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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「と、言うわけなの。以上で講義を終わります」

「「「おー」」」


 なんかわからんが日鞠の授業の後は毎回拍手をしてしまう。僕自身は流石に我慢できるんだけど、今回は関係深い事柄だったから案外集中してたのかもしれない。無意識に拍手してた。これ、ちょっと悔しいんだよね。なんか自分が敗北を認めたような……いやただの賞賛でいいんだけど、男子高校生は複雑なのだ。まあ色々とはわかったよ。そこは助かった。


 要約すると、エリアはどこでも奪えるには奪えるらしい。けど遠すぎると分断されるらしい。普通に移動できるらしいけど、細かい土地がいくつもあるよりも、どでかい土地を手に入れた方がエリアを色々と弄りやすいみたいだ。関東なら関東同士でバトルして勝てば勝手に統合されるらしい。けど離れすぎると、統合ではなく分割扱いになるとか。

 けどそれも色々とバージョンアップで変わってるらしいけど。バージョンアップとか更新は来てるらしいけど、その間ダイブできなくなるとかは無いし、正直意識したことがなかった。最初は自分が初ダイブした位置をGPSで記録してプレイヤー毎に細かくエリア管理してたようだけど、それだとやっぱり色々と弊害がでたようだ。

 人がまだ少ないときはそこまででもなかったのかもしれないけど、多くなってきて、更にはエリアバトルが盛んになってくると、大きなエリアを得てるプレイヤーのエリアの中に個人のエリアが出来る……みたいな事が起きてしまう問題が起きたようだ。日本の形にエリアを厳密に振り分けてたから人口が多い都市圏とかはそういう問題が置きやすかった。

 まあだからこそ近くでやってる奴と仲間意識とか抗争とかあって面白い部分もあったとは思う。でも最近変更が加えられたようだ。GPSはまだあるようだし、自分の最初のエリアは最初ダイブした位置なのは変わってない。けど、ある程度大きくならないと日本の領域には加えられないみたいだ。これで新規のプレイヤーのエリアがいきなりデカイチームのエリアの中に出来るなんて問題は解決してるらしい。


 でもそうなってくるとでっかいチームはますます有利になってく。特に先行してLROをやってたプレイヤーなんてそうなる。まあそれはどうしても起きる問題でもあるんだけど、新規のプレイヤーにも救いがないとなると続かなくなったりしてしまうかもしれい。なのでエリア間接触は日本にのってなくても起きうる様になってる。それには残されたGPSが使われてるようだ。

 デカイエリアのチームは初心者側へは行けないけど、初心者側は接触してるエリアには行けるみたい。裏工作とか出来るな。けど一人では無謀だし、罠とか仕掛けられてるエリアが大半らしいから初心者触発の意味合いが強いらしい。こんなことが出来ますよ――的な? 関東……というか東京ならテア・レス・テレスのエリアに接触してる扱いに大半はなるらしい。

 あそこなら確かに触発にはなるよな。罠もないし、すごく綺麗だし。けど悪質なプレイヤーのエリアとかに接触してたらいきなりトラウマ植え付けられそうな気もしなくはない。日鞠曰く、このシステムを使えば下克上狙えるらしい。詳しくは教えてくれなかったけど、中級エリア間抗争はこれで盛り上がってるとか。ちなみに中級は一つの町クラスのエリアを持つチームらしいけど、まあ結構曖昧らしい。一つ言えるのは上級は日本にエリア名が表示されてるチームということらしい。けどそれも縮尺で結構細かいんだけどね。

 最上級は最大縮尺で表示されるチームなのは確か。テア・レス・テレスはここだね。とりあえずエリアを大きくしたかったらあまり遠くのチームとは戦わない方がいいってこと。チームリーダーの登録位置が関東とか九州とか表示されてるらしいので、それで戦う相手を選んで行くのが普通だということだ。とりあえず関東勢なら同じ関東表示なら分断されることはない。だから地域で固まっていくんだろう。

 

「そういえば、スオウ強くなった?」

「別にリアルの僕は変わってないぞ」


 日鞠の奴が弁当を突きながらそんなことを言ってくるから事実を言い返してやる。いやいやね、リアルで変化なんかあるわけ無いだろ。

 

「そうかな? LROでの経験はリアルでも活きるとおもうけど」

「空駆ける事がか?」

「色々とだよ」


 日鞠には昨日のことは話してない筈だけど……こいつはどこで何聞いてるかわかったものじゃないからな。知っててもおかしくないか。ふと弁当に目を落とすと僕はあることに気づく。

 

「お前それ……」

「ん? あはは、大丈夫だよ」


 日鞠は言わせたくないのか、僕の言葉を先回りしてそう言ってきた。そして足早に弁当を食べると早々とこの場から立ち去っていった。

 

「日鞠はエクセレントですね。いつだって忙しくしてますデス。それでいていつも笑顔デス」

「まあ……な」


 クリスはそう言うとこの学校で伝わってる日鞠の数々の伝説をお披露目しだした。どうやら仕入れた情報を自慢げに話したいらしい。大体全部しってるけどな。確かにあいつは凄いよ。それは誰も異論ないだろう。けど……

 

(冷凍食品ばっかりだったんだよな)


 そう、今日の日鞠の弁当は冷凍食品ばっかりだった。

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