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命改変プログラム  作者: 上松
第一章 眠り姫
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未来への報酬

「こいつっ––良い所で!?」

「良い所? それはナイスタイミングだったと言うことか? 流石私」


 この野郎……でも確かに凛からしたらまさにナイスなタイミングだったろうな。あんまりわかってないだろうけど、こっちは重要な時だったんだ。それを妨害できたんだからこいつからしたらナイスだったよ。こっちからしたら最悪だ。


【スオウ】


 苦十の声にその方を見ると、なんか肩を竦められた。なにそれ? 諦めの合図か何かか? 確かにこの状況は不味い。本当は戻ってきた後に、こっちから魔鏡強啓の扉を開く筈だったんだ。まあその為のエネルギー問題とか色々とあるけど、それをクリアする為に苦十の奴には第一と一緒に行ってもらった訳だよ。

 これまでは固く閉じられてただろうけど、一度通った……開いた扉ってのは開きやすくなるものだろ。それに向こう側に言ったのなら、そこで通り方、扉の開け方を得てきて欲しかった訳だ。そこら辺はどうなんだよ。僕は視線でそれを求める。

 すると頭に響く声がこう伝える。


【抜け目はないですよ。そこら辺は】


 どうやらちゃんと伝わってたようだ。まあこいつ僕の頭に居るような物だからな。その気に成れば、別に口に出さなくったって意思は伝えられる。凛の奴には苦十の姿も見えてるようだし、言葉も聞こえてる。筒抜けになるのは困るし、思考間で意思疎通が出来るのはいいことだよ。

 今は苦十の奴は口に出してるけど、アイツだって僕の頭の中に直接語る事は出来るはず。


「何かやってたようだな。まあそれもそうだろう。何の目的も無く戻ってくるわけはない。死にに来た様な物だしなそれじゃあ。そんな無謀な奴じゃないだろ? 貴様は」

「まぁ……な」


 苦十の奴は目的を達してくれたよう……けど、この状況は不味い。そんな一瞬で扉を開いて駆け込むなんて……いや違う、そうじゃない。凛の奴はなんて言った?


『見える見えない、あるない、などそんなしがらみなど関係ない。我の望みの全てを断ち切る刀。それこそが天叢雲剣だ』


 そう言ったんだ。つまりはこいつがここに居る限り、どこに逃げ込んだって意味は無いのかも知れない。凛のあの武器『天叢雲剣』は確実に対象に届く剣なのかも。なんて脅威だよ。どんな武器でも魔法でも、「当たらなければ」って望みが一縷はあるものだろ。

 僕みたいに力を追求するよりも、スピードの方に特化するってのはそんな一縷の確率を上げてる訳だ。どんなに強力で一撃必殺の技だって当たらなければそれはダメージゼロ––その為のスピードでその為に色々と頭を使うわけだけど……凛のあの武器は、僕達のそんな一縷の望みを潰えさせる能力持ち……かも知れない。

 実際僕は既に一度体験してる。あの刀の引力みたいなの。一見すると別になんて事はない刀に見える。むしろなんかボロッボロに見える。けど、そんなボロッボロの刀に、セラ・シルフィングは一刀両断されたんだ。

 なんだって見かけに騙されちゃいけないな。あんなボロッボロの刀でも当たれば終わる。めっちゃ気怠そうにしてた奴に、してやられた……これ以上はもう油断なんてしない。そう心に決めてる。凛がここに居る限り、魔鏡強啓の扉を開くのは不味い。けど……だからと言って今の僕には奴を後退させるほどの力もない。

 せめて渡り合えれば……とも思うけど、それはそもそも無理なんだよな。セラ・シルフィングが万全かどうかじゃない。こいつらには、たぶんそもそも挑んで行く事自体が間違いなんだ。本当にもっと懸命で聡明な人とかなら、賢い選択を出来るんだろう。けどそれは僕には無理で、だからこうやって無理無茶無謀に頭を悩ませる事になる。

 こんな平々凡々な頭を必死に動かす羽目になる。学校の勉強とかなら、ここまでしないんだけどな……そんな物とは重要度が違う。繋がり……それを僕は失いたくない。そんな友達も多くないしね。だから大切。


「いい目をしてる」

「何?」

「どうやったらここを切り抜けられるか。私を倒せるか。諦めない奴の目だ」

「それじゃあ、そんな気概に免じてくれると嬉しいんだけどな」

「いや、それはほら、楽しくない。無抵抗な人間を虐めるよりも、イジメ甲斐のある奴をイジメた方が楽しいだろ?」


 こいつ……ドSか!? イジメ甲斐とかなんだよ。武士ならこの気概を買えよ。てかそもそもこっちは戦うことなんて出来ないっての。待てよ、こいつの武士っぽい性格と、武器無しの状態を使えばどうにか出来る……か?


「イジメ甲斐ね……でも今の僕には武器がない。楽しむのなら武器くらい必要だと思わないか?」

「それもそうだな」


 おお行けるか?


「だが、意味など無い。武器も魔法も何を持ちださそうとな。ハッキリ言ってやる。この天叢雲剣に斬れぬものは無い。だから武器などあっても無くても同じだ。もっと他の事で渡り合って見せてくれ」

「む……無茶言うな!!」


 僕は思わずそう叫ぶ。いや、だって誰だって叫ぶだろ! それか土下座くらいして泣いて懇願する場面かも知れない。だって今なんて言ったよ! だって今なんて言ったよ! (大事な事なので二回言いました!)

 「武器などあってもなくても同じ」––そう言いやがったんだぞ! もしもだよ。百歩譲ってその言い分を受け入れるとしよう……………………絶望しか無いよ!! いや、凛からすれば、僕達が武器を持とうがどうしようがそりゃあ関係無いのかも知れない。

 どんな事をしようが、あの武器は全てを切り裂けるんだろう。けど……そんな事を言われたってこっちはハイそうですか––って言えるわけない。向こうにとっては意味なんてない武器の所持だろうけど、こっちには大いに意味はあるんだ。

 武器があるってだけで、立ち向かう勇気ってのがどこかしらか沸き上がってくる気がするだろ。「まだやれる」––そう思えるのも一緒に立ち向かってくれる武器があってこそ。緊張を最後まで繋ぎ止めてくれるのも、その手に感じる重みとか、積み重ねてきた信頼とかそんなんだよ。

 武器は物言わない。言葉で励ましてくれたりなんかしない。でも……僕はちゃんと感じてた。僕はセラ・シルフィングとどこかでちゃんと繋がってる。そう感じてたんだ! 


「流石に武器がなくては、立ち向かう事も出来ないか? つまらん奴になるなよ。考えてもみろ。貴様達にとっての最大の武器は本当にこいつなのか?」


 そう言って出したのはセラ・シルフィングの片割れ。地下への崩壊で見失ってた一本。なんで凛の奴が……すると僕の表情から考えを読んだのか、凛の奴がこう言うよ。


「これか? 拾ったんだ。そしてコレのお陰で貴様らの居場所も分かった。これは対の武器だろう? どうやら確かに繋がりはあるみたいだぞ。だが、それが今回は命取りに成ったがな」

「……ぐっ」


 つまりは、セラ・シルフィングの繋がりが凛の奴をここまで導いてしまったと……そういう事か。確かにこのままじゃ決定的にそうなったと……言えるかも知れない。でもまだやられちゃいない。まだ事実には成ってない。ここを切り抜ければ、セラ・シルフィングを責める事はしなくていい。

 そう思ってると不意に凛の奴は無残な姿となってるセラ・シルフィングを投げてくる。僕はそれをスパっと掴み取る。慌てはしない。リアルではおっとと……ってな感じになるかも知れないけど、なんかいつの間にか、こっちの方が体が軽い気がする。神経が直に繋がってるような……いや、リアルでも自分の肉体何だしそこら辺は変わらない筈だけどさ、ここでは実際肉体って障害を通ってないから? なのかも。


 頭から出た信号をリーフィアが拾ってそれをダイレクトに反映してる。遅延があるかは知らないけど、こっちの世界の方がしっくり来るのは落ちきってるから? てかちょっと前までも落ちきってて、リアルに戻ったのはほんのすこしの間だったから、こっちの方に頭が適用してたのかもしれないな。


「武器が無くちゃ戦えないのなら、返してやる。さあ、やろう」


 そう言って再び腰を落とす凛。張り詰めた空気がひしひしと伝わってくる。僕の手には刀身が無くなった剣が二つ。セラ・シルフィングには悪いけど、対抗出来るとは思えない。


【どうするんですか? 大ピンチですよ】

「気楽そうに言うなよ」


 苦十の奴はなんか面白がってる気がする。大ピンチ……ああ、確かに大ピンチだ。勝てるわけはない……でもここでやりあうわけにも……どうにかしてこの場所から凛を離さないと。僕達に必要なのは時間なんだ。一分一秒を生き延びることさえ難しいかもしれない……けど、諦めるにはまだまだ早い。


(苦十、わかってるよな?)

【……】

(おい、聞こえてるんだろ!?)


 なんで無視してるんだよ。まさか諦めてるとかそんな事無いよな? するとようやく苦十の奴の頭に響いてくる。でもなんだろう、目に見えるかの様に言葉でやる気の無さが伝わってくると言うか……これも同じリーフィアに共存してる影響か。


【聞こえてますよ。ちょっと面倒になってきて】

(はえぇよ! まだまだやることあるだろ)

【だってですね〜結構詰みじゃないですか?】

(それを言うなよ! てか、そんなの大体最初からわかってた事だし、可能性を信じるんじゃなかったのかよ)


 可能性マニアのくせにもう飽きたとか言わせないぞ。もちょっと信じろよ。てか頑張って欲しい。こっちはお前に結構頼ってるんだ。


【よくよく考えたらアレですよね?】

(あれってなんだよ?)


 なんだろう、嫌な予感がする。むしろ嫌な予感しかしない。苦十の奴の瞳が細められて、妖しく笑うのは、性格悪い事を企んでる時……


【私って無償で働いてませんか? 労基法違反ですよ】

「はっ?」

「気の抜けた声だな。一瞬で死ぬからと言って、気を抜きすぎだぞ」


 凛の言葉に僕はギクッとした。不味い不味い。苦十の奴がアホな事をいうから思わず声が漏れたじゃないか。なんだよ労基法って……そんなのはLROでは適応外だろ。


(お前な……この状況でアホな事を言ってるなよな)

【アホとは心外ですね。労基法はまあどうでもいいですけど、要はただ働きって割に合ってないって事ですよ。なので今から三十分毎に五苦来請求します。そして働きによって報酬がアップする歩合制度を導入しましょう】

(導入してどうするんだよ。そもそも苦来って単価の基準がわかんねーよ)

【苦来単価は私の幸福度です。五苦来は缶ジュース一本分に相当します】

「安いなおい」


 案外良心的な設定だった為に、またもや思わず声が……するとやっぱり凛の奴はそんな僕の言葉を聞き逃しはないようで……


「安い? はっ、この状況でそう言えるとはやりあう覚悟は出来た––ということだな!!」

「いやっ、ちょっ––そうじゃなっ––––っつ!?」


 目に見えない……いや、僕には辛うじて見えるその居合。僕は咄嗟に横方向に跳ぶ––跳べなかった!? いや、確かに自分の足は力強く床を蹴った筈だった。けど、移動した距離は微々たるもの……そんな訳はないのに、殆ど位置は変わってない。


(引力……)


 多分、きっとそんなのだ。僕は咄嗟に鍵の一つに命令を送る。法の書を通した高度な命令は間に合わない。それならこれしかない! 頼む!! すると次の瞬間、バキン! と言う音と共に、目の前でガラスが割れる様に何かが壊れる。そして僕の体に一閃の傷が皮一枚に入った。


「バンドロームを使って、自分と斬撃の間に咄嗟に高密度の空気の壁を作ったか」

「超速理解……脱帽するよ」


 理解するのはえーよ。もっと「何!?」とか言えよ。まあでも三種の神器の事は向こうも知ってる事だしな。驚かれなくて当たり前か。だけど今回はたまたまうまくいったけど、次はきっとない––と思う。

 本気で攻撃してきてたら、あんな壁なんて容易く切り裂いて僕のこの体を一刀両断してたはずだ。最初の攻撃でセラ・シルフィングと僕の腕を切り落としたように……事実皮一枚は斬られてる。次は無いと思った方がいい。


【幾らバンドロームで防御したと言っても、案外簡単に止めれましたね】

(どこが簡単だよ。事実斬られては居るんだぞ)


 全然簡単じゃない。一歩間違えば終わってたんだぞ。ぎりぎりのやりとりだよ! 一挙手一投足でこっちは神経ガリガリ削ってるんだ。簡単とか言うな。


【でも、それだけで済んだ事実は受け止めるべきです。まあこれ以上のアドバイスにはさっきの契約を交わして貰わないと駄目ですけどね。どうしますか?】

(さっきの契約って……基本給三十分五苦来で、成果によっては報酬が増減ってあれか。そもそも報酬ってなんだよ。缶ジュース奢ればいいのか?)

【まあ、報酬はあんまり考えてません。でも一応苦来を溜めて、思いついた時に使います。拒否権はありません。苦来は絶対ですから】


 それは暗に自分は絶対者とかいってね? 報酬がよくわからないのは気になる……それにどうやって成果の歩合を決めるんだよ。何も明確な基準なんて無いし、はっきり言って苦十の奴の裁量次第でどうにでも出来て、どんな理不尽な要求さえも呑ませれる。これって悪魔の契約じゃね? 

 だけど、こいつの協力なくして、僕達が戦えるはずもない。どう考えたって飲まざる得ない契約だ。でも全てを簡単に受け入れると危険な香りがプンプンする。苦十は底が知れないからな……取り敢えず基準は必要だろ。


(上限を要求する。成果によって得られる苦来と減る苦来を明確にしろ。それと最高基準の報酬の苦来数を出せ。それによって基準は変わるだろ)

【そうですね〜じゃあ最高五百苦来を報酬の最高値にしましょう。減額も同様です。そして取り敢えずの最高報酬はそうですね〜、SEXって事にしときましょうか。あっ、ついでに一回の報酬で五回まで継続利用可能ですからね】

(…………シックス?)


 6か……6ってなんだろう。何かの暗号か? でもそんな暗号の取り決めなんかしてないっていうか……


【SEXですよ。シンプルに言うと交尾です】

「なんだよそれ!?」


 いや、知ってるけど! 聞き間違いを装って逃げたかったのに、なんで何の恥ずかしげもなく言うわけ? いや、っていうか……本気かよ?


「なんだ? 私達の存在にいまさら疑問を投げかける意味などないだろう。それとももっとこの天叢雲剣の情報が欲しいって事か?」

「ああ……えっとそれは……」


 しまった。また口に出してたか。だって苦十の奴がほんとアホな事をいうから。凛の奴は、僕が自分を意識してないと勘付いたのか、怒気を放ってるように見える。簡単に言えばポニーテールが重力に逆らって上へ靡いてる。


「私を前にして心ここにあらずとは……良い度胸だ!」


 そう言って足を床にめり込ませると、天叢雲剣を掴む手に朱色の篭手が現れた。武装? 本気じゃないのはわかってたけど、防御力まで上げる気かあいつ? 反則だろ。


「今、私が防御に走ったと思ったか? それは違うぞスオウ」

「なに?」


 心読まれてる。ポニーテールが逆だってこれが怒髪天なんだなと証明してくれてる凛は、こちらに天叢雲剣の切っ先を向ける。


「こいつの力は強大でな。リミッターを設けてるんだ。この状態は生身で振るう為に、限界まで力を絞ってるからこの姿。創りあげる時に、自分が願う最強を最強のままに具現化し過ぎて、その結果私の肉体でも耐えられなくてな」


 おいおい……何言ってるのこの人? 中二なの? 病患ってるよ。武器を作るよりもまずは精神科医でも創造しとくんだったな。心の病は深刻だぞ。僕がそんな見えない聞こえないしてる間にも、凛の奴はご丁寧に講釈をたれてくれる。


「ようはつまり、この篭手は防御用でも貴様等ようの防御ではない。天叢雲剣の力を自身に影響させないようにする能力を込めた物なんだ。だから安心しろ、私の防御力は変わらんよ。ただ攻撃力は別次元に達するがな!!」


 そう言った瞬間、ボロボロだった天叢雲剣から何かが剥がれる様に宙に破片が煌めく。そしてその光が納まるとボッロボロだった天叢雲剣がピッカピカになってた。マジで新品同様だ。見た目的にはそれだけ……けど、なんだろう……天叢雲剣の周囲の空間がネジ曲がって見える気がする。

 まるで真夏の熱せられたアスファルトのせいで周囲の景色がグニャリと変化して見えるかの様に……何、高温でも放ってるのかあれ? 


【やっぱり契約は必要ないかもですね。ご愁傷様です】

「諦めるなよおい!!」


 さっきまで恥ずかしい言葉言ってただろ。もうそれでもいいから頑張れ。いや、頑張ってください! マジで。


【SEXですよ? 良いんですか? 五千苦来でSEXですよ】

「SEXSEX言うな。そんなにヤりたいのかよ……」

【別に、知識だけはありますけど、実戦は大切でしょ? 大丈夫ですよ。私としても子作りにはなりません。それこそ心だけの関係です。肉体と共にただれるのはリアルでどうぞ】


 それって普通逆じゃね? って思ったけど、仮想空間では仮の肉体でしかないわけで、心でやっちゃうってことだろうか? 肉体的関係ではないと? どうなんだろうかそこら辺は……てかこいつは本当にヤりたいのか……いや、ただ興味本意ってだけなんだろう。

 簡単にSEXSEX言いやがって……けど、拒む事は出来ない。それに五千苦来なら、そうそう貯まりはしないしな。


【スオウはこの契約を飲むことで可能性を絶やさずに済む。簡単じゃないですか。私はSEXをして可能性を繋げる事は出来ないんですよ。だから体験させてくれる位良いじゃないですか。私にも希望をください】

(……苦十……お前)


 案外真面目に言ってたのか? 確かに普通はSEXって子作りだよな……それって未来を繋げることだ。別にいやらしい意味があるだけじゃない。でもリアルに存在してない苦十には子を産んで未来に何かを残すって事はできない。まあ自分が永遠に存在出来ればそんな必要性は無いんだけど……ハッキリ言って生殖行為って永遠に生きられない僕達有限の生命の苦肉の策の様な気がしないでもない。

 だけど不思議と永遠に生きたいなんて僕は思わないんだけどね。命の奇跡はまさにここだろう。永遠なんて物が無いからこそ、僕達は逆に可能性って奴を手にしたんだと思う。そして苦十は永遠を生きれるけど、可能性って奴を欲してる。


「それでもう、文句言わずに協力してくれるんだな?」

【約束しましょう。契約ですからね】

「それならSEXでもなんでも覚悟してやるよ!」

「せせせせせSEXって一体何を言ってるんだこの馬鹿者がああ!!」


 なんか赤面してる凛。こっちの会話の内容はわかってないだろうけど、SEXって単語に反応した様だ。凛とか純情そうだしな……赤面しちゃうな。でもそれで戦意喪失––とかじゃなく、更に怒りがこみ上げてるみたいなのがやっぱり凛だよ。からかって更に辱める……とかしたら逆に更にパワーアップしそう。

 取り敢えず話は纏まったんだし、ここから凛の奴を離さないと。今の状態の天叢雲剣の攻撃を出させるとこの空間その物がぶっ壊れそうだしな。


(苦十、魔鏡強啓の方は任せるぞ。僕はアイツを引き付ける)

【そうですね。それが現実的でしょう。ではさっさと出てってください】


 そう言うと苦汁の奴は指をパチンとならした。その瞬間、街の立体映像が出てきて、その映像が大きく広がる。


(なるほど。確かにこれなら––)


 僕は走りだす。目指すは地下への入り口の扉。これは映像だ。だけど、この位相空間は地下の出入口とリンクしてる。だからその扉だけは掴める!!


「逃すか!!」


 僕を追ってくる凛。これでいい。勝ては絶対にしない。でも生きるんだ。そして繋げる。やり遂げてみせる! 開いた扉に飛び込んで、僕はブリームスの元の街へと舞い戻った。


 第六百三十八話です。

 遅くなってしましました。せっかく前のペースに戻れたんですけどね。でもまだ大丈夫。大丈夫です。やれる。僕はきっとやれるはず!

 だから頑張ります。

 てな訳で次回は水曜日に上げます。ではでは。

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