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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 視界は覆われてるけど布のむこうには強烈な光が見えてた。でもそれがだんだんと薄れていくとニューリードとは違う匂いが鼻腔をくすぐった。それだけでわかる、ここが違う場所なんだと。

 いつも視界に頼ってるしいい機会かもしれない。便利すぎるんだよね視界というか、この目は。だから少しは他の器官を鍛えときたい。いや、もっと上手く使えないかと思う。リアルでは機能以上のことはできないけど……ここはLROだ。LROは機能を再現してるに過ぎない。

 普通以上のことをしようとするのならそれはスキルが必要。けど、僕の目はスキルなんてなくても目の機能が上がってるのは確か。リアルを再現してるからなのかなんなのかはわからないけど、スキルがなくても五感の機能の拡張はできるのかもしれない。

 

(まっ、どうやるかなんてわかんないけど……)


 とりあえず匂いが変わったのはわかる。磯香りは確かに感じる。まさか海があるの? どうなってるのかとても見たい。それに日差しが強い気がする。南国みたいな? リゾート地みたいになってるのかな? 

 エリアはプレイヤーの自由。エリアはLROと同じようでけど違う。エリアがLROと繋がるのは多分レスティアのようになってから。レスティアは実際時間さえエリアでもLROと同じになってた。

 けど基本のエリアはLROとは違って白い光に包まれてたんだ。それは昼でも夜でも同じだった。ここもいつでも昼とかにしてるのかも。そもそもエリアバトルでも天候さえ操れるしな。

 そう考えるとエリアでの農作物の栽培とか楽だよな。なんだって思いのままだし。むしろ大変なのはLROに繋がってからになるんだろう。て、ことはレスティアは今なかなか大変なのかもしれないな。

 あんなに華やかなのに裏では大変なのかもと思うと生徒会の奴らにも少しは同情できるかも? いや、やっぱり生徒会はどうでもいいな。

 

「海があるのか?」

「まあそのくらいは教えてあげるわ。海はあるわよ。私のエリアは瀬戸内だからね」


 どういう意味なのだろうか? 瀬戸内を再現してるって意味? それはそれは結構すごいことだけど……リアルと変わらないのはどうなの? とも思う。そんなに故郷が好きなんだろうか? そんな故郷思いな奴だとは思えないんだけど。

 いや、それこそ勝手な思い込みか。案外いい奴ではあるしなローレ。前のLRO最終決戦ではこいつも駆けつけてくれた。てかこいついなかったらヤバかったしね。

 

「みかんとかあんの?」

「瀬戸内だからミカンってなんか安直じゃない? それに私の作る瀬戸内はニュー瀬戸内だから。ただのコピーなんかじゃないわよ」


 そこまで言うならもう見せろよ−−と思う。けどこの目隠しとってくれないのよね。てかさっきから歩いてる気がするんだけど……扉からすぐにサン・ジェルクに行かないの? 

 

「おい、いつまで歩くんだよ?」

「ちょっとした確認したくてね。ついたわ」

「おわっ」

 

 どこかの建物に投げられたのはわかった。前が見えないから壁に激突して止まった。なにここ? 後ろの扉が閉まる音が聞こえる。僕は慌てて目隠しをあげて振り返る。けどすでに中は真っ暗だった。

 前言撤回、あいつはやっぱりこういうやつだった。

 

「おい! どういうことだよ?」


 ダンダン−−と扉だと思う部分を叩く。すると外からローレの声が聞こえてきた。

 

「落ち着きなさい。別に監禁するわけじゃないわ。ちょっとした確認事項をしとこうと思っただけ」


 そう言って何か唱えてるような声が聞こえる。すると突然何か浮遊感を感じる。どうなってるのかが全くわからない。そして数秒後に浮遊感は収まって突然部屋中に光が満ちる。その光に目を閉じて開けると部屋の中は全て鏡になってた。写るのは自分の姿。

 

「いや……だからなんだよこれ?」

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