表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
802/2698

802

「何やってたんだ昨日?」


 そう言ってきたのは秋途の奴だ。授業の合間に机まできて何やら詮索してきた。何、僕がなにやってるのかそんなに興味あるわけ? ちょっと気持ち悪いんだが。確かに秋途の事は友達と思ってるけどさ、それだけだよ。いや、ほんと。

 

「お前が新しい女といたって情報がな」

「なんだその情報? どこ発信だよ」


 なんてはた迷惑な情報だよ。そもそも言い方おかしいだろ。なに新しい女って……それにそんなの逐一報告されるって、そんなに有名人なのか僕。

 

「どこ発信かは秘密だ。守秘義務だし。で、女と居たのか?」

「女の外見してるだけで、女とは限らないけどな」

「つまりは女か」


 いやいやだからわかんないっていってるじゃん。なんで女にしたがるのか。女女煩いせいで、クラスの奴等が変に聞き耳たててるぞ。

 

「ローレだよ。あいつと一緒に精霊と仲良くなりにいってた」

「よくわからない状況だな」


 しょうがないから端的に説明してやった。昨日の夜の出来事を。それを話し終えると短い休み時間は過ぎ去ったから昼休みに持ち越した。昼休み、何回もとどいたウザイメールに返信しつつ弁当に箸をすすめる。場所はもちろんいつもの空き教室だ。

 

「スオウ、行儀悪いよ」

「お前に行儀の指摘される日が来るなんて驚きだ」

「うっ……」


 摂理の奴は僕の指摘にさっとスマホを隠す。摂理の奴はゲーム大好きっ子だから新旧問わず手を出してるようだ。LROもやってるのによくそんなゲーム出来るなと思う。部屋は相変わらず足の踏み場もない程にゲームで溢れてるしな。毎日お婆さんが掃除してくれてる筈なのに、いつもちらかってるという不思議。そしてそんな摂理は最近は携帯ゲーム機も持ち込んでる。

 最初は緊張があったし、スマホだけにしといた癖にいつの間にかゲーム専用機も持ってきてる。だから少し目を離すとペコペコしてる。授業で聞いたこととか、ゲームで忘れてるんじゃなかろうか? 

 

「そういえば昨日は女遊びしてたんだって?」


 言い方言い方! なんでそんな遊び人みたいな言い方なんだよ。どういう風に伝わってるの? てか何、言いふらしてるんだよ秋途の奴は。摂理の奴はしてやったりみたいな顔しやがって。そのくせに鈴鹿の後ろに隠れてるのが情けない。

 

「ローレだって言ってんだろ」

「ローレって確か……」


 うんうんうねる摂理。あ、こいつ覚えてないな。まあそもそも摂理はローレとまともに会ってないな。それじゃあ仕方ない。けどかなり世話になったから一度くらい礼を言ったほうが良いんじゃないかとおもったり思わなかったり。あいつそういうの気にしなさそうな気もするんだよね。

 

(私のためにやったのよ)


 とかいいそうじゃん。

 

「リア・レーゼの巫女だったモブリだよ」

「へーあーうん、思い出した、思い出した。あの子ね。はいはい」


 絶対知らないなこいつ。わかり易すぎる。どうしてそんなに顔にでるんだよ。ポーカフェイスって知ってる? まあ、それはいいさ。

 

「ローレは召喚魔法を使うんだよ。だから精霊には詳しい。僕の新しい剣はサラマンダーの祝福が必要だったからちょうどよかったんだよ」

「でも、可愛いんでしょ」


 なにその目。痛いんですけど。寧ろ可愛くない奴を探すほうがLROでは難しいだろう。ローレはモブリだからただのマスコット的な可愛らしさ……だったはずだけど、今は普通に美少女だからな。普通に美少女って意味分からないけど。

 

「で、目的は達したんだろ? どうだったんだローレは?」

「別に、相変わらずだったぞ。散々だった」


 素直に昨日の感想をいってやった。すると秋途の奴は何やらニヤニヤとして言ってくる。

 

「それだけか? アイツ今何やってるんだ?」


 なるほど情報がほしいわけね。昨日のこと……特に最後の言葉は言わないほうがいいよね? 

 

(テア・レス・テレスを潰す)


 いや、相談してもいいんだけど、釘刺されてるからな。そうおもいつつさっきから煩いスマホをみる。するとタイミングよく、またメールが……なんなのアイツ、メール相手できて嬉しいの? やっぱぼっちか? なんとなく同じ匂いするんだよね。

 

「なんか四国統一するとか息巻いてたぞ」

「ローレって四国なのか……ってことはまだまだこっちとは関わらないな」


 地方とか関係ある? って思うんだが、どうなんだろう。だって別にエリア間バトルはどこだって申し込めるじゃん。なにか決まりでもあるのかな? よくわからない僕……と摂理。するとどこからともなく現れた日鞠が教壇に立って説明をしだした。僕たちはなにも言わなかったけど、クリスだけが何故か大笑いしてた。一体何がこいつのツボに入ったのかわからない。いや、本当に。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ