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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「なんだあれ? サラマンダーの兄弟か?」

「アホなこと言ってないでやるわよ。本番はここからなんだから」


 そういうローレは現れた赤いサラマンダーに向かって杖を向ける。すると赤いサラマンダーは纏う黒い稲妻を放ってきた。だがそれはサラマンダーの青い稲妻によって撃ち落とされる。流石に同じ攻撃でオリジナルが負けるなんてことはないか。……けど、全く同じ力をアレは有してるのか? だからこそローレは僕達を連れてきたとか? 

 同じ力ならどっちに転ぶかわからない。もしもオリジナルの方が負けたら……負けたらどうなるんだろうか? そもそもアレはなんだ? 兄弟じゃないなら何なんだよ?

 

「アレはよくわからないわ。だから、黒幕を引っ張り出すのよ」

「僕に関係あるのかそれ?」

「案外鈍いわね。アレはあんたの力を持ってる奴と同じだと思わない?」


 そういうことか。だから僕だったと。なるほど、確かにそれなら納得できる。でも本当にあのサラマンダーが僕の前の力をつかってるあの存在と同じかは疑問だけどな。実際今の僕にあの力は無いわけで……けどあの赤いサラマンダーはその力を完璧に再現してるのなら、同じなのかといわれるとどうなのだろうか? というのが本音ではないだろうか? それとも何か確証でもあるのか? 

 

「僕はアレの持ってる力をもう使えないんだが?」

「本当にそうかしら?」


 意味深な笑いを見せてそういうローレ。どういうことだよ? 実際僕はもうセラ・シルフィングを持ってないからイクシードとか使えないぞ。それはローレも知ってる筈だが? 

 

「イクシードに風帝武装、その他諸々のスキルは確かにシステムからの恩恵だったのかもしれない。でもあんたには残ってる物があるんじゃない? 本当に何もかも無くした?」

「それは……」


 こいつはどこまで知ってるんだ? 確かに世界はリセットされたはずだった。けど……それでも……残ったものは確かにあるんだ。僕の無言をローレがどうとったのかはわからないけど、ローレは言葉を続ける。

 

「私はねスオウ、なにも失わなかったわ」

「なにも?」


 その言葉は流石に信じられない。だって世界は作り変えられたんだ。残ったものの方が圧倒的に少ないはず。なにも失わなかったわけがない。神官さんは僕達の話を理解する事は出来ない、NPCだから。てかもう一体のサラマンダーに驚嘆してこっちの話はきこえてないかも……

 

「そう何も。だから別にあんたを恨んだりしてないわ。寧ろありがたかったくらい。なにもかもを時間でしか証明できなかった奴等は何も残せなかったようだけどね。だからあんたを恨んでる」

「はは……」


 確かに恨まれてはいるな。そこまで表面的に表す奴はそうそう居ないけど、ネット上では酷いものだ。

 

「私はねスオウ。自分たちの繋がりを精霊たちで証明した。新しい契約の形が開いた。世界は確かに変わったわ。けどね、後ろに戻ったわけじゃないのよ。エアリーロが残した祝福はあるんでしょ? システムに頼らなくても、その力は既にあると思いなさい」


 そう言ってローレは空に浮かんでく……と思いきや、海の中へと沈んでいった。すると途端に海からホタルのような光が輝きだし蠢き出した。そして一斉にとんがったイカが空の赤いサラマンダー目掛けて飛んでいく。まるで流星が昇ってくかのような光景。凄い……素直にそう思う。ローレは何も無くならなかったと言った。実際、そんなことはないと思う。なくなったはずだ……けどそれでもローレは信じたんだろう。疑わなかったんだろう。だからこれだけの力をこの短期間に取り戻せた。

 それが出来たのはローレの心が強かったからだろう。LROは心に応えてくれる。きっとその本質だけは変わってない。ローレとサラマンダーがあの赤いサラマンダーと戦闘してる。ローレが居るだけで、なんとかなりそうな気もするが、それじゃあ駄目な気がする。ローレがなんであの赤いサラマンダーを僕の影みたいな奴と同じというのか……少しわかったかもしれない。

 僕は奪われたと思ってた。だから使えないものだと決めつけてたのかもしれない。心が負けてた。もしかしたらサラマンダーも何かに? それはわからないけど、それじゃあLROは応えてくれない。

 

「その力は既にある……か」


 僕は自分の拳を握りしめて空での精霊の戦いを見る。華やかな光の応酬。けど普通は何が起こってるかなんてわからないだろう。でも見える。この目には。けどこれは違う。これもそうだけど、今は違う。ローレもサラマンダーもなにも言わずに行った。それは連れて行ってくれるなんて甘えをなくすため。そしてきっと来ると信じてくれてるから。

 出来るかはわからない。けど、出来るはずと信じよう。僕の力はここにある!

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