」


 そう言ってくれる宿題を見せてくれてる子は、私がよく頼る委員長だ。とても委員長って感じの人。何言ってるのかわかんないかもだけど、もうこの子以外に委員長は考えられないくらいの委員長なのだ。まあ、私の勝手なイメージだけどね。ハキハキしてて、堂々としてて、男子にも物怖じしない……それになんかオシャレで制服にもワンポイントを加えて着崩さなくても見栄えをよくしてる。

 女子力を感じるよ。同い年の筈なんだけど、姉御って感じもある。だからこそ皆が認める委員長なのだ。

 

 そうしてクラスの女子たちにもみくちゃにされながらもなんとか宿題を写し終えた所でチャイムがなった。皆急いで自分の席に戻ってく。

 

「あの……いつもありがとう……」

「いえいえ、こんな事ならいつでも――いや委員長としてちゃんとやってきてって言うべきかな?」

「う……ん、がんばります」


 だよね。委員長としてはそういうべきだよね。いつだって宿題見せてあげるって言っちゃうのが委員長としてはどうかって感じだもんね。そう思ってると、席に帰ってた委員長が再び近づいてきた。

 

「ふふ、いつでも見せてあげるって委員長として言えないけど、一緒に宿題頑張ろうとは言えるんだよ」


 それだけ言って彼女は席に戻ってく。今のはアレかな? 宿題合宿をしようというお誘い? 私も友達の家に泊まるイベントを行う時が来たのかな? 

 

 

 

「それはただ単に駄目な子を放って置けないって事ではないデス〰? そもそもなんで摂理は宿題しないんデスか?」

「え?」


 お昼休み。いつもの空き教室で食事を取ってるとクリスちゃんにそんなことを言われた。なんか色々とショックが……


「えっと……クリスちゃんは宿題やってるの?」

「中々にユニークな問題が多いですけど、結構楽しいデスよ。宿題」

「えっ……ええ?」


 青天の霹靂とはこのことだよ。だって一番このなかで遊んでそうなイメージがクリスちゃんにはあったのに……なに? 宿題が楽しい? 私の常識がひっくり返りそうな発言だよそれは!!

 

「なんか凄く失礼な事思われてそうデスね」


 そんなクリスちゃんの発言は私の耳には届いてなかった。だってこの中では仲間だって思ってたのに!! できない子同士だと思ってたのに!? 

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