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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「ふーん、こうなってるんだ。ちょっと外にも行きたいわね。付き合いなさい」


 そういうローレに言われるがままにレスティアの外へ。わかってたけど、外は海……なんてことはなく普通に陸続きだった。ニューリードから見たレスティアは海の上に浮いてるように見えるんだけどね。

 けどあの大門を通れば日鞠たちのエリアな訳で、関東最大勢力のエリアが街一つで埋まるわけがない。いや、やろうと思えばできるんだろうけど、日鞠はそうはしてないらしい。

 

 外に出ると整備された道に街灯までたってた。どうやって明かりを確保してるのかと思ったら大きな花が五輪位垂れてて光を放ってた。どうやらこのエリア、様々な花があるらしい。

 LRO自体にも発光する花はあったけど、こんな光強くなかったような? 品種改良でもしてるのだろうか? とりあえずエリアでは純粋なLROとは違う生態系とかもできるのかもしれない。

 そこらへんは全てはユーザー次第? 

 

「この道の先は何があるんだろうな?」

「別の街でしょ。知ってる? このチームのエリアの規模は東京と千葉と埼玉合わせたくらいあるのよ一つの街だけじゃ、成り立たないでしょ」

「そんなにかよ……」


 びっくりである。てか軽く引く。だって僕のエリア小さな小川と掘建小屋くらいしかないぞ。しかも少し歩いただけで行き止まり。雲泥の差である。

 

「それかダンジョンとか作ってるとも聞くわね。このエリアだけのモンスターもいるようだし、独自の素材とかもニューリードとかから世界中に下ろしてるみたい。そしてそんな素材を求めてプレイヤーも大挙してる。

 人が集まればお金は回る。今頃ウハウハでしょうね」

 

 街灯に照らされてた道を散策しながらそんなことを言うローレ。そういえば、こいつは今何やってるんだろう? 前は野望持ってたけど、今もそうなのかな?

 

「お前、今何やってんの?」

「教える義理はないけど、いずれはあんたを巻き込むし教えてあげる」

「いや待てよ。何巻き込むの前提で話そうとしてんの?」


 ちょっと意味わかんないんですけど。そんなにローレと関わることないと思うんだけど?

 

「何? 私はあんたにとっての都合のいい存在なわけじゃない。私は私の都合であんたを使うし、あんたもこうやって私を使ってるじゃない」


 いやいや、そういうならさっさと精霊の場所教えろよ。まあまだ聞いてないんだけど。でもやっぱローレはローレだな。

 

「私は今、四国統一してる最中」

「へー……ってお前四国なんだ」

「何よ、田舎者って思った?」


 頬を膨らませるローレがなんか子供っぽい。まあ見た目は完全な子どもなんだけど。

 

「別にそうじゃないけど……で、どうなん? 統一できそうなの?」

「私を誰だと思ってるのよ」


 流石はローレ、自信満々である。それでこそ……とは思うけどね。

 

「でも関西と中国の奴らがうるさいのよね。まあそんなことより精霊の居場所聞きたんでしょ?」


 おっ、いよいよ本題か−−と思ってローレを見るとなぜか手近にあった大岩に乗ってこっちを見下ろしてくる。偉そうなのはデフォルトだけど、子供の容姿のくせになぜか妙に絵になるやつである。

 僕は無言でローレを見つめる。

 

「教えてあげてもいいけど、こっちの願いも叶えてもらうわよ」


 そう言って笑うローレに月光が当たってその長い銀髪を幻想的に照らしてた。

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