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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 授業を終えての放課後。僕たちは家路に急ごうと玄関を目指してる。特段、何か語る事があるような一日でも無かったし、今はLROが気になる。正確にはあのスカルドラゴンが……だけど。そういう風に思ってると、何やら玄関前でビラ配りをしてる一団を見つけた。一体何を? とか思ってるとクリスの奴が無邪気な笑みして近づいてくる。

 

「ハイ、スオウ達もどうデス?」

「何がだよ?」

「今日これからライブハウスを借り切ってのパーティーなんデスよ! 一緒にいきましょう!」


 ライブハウス? 凄い外人っぽいノリだな。普通の高校生は『今日ライブハウスでパーティーしようぜ?』っては言わない。少なくとも日本では聞かないよな。そもそもそういう発想ない。ウキウキ顔のクリスはいつもどおりだが、周りのビラ配ってる奴等は何やらそわそわしてる感じだな。初体験って奴にドキドキしてるみたいだ。

 そりゃあそうだよね。そもそもライブハウスに言ったことある方が少ないよね。なんかこう野蛮というか、弾けてる奴等が行く場所っていうイメージだし。自分達がそんな場所に行くってだけでドキドキするものだ。

 

「なんで今日なんだ?」

「なんで? え? パーティーやるのに理由なんていりますデス?」


 やっぱクリスは外人だな。向こうの人達は日常的にパーティーしてるんだろう。だからこそ理由なんていらない。思いついたらパーッとやっちゃう? みたいなノリなのだろう。てかエンジョイしてんな……

 

「摂理もどうデス? パーティー初めてですよね?」

「う……うん……でも……」


 ちらちらと僕と鈴鹿を見てくる摂理。パーティーには行きたいが、一人では不安だなーという心境なのがだだ漏れだ。ここは鈴鹿に――

 

「私はパス。そういう場所、行きたくないし」

「あう……」


 鈴鹿の奴に押し付けようとしたのに速攻で拒否りやがったよこいつ。少しは絆が深まったはずなのにここらへん全く変わらないなこいつ。

 

「ではさようなら皆さん」


 なにかとても急に他人行儀な挨拶をして去っていく鈴鹿。これ以上私に声かけるなオーラが半端ない。

 

「行ってやれよスオウ。LROの方は俺に任せとけ」

「いや、でも……」


 秋途がそういう。スカルドラゴンの事は気になる。クリスが居るのなら別に摂理は一人でも良いような? そう思ってるとクリスの奴が僕の腕をガシッとホールドしてきた。

 

「じゃあ二名様追加デース!!」

「ちょ!? お前な!!」


 クリスの外人おっぱいがムニってしてるよ! ムニって! これで迫られて拒否れる男子は居るんだろうか? ふと思ってどのくらいの人数が来るのか聞いてみた。

 

「うーん詳しくはわかんないデス。けど皆、来るって行ってました」

「お前、わかっててやってるよな?」

「はて? 私日本語慣れてませんデス」


 何言ってるこの野郎。めっちゃペラペラだろ。その後ろのデスだけ片言っぽくすることさえキャラ付けだろと僕は思ってる。

 

「スオウ……」


 更に反対側から摂理が制服の裾を摘んでくる。やばいな……いや、普通の男子にはこの状況が両手に花に見えるだろう。確かにそうだよ。その通りだ。けど、それ以上に周りの恨めしそう視線がやばい。ただでさえ疎まれてるのに、摂理にクリスというこの学校の二大美女を両手に囲んだ図というのは不味い。知らないやつに刺されそうだ。

 ほら……クリス信者が今にも飛びかかってきそうだし……

 

「わかった。わかったよ」


 そう言って僕はクリスの主催するパーティーに参加する事になった。

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