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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「うおおおおおおおらあ!!」


 斜め後方から赤いサラマンダーへと一撃を叩き込む。けど残念、届かない。届いたように見えたけど、フラングランは赤いサラマンダーの周囲に張られてる電気に阻まれてる。さすがは精霊……一朝一夕では攻撃を与えることもできないか。


(出来たようじゃない)


 頭に響くそんな声。ローレの奴はあいかわらず海の中なのになぜにわかるのか。まああいつのことだから驚きはしない。てか空中の様子が見えないと、攻撃を当てるなんてこと出来ないし。


「なんとかな−−ってクソ!」


 がくんと高度が落ちる。一瞬に込めるのはやり易いんだけど、それを維持して操作するとなると難しい。幸いにも赤いサラマンダーはこっちを向いてもいないからなんとか風を操作して海に落ちる手前で踏みとどまる。


「ふう……さて、どうするか?」


 こっちを見もしなかったってことはまだ僕は奴に敵認定もされてないってことなのかも。まだまだあの戦いに身を投じることを認められてないような感じがする。どうにかしてこっちを向かせたい。振り向かせてやりたい。

 そう思ってフラングランを握る手に力を込める。二体のサラマンダーの軌跡が空に走る。そして轟く轟音。その合間にローレが今度は海を大きく鋭い渦にして赤い方に向ける。けどそれはさっきのホタルイカ爆撃よりも断然遅い。

 当たるわけない攻撃。何のためにローレはあんな攻撃をしてるんだ? すると頭に声が響く。


(もう一度行けるわね? サラマンダー!」


 その声にサラマンダーも頷き、こっちを見る。え? 何? お前たちだけで通じてるなよ。こっちはわからないっての。けどやるしかないよな。ローレには考えがあるんだろう。


(あの最大火力のやつをお願いね)

「でもあれは……」

(大丈夫だから思いっきり打ちなさい)


 宝石が光ってないと言おうと思ったけど、それより先に大丈夫と言われてしまった。ローレにはいってなかったはずだけど……いつの間にか分析せれてたっぽい。本当に油断も隙もないやつだ。


(ついてこれるか?)


 今度のはサラマンダーの声。挑戦的なその言葉に僕は(なめるなよ)と返しておいた。そして後方から赤いサラマンダーへと迫る。けどごめんすぐに後悔した。


(舐めてたなこれは……)


 スピードは追いつけてると思う。けど、ごめん。方向転換が追いつけない。とっさに風に指示を送るとかできない。まだまだあくまで直線でしかトップスピードに乗れない。どうする? 方向転換の為にスピードを落としても追いつけないぞ。

 けど直線しか進めないと攻撃が当たらないっていうか……ぶつかれない。僕が悩んでるとふと風が「もっと」といった気がした。いや、気のせいじゃない。「もっともっと」そう聞こえる。

 そうだよな、押さえるよりも突き出る方が自分らしい。こうなったら全力でサラマンダー達の間を目指す。うまくいけば赤いやつとぶつかれるだろう。そう決意して僕はさらに風を紡ぐ。

 そして一気に駆けた。音が後方に置き去りにされる。ふとした瞬間、体全体が軽くなる。自分を阻むものが何もないかのような感覚。


(スオウ今!!)


 目の前には何もいないがその声に従って右側のフラングランを振るう。その瞬間フラングランに青い雷撃が落ちて更にそれがフラングランから大きくなって放たれる。すると大きな塊だったその一撃がローレの巻き上げてた海水を伝ってか何なのかわからないが周囲全方位に広がる。


 獣のような悲鳴は後方から聞こえた。そこを見ると赤いサラマンダーが動きを止めてる。二つの宝石は輝いてる。風に雷……緑の光と黄色の光を最大限に輝かせて僕は赤いサラマンダーへと突っ込んだ。

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