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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 次の日の夜。リーフィアを被ってLROに入る前にメールをチェックする。ローレの奴には朝の内に送っといたから、返信が来てると思うんだ。まあアイツがそんなマメなやつかはわからないが。とりあえず仮想空間でローレからのメールが無いかをみる。するとあった。エリアにこいとかいてある。招待様のコードもついてるな。チームではないプレイヤーをエリアに誘う時はこういうコードが必要になってくるからね。

 後はアギトとか、セラとかからの報告メールだった。あとは一心か。アイツも他のチームとかとスカルドラゴンに挑むかも知れないから一応忠告はしといたんだが……何故か今夜挑むぜ! とかいう報告が。

 

 アイツには変に言わない方が良かったか? 強敵とか好きそうなやつだからな。ゲームとして目一杯たのしんでるから、とりあえず挑んでみるか……って感じなのかも。一心は今しか知らないからな。ゲームって感覚しか無いんだろう。まあそれが普通だよね。きっと僕達がおかしくなってる。そう考えると、有力なチームに危険を宣伝してもらっても、やめる奴なんてのはそうそう居ないのかしれない。だって大多数のプレイヤーにはここはやっぱりゲームだから。

 

 とりあえず自身のエリアに降り立つ。小さな小屋と小川だけの最初の状態のエリア。ここからもう直接ローレのエリアに飛ぶ。一気に匂いが変わった。潮の香りと強烈な日差しが眩しい場所に僕は降り立つ。

 

「おーいローレ!」


 出てくる所は決まってるんだし、待ってろよ……と言いたい。下手に動き回るのもなんか悪いかな? って思うじゃん。他人のエリアは他人の家みたいな物だしさ。けど五分ぐらい待ってみてもローレが来る気配はない。てか、誰かが来たら通知が届くんじゃないんだっけ? 僕は自分のエリアに誰も入れたこと無いからわかんないんだけどね。

 でも多分そんな仕様だったはず。なのにアイツが現れないとは……なにか企んでるのか? 来ないんだったら、こっちも考えがある。ローレの奴は味方なのかそもそも怪しいし、そのうちぶつかる時が来るかもしれない。その時の為にも、アイツのエリアを探索するのは有意義な筈。てな訳で探検を始めた。海に続く広大なみかん畑。綺麗なオレンジの色がアクセントなってる。

 海岸には広い砂浜が広がってて眩しいくらい。リゾート地として売り込めばかなり人気でそうだ。しかも海の向こうにまで小さな島が見えるし……かなり大きいエリアだ。やっぱり四国を制してるというのは本当か? 案外半信半疑だったんだけど。

 

(海はちゃんと海なのかな?)


 ふと湧いた疑問に答えを求めて打ち付ける波に手を突っ込む。冷たい。ちょっとだけすくってペロッとしてみる。やっぱりしょっぱい。広大な海……そこでふと僕は気になった。地上の方ではあんまり建物らしきものがないんだよね。あいつ……ローレはかなりひねくれてると思う。って事はだ。あいつは思いもよらない所に自身の城を気付いてるんじゃなかろうか? そしてこのエリアはかなりの部分を海が占めてる……まさかとは思うが相手はローレ。

 その時が来るかは分からないが、確かめておいても損はない。だから僕は服を脱ぎ脱ぎして、装備を解除する。まあ泳ぎのスキルを上げれば、装備したままで普通に泳げるらしいけど、僕はそんなのないからね。

 

 ジャブジャブと海の中に入ってく。とても気持ちいい。こんな場所にいつでも来れるなんてローレの奴羨ましい。リラックス空間として最高だろここ。そう思いつつ、海に全部潜らせる。浅瀬から一気に深いところへ。どうやらちゃんと魚もいるようだ。流石にリアルの魚って訳ではなさそう。似てるのもいるけど、全然違うのもいる。遠くにはデカイのもみえる。けどそれよりも気になるのは下に見える光だ。

 深くなるほどに光は届かなくなって暗くなる筈の海の中で、下の方に光が見える。あれは明らかに怪しい。けど……あれ息持つか? とりあえず一度海面に顔を出して、息を補給。そして意を決していってみる。

 

(とお!?)


 不味い……これは全然届きそうにない。一体どうすれば? とりあえず何度か試したけど無理そうだ。さっきから下の光が何やらチカチカと明滅してメッセージ的になってる。ここまで来てみろってことなのかもしれない。あのいつだって余裕シャクシャクのローレの度肝を抜いてやる! スキルが絶対的に必要? いや、LROには色んな選択肢があるんだ。なんとしてもたどり着く。僕はその手段を模索する。

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