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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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(いけ!)


 フラングランの風の宝石側を飛ばす。まっすぐに進むフラングランはけどサラマンダー達の攻防には追いつけない。てか奴らの衝撃波がそれだけでフラングランを吹き飛ばす。


「このままじゃ全然ダメだな……」


 そもそもが自分を飛ばすのとかとは勝手が違いすぎるな。確かに飛ばしやすいけど、遠隔じゃ状況がわからないというか、ここの風とサラマンダー達がかき乱す風は違ってて、自分自身がいけばそれも感じれて対処できるかもしれないけど、フラングランだけだとそれを感じることはできない。

 そこで踏ん張ることができない。


「ただ飛ばすだけなんてダメなんだな。風はただの推進力ってだけじゃあの戦いには混ざれない」


 セラのように視点を持てたらいいのかもしれないが、そんな事できない。でもセラは風を操る事はできない。できる事、できない事はそれぞれあるわけだから、マイナスだけを見ても意味はない。

 自身のプラスをどうやったら活かせるか……きっとそれが大事。風でフラングラン全体を覆ってみる。これなら衝撃を殺せる……かもしれない。もっと風に感覚を流せれば。自身は戦いから遠いところにいるわけで近づきも今はしないのなら、もっともっと風に意思を流せるんじゃないのだろうか? 

 つまりは集中が足りない。戦場だから流石に目を閉じるのとかどうかと思ったが、ローレが不意の事故は防いでくれるだろう。こう考えると案外、あいつのこと信頼してるな僕。


(なんか悔しい)


 なんやかんや出来るやつなんだ。けどおかげで試せる。視界を塞いで風を体全体で感じる。見てた時よりもたくさんの風を感じる気がする。やっぱり五感の一つを閉じると他のがより敏感になるのは本当だな。

 もう一度サラマンダーを追う。あの圧倒的な力の塊を。何も見えないけど風の乱れをこの周囲全体で感じる。


(見えなくてもわかる。どこをどう動いてるのか。必死に見ようとしてたのが嘘のよう)


 やっぱりこの目に頼りすぎてたのかもしれない。見えないことなんていっぱいあるはずなのに見えるような気がして……頼ってたし自惚れてたのかもしれない。風達が教えてくれるこの感覚は前の感じに似てる。


(頼む……耐えてくれ!)


 感じるサラマンダー達の力を辿りフラングランは進む。奴らの戦いで生じる衝撃波をなんとか周囲に張り巡らせた風で受け流し、進ませる。するとなんだか不思議なことが起こる。


(力が乗ってないか?)


 風を通してそんな感じを感じる。奴らの衝撃が、風に絡まってる? 勢いが増して、制御を離れる。そして「あっ」と思った時には黒い雷をまとってた赤いほうのサラマンダーへと突き刺さってた。


(よくやったわスオウ!!)


 そんな声が頭に響くと同時に海面に広がる大きな魔法陣。すると海面が大穴と化し、その穴に赤いサラマンダーは落ちていった。そしてこの戦いは終わった。

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