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命改変プログラム  作者: 上松
第一章 眠り姫
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神の神託

今日はちょっと上げる時間も遅くなっちゃったんで、何故何故コーナーはお休みで! まだまだ安定しなくてごめんなさい。


とりあえず、本編をどうぞ!

ローレが紡いだその言葉、僕達はその言葉に戦慄して、そしてセラは何も言えなくなる。ローレの奴が掴んで手繰った物……それはセラにとって絶対に切り離せない物だ。竹の子みたいな頭した建物の頭部に当たる光。それがなんだか眩しい。


「ローレ……あんたって奴は……」


セラが拳を握りしめてそう紡ぐ。だけどローレはその輝く金髪の髪を靡かせながら、妖しく口の端を吊り上げるだけ。ローレの奴にとって、誰かの悔しがる顔とか、大好物でしかない。それにそれがセラならきっと尚更だ。

自分に楯突いてた奴の悔しがる顔とか、たまらない……そんな感じの表情だ。


「どうしたのセラ? ねえ言ってみてよ。貴女の行動は、そこのアイリ様も了承済みなのかしら? それって明確な契約違反よね? 天罰が下るわよ。しかもアンタにじゃなく、大切な大切なお姫様に」

「−−っつ‼」


セラは思わずアイリの方を見る。するとアイリもセラの方を見てた。そしてアイリも当然、その表情は曇ってる。ここでまさか自分達が人質みたいにされるなんて……そんな感じの表情だ。そしてそれを見て、更にローレの奴は面白そうにこう言うよ。


「アイリ様、どうなんですか? 彼女の独断専行なんでしょうか? でも彼女は貴女の側近ですよね? たとえ彼女の独断だったとしても、国の重要ポジションにいる彼女の行動に貴女の責任が一切無い−−なんて言えませんよね?」

「………………そうですね」


アイリは苦虫を噛みしめる様な声でそう答える。てか、そう答えるしかない。あの優しいアイリがここでセラを無関係にするために切り捨てる……そんな事をするわけない。お前とは違うんだよローレ。まあそれもあいつは織り込み済みだろう。

とことん底意地汚い手を使って来る奴だ。


「アイリ様……セラ様……」


緑髪で目が点君のノウイもこの状況にどうしていいかわからないって感じだよ。いつも小さな目が、今はバッテン印に成ってるぞ。あいつのあの目のバリエーションは何なんだろう? 前々から気に成ってたけど、ふと思う時がこんな場面だから深くは考えないんだよな。

どう考えても場違いな考えだし、まず頭から振り払うべきことだ。


「そう言えばノウイもエルフね。戦闘要員じゃないでしょうけど、どうする? 私達と戦って、アルテミナスを窮地に立たせてみる? 復興に大変なアルテミナスはきっと大変でしょうね」

「自分は……」


それ以上先を言えないノウイ。僕の顔を見て、そしてみんなの顔を見渡す。するとその時、周りに展開してた聖典がセラの手へと戻ってく。


「ホント、頭に来る女……いつか必ず殺すわ。せいぜい寝首をかかれない様に脅えてなさい」

「セラ様……」


セラが聖典を引っ込めたって事は……そういう事だろう。だけど僕達はそのセラの選択を責める事なんか出来ない。寧ろしょうがないって思う。僕達との付き合いよりも、アイリやアルテミナスとの繋がりの方が、セラは長い。どっちが大切かなんて、分かり切ってるじゃないか。

アイリはセラにとってとっても大切な存在だ。そこに僕はきっと並べないよ。そう思ってると、セラがこちらに振り返る。だけど顔を上げない。そしてそのままこう言った。


「ごめんなさい」


か弱く紡がれたそんな言葉。メイド服のスカートを前の方でギュッと握るセラは、それだけで悔しさが伝わる様だった。こいつが堂々と、顔を挙げられない……いつだって偉そうで、僕に毒舌と理不尽な暴力を放ってきたセラが「ごめんなさい」だなんて。

僕はセラ・シルフィングの柄を強く握りしめる。セラは僕達から離れてアイリの元へ行こうとしてる。そこに、ノウイもオロオロとしながらついて行ってる。まああいつはしょうがない。元から僕にじゃなく、セラについて来てた奴だ。

だけど流石にこれで良いのかって顔はしてる。でもアイツはまだ自分で答えを出せる奴じゃない。


「スオウ君……」


シルクちゃんの声が背中に掛かる。セラのトボトボと歩く姿が居た堪れないのかも知れない。まあそれは僕もそうだけど……僕はその背中にこう言うよ。


「誰も……誰もお前を責めないよ。お前の選択が間違ってるなんて、僕は思わない」


するとその時、ピタリとセラの足が止まる。どうしたんだ? 変な事言ったかな?


「なんでよ。どうしてあんたはそうなのよ!! あんたは本当に死ぬかも知れないんでしょ! それならもっと我儘に強欲に成りなさいよ。素直に『見捨てるのかよ!?』とか『行かないでくれ』とか言えないの!? それこそハッキリ『行くな!!』でも、みっともなく頭を下げたって良い筈でしょう?

なんであんたは……それをしないで、自分の寿命を縮める事ばかり……」

「セラ……」


ビックリした。正直、うん……ビックリした。これが本音だな。セラは少しでも迷ってくれたって事だよなこれは……僕がみっともなく縋りつけば、毒舌吐きながらもセラはこっち側に来てくれるのかな?

決して顔を見せずに背中を震わせてるセラ。その姿だけで、お前の思い、全てが伝わる様だ。しょうがないから、ちょっと戯けた風にこう言ってみる。


「今からでも遅くない? お前に居て欲しいって言うのは?」

「−−バッ、バカ! もう遅いわよ!!」


だろうね。でもそれで良いと、やっぱり僕は思ってしまう。


「セラ……」


小さく呟くのはアイリ。セラの方をみてると、そんなアイリと目が合う。アイリはアルテミナスのお姫様って立場上、下手な事は言えない。だけどその表情はなんだか泣き出しそうな感じだ。アイリも感情に流されやすいからな、あんまりセラを迷わせてたら、自分達にとって不利な事をやっちゃいそうだ。だから僕はセラの背中にこう言うよ。


「ありがとうセラ。嬉しかった。でも、ワガママになんかなれないよ。だって僕にとっては、みんなが大切だ。大切な仲間で、友達。僕の為に何も、犠牲になんかして欲しくない。だから、僕はお前の事を責めたりやっぱりしない。

ここで死んだとしても」

「なら……」


ん? プルプルと震え出してるセラ。何を言うのかと思ったら、案外予想外な事を言って来た。


「ならさっさと死んで思い出の住人ににでもなれば良いわ!! そんなのあんたの自己満足なのに!! このバカアアアアアアアアアア!!」


セラの叫びはこのノンセルス1の地に響き渡った。なんなんだバカって一体? 自己満足まで言われたし、何が気に障ったんだよ? 結局最後は良くわかんないって所はいつものセラだな。セラはそんな叫びと共に、アルテミナス側の兵達の中に飛び込んでいったよ。


「ホント可愛げ無い女よねセラって」

「お前だけはやっぱり言う資格ないと思うけどな」

「なんでよ? 私は頭の天辺から足の先まで見惚れる程に可愛いでしょ?」

「良くそんな事を自分で言うな。流石は天使の皮を被った悪魔だ」

「小悪魔的な可愛さも勿論備えてる私って完璧ね」


超ポジティブシンキングだなこいつ。小悪魔なんて可愛らしいレベルじゃねぇよ。お前は上級悪魔……ってかサタン級だよ。天使の外見して中身がそれだから、ホントたち悪い。そう思ってるとローレの奴は上機嫌にニコニコしながらこういって来る。


「ねえスオウ、分かってる? これで終わりじゃ無いよ」


その言葉に僕達はピクッと反応する。終わりじゃ無い……勿論それは分かってたさ。寧ろ実はビクビクしてたくらいだ。


「五種族である以上、どこにも関わりを持ってないなんてあり得ない。ねえ、貴方たちの事よ? シルクにテッケンに鍛冶屋」


そう名指しされてローレを見据える三人。やっぱりローレの奴は、僕から戦力って戦力を削ぎ落とす気だ。そうしたら、流石に抵抗しないだろうって……そういう考え。


「貴方達もそれぞれ名の通ったプレイヤーだもの、中央とは関係があるでしょ?」


こいつの言う中央って国の中枢ってそういう感じか? だけどシルクちゃん達からそんな話しは聞いた事無いけど……てか、なんでもかんで強引に結びつけようとするなよな。セラの場合は、アイリと友人関係だったし仕方ないとしても、テッケンさん達はどうなんだろう?


「買い被り過ぎです。私はそんな大したプレイヤーじゃ……」

「私を一度負かした奴が何を言ってるのかしら? こっちの故郷がなくなるわよ」


負かしたって……どうりでローレの奴はシルクちゃんを毛嫌いしてる訳だ。あいつのプライド的にそんな屈辱は許せないんだろう。


「実際どうなの? どこまで繋がりを認める?」


そう言ってローレは人の代表のオッサンに話を振る。


「ふん、まあ実際そこまで繋がりがあるわけでは無いな。だがシルクは我が国直属のギルド所属メンバーなのは確かだな」

「だけどそれが国の意思と認められる筈は有りません! 」

「だからと言って、お前は国を見捨ててそちらに付くのか?」

「見捨てるなんてそんな……」


確かにそれは卑怯な言い方だろ。見捨てたりなんかしてない。穴をつこうとしてるだけだ。


「ローレ様は私が動く事も、邪神の願いの邪魔に成ると……それが人の国の責任だと言うんですか?」

「そうね。そもそも国民を管理するのは国の責任でしょう? 当然の義務よ」

「それならスオウくんだってそうなりますよね?」


確かにね。僕も人だからな。でも何故かそこはローレもオッサンも同じ様な事を言う。


「どうせスオウは止まらないじゃ無い。それに繋がりなんて限りなく薄いも同然でしょ?」

「そいつが国って物をこの世界で持ってるとは思えない。我が国の為に、止まる通りが無い」


僕はどうやら人の国に所属してないらしい。てかどこにも所属なんかしてないかもね。でも確かにそんな感じかも。僕はルートレス=根無し草って感じが一番しっくりくる。でもそもそも、冒険者ってそう言う物じゃ無いのかな?

まあ考え方は人それぞれだけど。


「だけどシルク、あんたは違う。ここで過ごした時間の分だけ育んだ関係ってやつがあるでしょ? そのギルドにだって仲間と呼べる奴等はいる筈よ。それなのにあんたは、ここでそんな全てを切り捨てられる?」

「私は……」


シルクちゃんは俯いてしまう。唇を噛み締めて眉根を下げて……苦しそうな表情だ。そうだよな。シルクちゃんにだって繋がりが無いわけない。それこそ、一番長く過ごしてるであろう、人の国にはそんな繋がりが一杯あって当然だ。

僕みたいにさっさと離れた奴とはシルクちゃんはきっと違うだろう。普通は馴れるまでは自分の国には居るみたいだしね。そこで仲良くなった人たちと、ある程度の所まで来たら、新天地を目指す。そう言う物だってアギトのやつが言ってた。もしかしたら、その最初の仲間とかがギルドのメンバーとかなのかも……

もしもそうなら、切り捨てられる訳も無いよ。僕にとって全ての始めてが特別だった様に、それはこの世界に来た誰もがきっと同じ筈だ。それにシルクちゃんは優しいしね。


「シルク、お前はわが国にとって重要な存在だ。色々と噂も上がる程にな。優秀なヒーラー程、大事の時に重宝する物は無い。それに星の御子も言ってるだろう。どうやら、お前の行動一つも、国の責任らしい」


案外軽いノリで人の代表はそう言ってる。こいつの考えも実際良く分からない。さっきからビシビシと変なプレッシャーを掛けて来てる癖に、ローレ達に素直に従ってるし……見た目だけならやる気満々って感じなんだけど、そうじゃ無いのか?

そう思ってると、ローレはテッケンさんや鍛冶屋にまで話を振る。


「貴方達も一緒よ。テッケンなんて言わずもがなでしょう? あんたは有名なんだし、ボロボロのノーヴィスに止めを刺す気なのかしら? そこのスレイプルは……そうね、やっぱり国民の管理は国の責任って事で」


どうやら鍛冶屋はあんまり有名じゃ無いみたいだな。反対にテッケンさんはシルクちゃんやセラと同じ理由か。有名な奴はその国の責任を背負ってる……そう強制的にもしたいらしい。


「シルクちゃん、テッケンさん、鍛冶屋」


僕の言葉にも三人は顔を上げてくれない。


「自分たちの行動が、それぞれの国に何をもたらすのか、ちゃんと考えた方がいいわよ」

「くっ……だけど、契約で縛られてるのは代表達だけの筈だろう?」

「そうね。だけど代表達に天罰が下って終わりなんて成らないわよ。足並みを揃えようと一致団結してる筈の所でその調和を乱す。その意味が貴方に分からない訳無いでしょうテッケン。今ここに世界は一つになろうとしてる。

それなのに、一つだけが他の事をやるなんて、嫌われに行く様なものよ。敵は邪神だけじゃ無い。他の種族もそうなるわ。だってみな、私達の意見に賛同してるのだから。貴方達にそんな窮地に第二の故郷とも言える場所を立たせれる?

誰にでもそこには繋がりがあるでしょう」


みんなの行動はこの場で終わる事じゃ無い。そうローレは印象付ける。そんな事を言われたら、長くLROで過ごして来た人達程、何も出来なくなる。自分達一人一人の行動が、この世界での故郷を無くすか、不味い立場までも追い詰める事に成るんだ。

きっとこの一年とちょっと……一生懸命発展させて来た人たちが一杯いる……そんな中にはきっと知り合いだって、自分達だって含まれる。僕のこのちょっとの期間が凄く濃ゆいんだ。それなら、テッケンさん達は僕の何倍も何十倍もいろんな思い出がきっとそこにはある。

それこそ、ローレが掴み、手繰り寄せて人質に取ってる繋がり……それは恐ろしい程に効果的だ。僕はそれぞれの代表に視線を移す。


(ノエイン……それに……)


スレイプルの代表みたいな爺さん。結構ヨボヨボでガリガリで、杖が無いと立ってられないみたいな容姿してる。だけどその顔は異様に厳しい。長年の鍛治のせいなのかその髭は根元が白くて下に伸びていく程に黒ずんでるんだ。

そんな髭を揺らしながら、スレイプルの代表は鍛冶屋にこう言う。


「何をやっとるんじゃ! お前は国を見捨てるのか⁉」

「見捨てるって、アイツに言われてもそこまで心に響かないな」


案外鍛冶屋も酷い事を言ってるな。


「そもそもスレイプルは今や、一番国と言う概念に拘ってなんか無いだろう。殆どが自分達の作品を勝手に作って売るだけだ。国と言う形態が機能したのは戦争の時に、大量に俺達から武器を買い取って、他の種族にばら撒き漁夫の利を得た時だけだろ。あの領土戦争はさぞ儲かっただろうな。

それに市場を開拓してるのは、国じゃなくそれぞれのギルドだしな。バランス崩しや強力なリーダーが居ないせいで国に留まってるプレイヤーもそもそも少ない。移動要塞は便利だが、自分が得たい素材の場所に行ってくれるわけでも無いから、結局は外に行くしか無い。

しかも移動してるせいで戻りづらい」


不満をこれでもかと言うくらいにぶちまける鍛冶屋。確かに移動してるのは凄いって思ったけど、よくよく考えたら戻りづらいよな。てか、ここに居るのは特殊な事で、普段は領地をウロウロしてるんじゃ無いのか? よく知らないけど。


「きっ−−きっさまは、愛国心と言うものが無いのか!!」

「愛国心が育まれる環境じゃなかったかもな。まあ、スレイプルと言う種族には誇りを持ってはいるぞ」

「ぬぬぬ……それなら我らが悲願を知っておるだろう。それはスレイプル全体の悲願なのじゃ。その為にも、不味い立場には行けん!」

「だからこそ、今まで後ろの方で得をして来たんだよな。俺たちは」


俺たちは? それはスレイプルの国がって事だよな。戦争で一番儲かるのは武器商人って事だろ。でもそれをわかってるのなら、今回だって邪神に立ち向かうって選択もあったと言える。まあスレイプルだけじゃ無理なんだろうけど。

自分達だけが前に出たんじゃ、意味なんて無い。あくまで戦闘は他の種族にやってもらわないとって事だよな。でも今や、全ての種族が邪神側。これじゃあ戦争なんてしても損しかない。だからこそ、必死に代表は説得しようと……


「全く、愛国心の欠片もない人種なのねスレイプルって。リア・レーゼなんて私を崇めてるくらいなのに、やっぱりこの差は私とあんたのカリスマ性の違いってやつかしら?」

「うるさいわい女狐が。星の御子にあるまじき行為ばかりしおって、歴代の御子が泣いておるわい!」

「歴代なんてそんなの知らないわね。でもただ、先代は私の好きなようにして良いって言ったから、きっとこれも本望よ。そもそもあんた達は、星の御子の本当の役割をしってなんかいない」


本当の役割? ローレの奴は星の御子の役割って奴をやってるのか? いや、もしもそんなのがあったとしても、それはきっと二の次だと思う。どう考えてもこれはあいつの願いだろ。


「で、どうするのかしら? スレイプルは私達とその思いを違えるのかしら?」


ローレの言葉にスレイプルの代表は狼狽える。すると追い打ちを掛ける様にテトラのやつが前に出てくる。


「まどろっこしいな。もっとはっきりとさせようじゃないか。俺の邪魔をする事がどういう事に成るか。それを明確に示して、お前達には今一度、判断して貰おう」

「どうするのよ? まだ天罰与えられる程に明確じゃないわよ。それにそこら辺はこいつら全員分かってる事」

「だからこそ、そこじゃない所を示す。俺が邪神たり得る姿を彼奴らにはまだ見せてなかったからな。お前がここを選んだんだ。そこら辺も使う気だったんだろ?」

「あら、なんの事かしら?」


とぼけるローレ。だけどそこら辺は僕たちだって気にしてた所。どうしてアイツがこの暗黒大陸に近い街を指定して来たか……勿論、どこの国の領地でもないってのもあるだろうけど、それだけじゃきっとない。

テトラの奴は少しだけ口の端を上げると、その腕を天に掲げて、こう叫ぶ。


「この場に居る者共よ聞け!! 世界に蠢く、本物の闇の声を!!」


その瞬間、太陽が輝いてた晴天に黒く厚い雲が陰る。テトラの掲げた腕の先に集う様に黒い雲が集まって来てるぞ。やっぱりできるんじゃないか! そんな突然の空の陰りに、周りがざわめき出す。一体何を……そう思ってると、次の瞬間、地面を震わす様な叫びが聞こえ出す。空から響く様な、地面から染み出す様な、大量の叫び。


「な……なんじゃ!?」

「これは! 一体何だ?」


スレイプルのジジイと、人の代表のおっさんがそんな声を上げる。すると次に、テトラがその腕から、黒い雷を打ち上げる。それに呼応して、厚い雲から幾本もの黒い雷がノンセルスの周りに落ちる。耳をつんざく様な爆音と、視界を奪う強烈な閃光が辺りを支配した。


「っつ… …」


テトラの奴、一体何のつもりだ? 耳がキーンとしたじゃないか。奪われた視界が徐々に戻ってきた所で、「うわああああああああああ」と叫ぶ沢山の声が……ざわざわとなってる場所の人達の視線を追って空をみると、そこには衝撃の光景が……


「邪神! 何をする気だ!?」


アギトが思わずテトラにそう言った。でもそれはわかる。何をやる気だって誰だって思う。普通にノンセルスに住んでる人達は一斉に建物中には逃げ込んでる位だ。黒い雲で覆われてた空は、色をそのままに様変わりしてる。

黒い空を覆うのは、雲じゃない。雲じゃなくても黒く……雲よりも暗く大地を陰させるその存在は、モンスター。大量のモンスターがノンセルス1の空を覆ってる。するとその時地面が揺れる。


「な……なんですかアレは?」


シルクちゃんがそう言った先には、山よりもデカイ黒い影が蠢いてた。まさかあれもモンスター? おいおい、僕たちが戦った悪魔よりも数十倍デカイぞ。しかもどうやらそれも一体じゃない。ノンセルスを囲む様にモンスター達が展開してる。

驚愕してるとテトラが空中に浮いて行く。そして大量のモンスターを背にこう紡ぐ。


「安心しろ。これらは敵ではない。まだ今はな。だが、我との誓いを違えた時、その時は闇の進軍はその地に進む。ゆめゆめ忘れるな」


それはまさに神の神託だったのかもしれない。

第四百十三話です。

本当はちゃんと毎回毎回書きたいんですけど、なんだか安定しないんですよね。でも頑張って行きます。安定して、前書きも書ける様今後は目指します!

てなわけで次回は火曜日にあげます。ではでは。

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