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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 スカルドラゴンへ確かな波状攻撃が炸裂する。動きながらも重なりあう視線、それだけで互いの意図を汲んで行動してた。それなりに皆とは濃ゆい時間を過ごして来たんだ。だからこそ出来る芸当。皆が皆経験豊富で、互いを信頼してるからこそのプレーがそこにはあった。治った傍から破壊されてくスカルドラゴン。確かな手応え。

 けどHPは見ない方が幸せだ。だって全然減ってないからね。流石にこれだけ攻撃したら少しは、少しくらいは減ってるだろうとチラチラ見ちゃうわけだけど……毎回落胆する事になる。

 物理じゃダメだって分かってはいて、期待するほうがおかしいんだけどさ、それでもこの光景でダメージ通んないのおかしいだろ!? と思うわけよ。そこまで頑丈でもない体は、そもそもが破壊される事が前提な様な気もする。どうせ再生できるんだからって感じ。スカルドラゴンにとっては僕達の攻撃なんか、蚊が刺す程度のものでしか無いのかもしれない。

 

 でも蚊だって不快感は与えられる。その証拠にスカルドラゴンは僕達を無視はしない。どうせ攻撃効かないんだしやろうと思えば飛びされる筈だ。向こうはあんな翼でも飛べるんだしね。飛ばれるとこっちはそうそう追えもしない。けど、スカルドラゴンは明確に僕達を敵だと認識してる。殺す気満々って感じ。けどこっちが波状攻撃してるのは流石にウザいのか対策取ってきた。

 

 グゲガアアアアアアアア!!

 

 そんな声を上げたスカルドラゴンは自身の回りに白い煙を展開する。それは多分石化の奴だ。流石にアレに突っ込む事は出来ない。空中でその煙の中に身を隠すスカルドラゴン。するとその煙から小さい何かが飛び出てきた。まあ何かって言っても僕の目にはハッキリと見えるんだけどね。それは小さなスカルドラゴン。分裂でもしたのか? 

 かなり小ぶりのサイズになったぶん、速さが増してる。一気に突っ込んでくるそのスカルドラゴンはアギトへと向かってる。けどそこは流石アギト。突っ込んで来た小スカルドラゴンを一閃の内に切り裂いてた。けどその瞬間、その小スカルドラゴンは一気に砂の様になった。そしてその小スカルドラゴンの残骸というか、残滓を被ったアギトは一気に石化した。

 そんなアギトに向かって更にスカルドラゴンの骨が煙の中から射出される。避ける事が出来ないアギトに真っ直ぐに迫るそれが直撃すれば、アギトは終わりだ。僕は走り出すけど、僕もよりオウラさんが近かった。オウラさんなんと迫る鋭利な骨を槍を使わずにそこ拳で僅かに受けて、そのまま受け流した。マジかよこの人……多分アギトと同じように成るのを警戒したんだろうけど……それでもあんなことを咄嗟に出来るなんてヤバイ。

 僕は普通に斬り壊そうと思ってたからね。地面に刺さった骨を見て、彼女が対処してくれてよかったと思う。とりあえずアギトにはアイリが石化を治すアイテムを使う。

 

 ぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ

 

 空からきこえる無数の声。大量の小スカルドラゴンがそこには展開してた。ぞっとする光景。けどそんな時「ふっふっふ」と場違いな声が聞こえた。その声の方へ視線を向けると、地面で輝く魔法陣の中心でメカブの奴がポーズを決めてた。その横ではシルクちゃんが真面目に杖を構えてる。可愛い。

 

「さあ行くわよ! 私達への露払いご苦労様。褒めてつかわすわ!」


 何キャラだよ……と思いながらも、期待できる力を感じる。スカルドラゴン本体は煙の中で手出しできなかったけど魔法なら関係ない。同時に手を掲げる二人。そして声が重なる。


「「セイクリッドホーリー!!」」


 上下に展開する複雑な魔法陣。その範囲内にいる仲間を回復し続ける強力な回復魔法。綺麗な光は小スカルドラゴンを滅していく。けど本体はその魔法陣自体を壊して耐えきった。けど、その身体が砂の様にこぼれてる。イケる。そう思える攻撃だった。

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