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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 朝、いつもの通り通学路を歩いて校門にたどり着くと何から変な集団がいた。それは一言で言うなら暑苦しい。なぜかというと奴らはハチマキをつけて何かチラシみたいなのをどっさり持って大きな声を出して登校する生徒に挨拶がてらそのチラシを渡してる。

 別にチラシを配るぐらいはまあ……って感じだけど、それなりの人数が朝から元気に声出してるのが鬱陶しい。今時の高校生はこんなキャラじゃ決してない。もっと気だるげに「ダリー」とか言ってろよ。

 まあ前からここの生徒にはそんな今時とかいうのとはかけ離れた感じだったけど、そんな張り切るなよ……とか、今時の高校生を体現してる僕は思う。

 いや、ほんと僕って普通だからね。もう誰がどう見ても普通という言葉しか出ないほどには普通だよね。うんうん−−とかなんとか一人で頷いてるといつの間にか校門前にいた鈴鹿と目があった。

 そして無言で歩き出す。おいおいだよ。ついでに「おいおい」言って追いかける。

 

「何よ?」

「うっ……」


 相変わらずのクールさに一瞬たじろぐ。そんな中空気を読まずに摂理が「おはようー」とゆるい声で言った。それに一瞬何かを考えてから「おはよう」とぼそっと返す鈴鹿。少し頬が赤いのを見ると恥ずかしかったんだろう。

 

「スオウ」


 そう呟く摂理の意を汲んで僕は車椅子を鈴鹿に任せる。二人はこれからもっと仲良くなれるだろう。てな訳で邪魔者はいらないのだ。鈴鹿は貧弱だけど、実際摂理の超高性能車椅子に力なんていらない。勝手に動くし……迎えにも来て来るれるし……多少の段差はなんとかなるし……ね。てな訳で僕は二人から離れて周りを見渡す。

 うざったいハチマキの集団は無視。てか僕には声かけて来ない。あれだけ熱心に生徒に向かってる癖にこっちには一切こない。いや、いいけどね。そして僕と同じとは言い難いけど、声をかけられてないのが摂理たち。

 なぜか……あんな目立つ奴が? と思うだろうけど、その答えは簡単だ。それはハチマキに注目すればわかる。そのハチマキには『クリスラブ!!』の文字がある。つまりは奴らはクリス派なんだろう。だから摂理には声をかけない。けど明らかに視線が摂理を追っていた。

 あんなアホどもは無視するとして僕は生徒会をさがしてた。けどどうやらいないらしい。いつもは校門前で挨拶してるけど、今日は彼らがあのチラシ配りのために変わったんだろう。けどあのチラシ配りが許可されてるかどうかは怪しいな。

 基本ああいうことは禁止されてる。知ってたら許可なんて降りない。まあ日鞠は知ってても許可出しそうだけど、他の面々が承諾しないだろう。一応「面白そうだから」なんて理由だけでは日鞠信者の生徒会の面々も首を縦には降ってくれないのだ。

 

「ここに居ないってことは生徒会室か? でもそこまで行くのも嫌だな」


 用があるのは日鞠なんだけど……まあメールでいいことでもあるが、ちょっと話しておきたいんだ。それは昨日ローレから聞いた情報。それが結構重要だったから。知ってそうでもあるけど、一応伝えておこうとは思う。

 だから適当に会える時間をメールした。そして昨日のローレの言葉を思い出す。

 

『私は参加しないけど、テア・レス・テレスの台頭というか独走を良しと思ってない勢力は多いのよ。だから共闘して潰そうって動きがある。結構なチームが共闘組むみたい。これだけのエリアを作れる奴が簡単に負けるとは思わないけど、一応ね』


 −−とういうことだ。つまり、日鞠たちは狙われてる。いや、今確かに独走状態だし、そんなの当たり前なのはわかる。けど、有力なチームが一斉に動き出すとなるとテア・レス・テレスでも危ないんじゃないかと……そんな思いでいるとメールを知らせるバイブが伝わってきた。

ただ今noteで『ヌトゲノムの涙』、カクヨムにて『勝てない勇者の英雄譚』連載してます。それらとこれをローテーションで回して毎日更新してます。なので良かったら読んでみてください。どちらもまだそんなに話数ないですけどね。

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